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10:彼女の勘違い2

はっ、はっ、はっ、はっ


 私も彼を見習って村の中を走るようにした。身体強化をしながら走ることで体に魔法を馴染ませる。体力が切れてくると魔法が切れてしまうので、まだまだ練習が必要だ。


ガサッ


「誰――!?」


 音がしたほうを振り向く、そこにはボロボロの状態の彼がいた。


「シューベルト!? どうして――」


 どうしてそんなところに? いや、それよりもどうしてそんなに傷ついているの。彼の姿を見て驚きのあまりに続く言葉を失う。


「……お前には関係ない」


 ぶっきらぼうに答える彼に少しだけイラっとする。


「関係ないっ!? よくそんなボロボロの状態でそんなこと言えるわね!」


 今、私との関係なんてどうでもいい、まずは傷の手当からしないと。


「……ほっといてくれ」


「あっ」


 彼はそう呟いて歩き出す。私は彼の気持ちに思わず唾を飲み込む。一体どんな厳しい訓練をすれば、あんなにボロボロになるのだろう。そして彼はそんなボロボロになるまで鍛錬を続けている、その覚悟に私は驚いている。


「……私も負けていられない」


 そうして彼女も、より厳しい訓練をするために母に相談する。

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