表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/334

05

 この世の真実を知った俺は、完全にやる気をなくしていた。

 はあ……つまり努力をしても結局、女には勝てない。一生女の尻に敷かれた生活をするのか。


 心のどこかで、そんな生活もいいかと思いつつ。あんな暴力女の尻に敷かれるなんて我慢できないと思いもある。

 ふと、前世の最期を思い出す。


(でももし、女が強い世の中であんな暴力女と結婚したら、前世よりひどい死に方をするんじゃないか……)


 前世のトラウマが蘇る。前世の嫁は別に暴力的ではなかったけど、最後は包丁を取り出して俺を刺してきた。

 今世では母が、剣を持って外に行くのをみたことがある。もしその剣がこちらに向けられたとき、俺は対処できるのか。


 いや、できない。少なくとも今の思い通りに動かない体じゃあ論外だ。


「父さん! この世界の女性の平均レベルってどれくらいなの?」


「ん、難しい質問だね」


 うーん、と少し考える父。


「魔力量の平均は一般人で20~30くらいかな。魔力操作レベルが中央の7だとしたら、大体140~210レベルくらいかな」


「200……」


 つまり俺は魔力量を40レベルくらいまで上げれば、なんとか一般レベルの女性より強くなれるのか……果てしなく遠いな。


「ああでもこれは、あくまで戦闘をメインにする仕事をしてる一般人だから、それ以外の仕事をしている人は10~20くらいだよ」


 それだと大体70レベルくらいか、100レベルになるには魔力量は25あればいい。これくらいなら頑張れるかもしれない。


 決めた! 俺は強くなって、か弱い女の子と結婚をする!


「父さん! 俺を鍛えて欲しい!」


「……そうか、シューベルトもその道をいくのか」

 

 あれ、なんか重い雰囲気だ。ここで自分より弱い女の子と結婚するためなんて言ったら怒られそうな雰囲気だ。


「それはとても茨の道だよ。誰しも夢見て、誰しもが諦める。シューベルトはそれを耐えられるかい」


「う、うん」


「分かった。じゃあ僕も心を鬼にして君を育てるよ」


 まあ、挑戦するだけしてみよう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