第六章 萌子、巨大不良グループと争う
女の体を持つ男を読まれてからですと、理解が一層深まります。
ある日四人で下校していると、同級生が隣町の不良に絡まれていた。
その同級生は、たまたま近くにいたヒーローの私たちに助けを求めた。
レスリング特訓の成果もあり簡単に撃退した。
不良たちは、「覚えていろよ!」と捨て台詞を残して逃げ去った。
同級生は私たちに感謝して立ち去った。
里子が襲った不良たちを知っている様子でした。
「あの不良たちを知っているの?」と里子に確認した。
「ええ、知っているわ。隣町の不良よ。まだ私が不良になる前に、塾で知り合った隣町の友達の家に遊びに行った時に、あいつらに襲われたのよ。尾行して警察に通報しようとしたけれども、隣町に住んでいる友達は家が近く、仕返しを怖がって通報しなかったのよ。あいつらは私の事を覚えていなかったようです。」とやはり里子が知っていた。
「いつもどこにいるの?どこに行ったら会える?」
「ええ、先日偶然に見かけて尾行したので知っているけれどもどうするの?」
「覚えていろと言っていたでしょう?仲間を集めて今日の復讐にくる可能性があるわ。襲われる前に襲うわよ。先手必勝よ。次の日曜日に隣町で奇襲攻撃するわよ。里子、尾行したのは復讐を考えているの?」と尾行した目的を確認した。
「その時、私と一緒に襲われた友達が尾行されていたのよ。だから尾行して、その動向を調べていたのよ。」とその理由を説明した。
「わかったわ。私たちもスケットするわ。みんな、厚化粧してスケバン姿で集合よ。あいつらを尾行してチャンスがあれば、里子の友達を救うためと昔の恨みも込めて襲うわよ。仲間がいる可能性があるので配下のスケバンも連れてきて。康子の中学時代の昔の配下で、隣町に引っ越した配下がいたわよね。動向を探らせて。」と指示した。
康子が昔の配下に連絡すると、あいつらに狙われているようで、喜んで協力してくれた。
康子たちスケバングループ幹部は配下のスケバンに、「リーダーから呼び出しよ。今度の日曜日、全員隣町に集合よ。他のグループもくるわよ。隣町の不良グループを襲うわよ。リーダーに認められたら幹部に昇格する可能性があるわよ。他のグループは格闘技の特訓をしているそうよ。みんなも頑張って!」と発破をかけていた。
覚えていろと言っていたので、災害の根は摘んでおこうとした。
週末、隣町に行くと、里子の友達を隣町の不良が尾行していて拉致した。
焦っている里子に、「落ち着いて里子、恐らく人気のない場所に連れ出して何かしようとしている可能性が高いわ。尾行するわよ。里子の友達が襲われたら飛び出すから。みんな!配下のスケバンを呼び寄せて。」と近くで待機させていたスケバン達を呼び寄せるように指示した。
やがて人気のない場所で里子の友達が襲われたので、私たちは飛び出した。
里子の友達はスケバン同士争っている様子を見て、どこに逃げようかとオロオロしていた。
里子が、「こっちよ。」と安全な場所に誘導した。
里子の声に気付いて、「えっ?里子?グレたと聞いたけれども・・・」と里子のスケバン姿に驚いている様子でした。
「ここで待っていて。あいつらを追い払ってから家まで送るから。」と安心させた。
隣町の不良を追い払った。
「里子、友達にケガはなかったか?あいつらに目を付けられた可能性があるわ。里子の携帯番号を教えて。何かあれば里子に連絡して。私たちが手を貸すから。」と謎のスケバングループの参謀を失いたくない様子でした。
翌週、その不良に絡まれた同級生が、「橋田さん、先日、僕に絡んでいた不良グループが、謎のスケバングループに襲われたらしいよ。何でも、私たちの縄張りに来るなと鉄パイプで袋叩きにされて入院したらしいよ。」と教えた。
私は、「天罰ね。」と私たちが襲ったとは気付いていないようだ。
警察も、私たちが関係した不良グループが次々と謎のスケバングループに襲われていたが、私たちを連行しようとして総理大臣を怒らせて謹慎処分になったので、解雇が頭をよぎり手出しすることをためらっていた。
私たちは学校でも正義のヒーローとして人気があり、誰も私たちの事を疑う者はいなかった。やりたい放題だ。
そんな私たちの噂を聞いて、日本で五本の指に入る不良グループが挑戦してきた。
警察も手を焼いている不良グループと謎のスケバングループが正面衝突すると噂が広がった。
