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「ここがカヨさんのお部屋です。何か欲しいものがあったら部屋にある電話であたしの部屋に繋がりますので、いつでも言ってくださいね!」
ニコニコ笑いながら天使に案内された俺の部屋は、なかなか広くて良い部屋だと思う。
「本当にこんな豪邸に住んで良いのか?」
「はい!やっぱりストレスが溜まらないように、良い生活をして貰いたいので!家賃とかも気にしなくて大丈夫ですよ!」
俺はゲームを放棄すると言ったのにこの待遇。何だか少し怪しさを感じてしまう。
「あ、でもひとつだけ約束して欲しいことがあるんですけど……!」
ほら来た。上手い話には裏があるんだ。
「何だよ、約束して欲しいことって」
「食事は絶対に皆と一緒にしてくださいね!」
「……は?」
それだけ?思わず変な声を出してしまった。
「仲良くなる為に大切なことですよ。それに、誰かが出て来なかったら具合悪いのかなってすぐに気づけるじゃないですか!」
「まあ……他の奴らの異変に気づけるのは大事なことだとは思うけど」
わざわざ付け足すようなことでもない。とりあえず食事は全員で取れと。了解した。
「食事はさっき案内したダイニングルームでお願いしますね!では、楽しい天国ルームシェアライフを〜♪」
手を振りながら、天使は去っていった。
「……はあ」
思わず溜息が出る。というか、ここ天国だったのかよ。まあ死んでるんだから普通の場所では無いということは確かだが。
とりあえず部屋を見渡す。まあ普通の部屋っぽいが、ひとつだけ気になることがあった。
「テレビ、ブラウン管かよ」
いつの時代だよ。これ、本当につくのか?
そもそも俺はあまりテレビを見ないから問題は無いが。今の時代、スマホさえあれば何だって……。
「……もしもし」
『はーい!天使ちゃんです!カヨさん、何か欲しいものありますかー?』
「……スマホが欲しい」
『りょーかいです!……サガミさーん!カヨさんがスマホが欲しいって!』
とりあえず俺が最初に頼んだのは、最新のスマホだった。
第三話に続く……




