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出たなラスボス。
正直、ここで出てくるとは思っていなかった。もしマリが出てくることを想定していたとしても、四芳姿のエッダは手を抜いて勝てる相手ではないので、既に満身創痍なのは仕方ないだろう。四芳姿との連戦は、想定外だ。
彼女は怒っていた。
とは言っても、服が焼けたのは俺だって想定外だ。文句は炎の精霊に言ってくれ。
彼女が、こちらへ向きなおる。
「お久しぶりですね……シューベルトさん」
「ああ」
彼女はぎこちなく俺の名前を呼ぶ。ようやく、彼女が前線へと顔を出した。
場所は水の精霊と、炎の精霊の領地の境目。場所としては申し分ないだろう。後はもう彼女に本気になって貰い、水の精霊を降臨してもらうだけだ。
ゾネに念のため、作戦を伝えておく。
「しかしお兄様……」
「頼んだぞ、ゾネ」
「分かりました……」
ゾネは、戦場から立ち去る。急遽だが準備は完了した。
「そろそろ終わりにしようか」
長い長い、夫婦喧嘩を。




