91:ゴスロリ
かつて噴火をしていた火山であったこの山は、今は活動が止まり休火山となっている。
水の流れる川や、六角形に模られた柱状節理を見ていると、まるで龍が通った道と言われているのも分かるような幻想的な風景だ。そんな山道の景色を頂上に向かい歩きながら眺める。
都会の喧騒から外れ、こういった自然豊かな土地にきて、スーと新鮮な空気を吸うと心が洗われるようだ。
頂上に辿り着く。
かつて火山だと言われていたその山には、既に活火山だった面影はない。数分頂上付近を探索してみたが、特に精霊に繋がるような成果は得られなかった。
首都に向かう途中に首都に向かう途中、何か手掛かりがないかと立ち寄ったが、何か成果を得ることができなかったことは残念だが、これはこれで、いい息抜きになった。
山を下り首都を目指す。
首都へ向かう道は、ある程度整備されており、平坦な道が続く。歩いていると後ろから馬車が迫ってくる。馬車が通り過ぎるのを待とうと、道から外れる。その馬車を観察すると、色は黒塗りで屋根と窓がついており、中には一人の女性が乗っていた。
馬車が通り過ぎる時に、中にいた女性と目が合う。
「あら?」
その女性がこちら気づき反応をした。
「あなたもしかして、シューベルトさんでなくって?」
その女性は前世でいう、ゴシックロリータのような黒い服装に身を包んでいた。髪色は真っ白く、服が黒いため非常に際立っている。肌の色も病的なほど白く、手には人形を抱えていた。
「……だれだ?」
これほど強烈な見た目なら、一度会えば覚えているはずだが彼の記憶には彼女と出会った記憶がない。
「これは失礼しました、四芳姿の一人エッダといいます。是非覚えておいて下さい、ブバルディアの君」
「……シューベルトだ」
「はい、存じております。友から貴方の事は聞きましたので」
かつて街に来たカサンドラにでも聞いたのだろうか。どんな話をしたのか気になるところだが、あまり深く聞かないでおこう。
「もし首都まで行かれるのでしたら、御一緒にいかがですか?」
「遠慮しておく」




