16
「それはなんだい?」
父に魔力を飛ばす練習風景を見られ、尋ねられる。家の中なので魔力は抑えている。
「魔力を飛ばす練習」
「……それは意味があるのかい?」
「これで鳥を落とそうと思って」
そして俺の飯にする。
「うーん、でも魔力が当たっても何も起こらないんじゃないかな?」
「えっ?!」
そんな馬鹿な! 確かにそもそも試してなかったので、部屋の中にあった枝に向かって魔力を飛ばしてみる。
スッ
魔力は枝を通り過ぎ、そのまま何事もなく無散した。魔力を多めに込めることで防御力が上がったり、踏み込みが強くなるので勘違いしていた。魔力っていったいなんなんだ。
「……」
「ああ、でもそれと近いことをして攻撃する方法はあるよ」
「!? 教えて!」
「いいよ」
父が教えてくれたのは、前世でいう鎖鎌のような武器だった。つまり鎖で結ばれた先に攻撃できる重りなどをつけて魔力で勢いづけて飛ばす。いわゆる武器を伸ばして飛ばす接続型の飛び道具だ。
うん、確かに面白い。
「明日やってみる!」
「うん頑張って、もしお肉が取れたら料理してあげるよ」
ニッコリ笑う父、俺の思惑など全部バレていた。




