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やべえ、見つかった!


 禁止されているのに森に一人で入ってゴブリンにボコボコにされましたなんて言えない。できれば誰にも見つからず家まで帰りたかったが、なんでこんな村の端にこいつはいるんだ。

 追及を逃れるために、さっさと会話を切り上げてきたが、絶対にバレてる。そもそも村の外側から来た俺が、どこから来たのかなんて明白。加えてこのボロボロ具合だ。


はあー、やだなぁ。バレたら母さんにどやされるんだろうなぁ……


 そんな気持ちで家に帰る。幸いその後、誰にも見られることもなく家に帰れたが、父にはバレる。


「あまり無茶しちゃダメだよ」


 そう笑って許された。父さんも昔はこうして無茶をやっていたそうだ。前世でいうところの若いころはヤンチャしてました、というやつだろうか。


「父さん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」


「ん? なんだい」


「ゴブリンって何匹くらい倒したら、レベル上がるの?」


「ああ」


 やっぱりこいつ、森にいってゴブリンと戦ってたな、みたいな顔をする。


「そうだね、大体10匹前後かな」


「え?」


あれを10回?


「普通は大人と一緒に戦って、最後の一撃だけ貰うんだよ。そうやって介護されてみんな最初はレベルをあげるんだ」


え? なにそれずるくない? 前世でいうパワーレベリングというやつか。


「あの、父さん……」


「ごめんねジャクソン、僕は森に出ることを禁止されてるから一緒にはいけないんだ」


なんでだー!


「でもそうやって手に入れた経験値では本当の強さは入らないって言われてるよ。だから一人で倒すことで何か新しい強さを手に入れるかもしれないから、頑張ってみて」


俺は別に仮初の強さでもいい……


◇◇


 それから俺は何度か森へ足を運んだ。1匹でいるゴブリンだけを探して戦いを挑む。1度だけ1匹が見えない位置に入り、2匹相手にすることもあったがなんとか倒し切った。そしてようやく10匹倒し終えた。


「う、おおおおお! おろろろろ」


吐いた。


 気持ち悪い……なんだこれ。戦闘が終わった後で良かった。目の前がグワングワンする。立ってることができずに木に寄りかかる。


(これがレベルアップ……?)


 まさかこれがレベルアップだとしたら、かなり辛い。というかソロで狩りをする人間は高確率で死んでしまうんじゃないか。数分経つと少し気分が回復してきたので、木に捕まりながら立ち上がる。こんな危険な場所で休んでいられない。早く村に戻らないと……


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