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 なぜ、わざわざ口から炎を出さないといけないのか。肺が焼けるように熱い。別に手とか足とか、その辺から出せるようにしておけばよかったのではないだろうか。


 ブレスが収まり、視界が開ける。


 彼女の人形は、跡形もなく焼け落ちていた。その後ろに隠れていた彼女は、服だけ燃え裸の状態でその場に立っている。


「あ」


 彼女の体には、傷一つない。滑らかな肢体が目の前にあった。


「なにやってるんですか、お兄様!」


 戦いを終えた妹が、合流してくる。いや、これはわざとではない。ドラゴンブレス(仮)によって彼女の人形と彼女の服は燃え尽きた。だけど彼女の体は、その辺の一般人とは違い魔力を纏っているため生半可な攻撃ではダメージが通らない。そしてブレスを耐えきったことで、服を着ていない彼女だけが残ったのだ。


「そう、俺は悪くない」


「でもガン見はダメです!」


 そういって手で両目を覆い、目隠しをする。いや、今戦闘中なんだが……


「エッダ様、こちらを」


 一緒に戻ってきた、おつきの人が服を渡したようだ。ようやく、妹の手が両目から外れた時には、既に服を纏った後だった。


「素晴らしい魔法でした、一体どういう理屈でそのブレスは発動されてるのですか」


「……知らん」


 なにせ、炎の精霊のお手製だからな。威力もお墨付きだ。


「まあ、教えてはくれませんよね。でも、わざわざブレスを貰ったかいがありました。参考にさせて貰います」


「……好きにしてくれ」


「さて、私は人形が壊されてしまったのでここまでです。この戦いは、あなた方の勝利ですね」


 そうか、これで勝利か。正直勝った気がしない。


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