私はスケバングループに、「警察も手を焼いている強力な不良グループから挑戦されたわ。その不良グループに、陽子さんのお姉さまが襲われて負傷したらしいわ。骨折していて入院したそうよ。総理大臣も愛娘が襲われて激怒しているらしいわ。聞いたところによると、総理大臣直属の第二秘書を務めていて公私ともに信頼していたそうよ。仕事に影響がでて困っているそうです。総理大臣の指示で陽子さんが全面的にバックアップしてくれます。陽子さんが赤黒レスジムを動かして協力してくれるわ。挑戦を受けるわよ。」と指示した。
全員、「陽子さんとプロレスラーがバックアップしてくれれば怖いものはないわ。」と全員賛成した。
私はスケバングループに、強力な不良グループの動向を探るように指示した。
「里子のグループで、あいつらの様子を調べて。すみれのグループで、あいつらの持っている武器を調べて。康子のグループで、あいつらの戦力を調べて。」と指示した。
数日後、全員から調査完了したと報告があった。
挑戦された日時を伝えてスケバン姿で挑戦された場所に向かうように指示した。
そんな中、私が挑戦された日時に人気の少ない広っぱに向かった。
生徒会長の米田仁が気付いて私のあとを追ってきた。
「橋田さん、こんな場所に何か用ですか?この場所は危険です。帰りましょう。」と私を説得していると、謎のスケバングループが近づいてきた事に気付いた。
「橋田さん、謎のスケバングループの幹部が近づいてきます。やばいです。はやく逃げましょう。」と焦っていた。
「怖ければあなただけ逃げれば?」と話をしていると、やがてスケバングループの幹部がきた。
仁は命がけで萌子を守ろうと身構えた。
私は仁を押しのけて、「どいて!里子、あいつらの様子はどう?」と確認した。
「今までの戦いからして、格闘技の達人がどこかに隠れています。目の前にいる不良の他に、恐らく左右の草むらに数名隠れています。」と報告した。
「すみれ、あいつらが持っている武器は?」
「私たちと同じ鉄パイプです。」
「康子、あいつらの戦力は?」
「里子が報告したように、数人隠れていて、その中に格闘技の達人が二名います。恐らく左右に格闘技の達人が隠れています。あとは、不良グループと同じ程度です。」と報告した。
仁は、「えっ!?まさか橋田さん・・・」と信じられない様子でした。
「そうよ。そのまさかよ。あなた方が捜していた謎のスケバングループのリーダーは私よ。みんな、後方に停車している車にレッドデビルがいるわ。必要だと判断したら手を貸してくれるわ。いくわよ。」とコートを脱いでスケバン姿になり、カバンから鉄パイプを出して配下のスケバンに指示して全員で向かって行った。
配下のスケバングループに指示して強力な不良グループと争っていると、後方に停車していた車が来た。
車から不安に感じたレッドデビルが降りてきた。
「里子、ヘッピリ腰になっている。もう一歩踏み込んで!康子!もっと腰を落として!すみれ、まわりをよく見て!後ろから狙われているわよ。萌子、もっとみんなのフォローをして。」と助言した。
不良グループの格闘技の達人が、「貴様!余計な事を言うな!プロレスラーの姿だと、俺たちが恐れるとでも思ったのか?覆面までして、うまくレッドデビルに化けたな。化けの皮を剝がしてやる!」と部下数名を連れて襲ってきたが、レッドデビルには手も足もでなかった。
「まだやる気?」と迫った。
「テレビ中継で聞いたレッドデビルの声と同じだ!」
「お前、本物のレッドデビルか!こんなに強かったのか!」とレッドデビルには敵わないと諦めた。
「何を言っているの?私の声だったら、先ほどみんなに助言した時に聞いたでしょう?今更ね。」
「先ほどは、まさか本物のレッドデビルだとは思わなかったので気にしていなかった。」と後悔している様子でした。
不良グループのリーダーは、格闘技の達人がレッドデビルに倒されて、このあと飛び出してもらおうとした予定が狂って焦っていた。
私はチャンスだと判断して不良グループのリーダーに挑戦して倒した。
その様子を高台から見ていた陽子は、萌子がリーダーを倒して頃合いだと判断して警察に通報した。
陽子は不良グループが争っている場所に向かった。
私はリーダーを倒したので、幹部を集めて、配下のスケバンを撤収させるように指示した。
陽子は、私とスケバングループの幹部と仁を陽子とレッドデビルの車に分乗させてその場を離れた。
私と仁が陽子の車に乗り、幹部はレッドデビルの車に乗った。
不良グループはリーダーに駆け寄った。
リーダーは、「あいつらが強いのは、連戦連勝の最強プロレスラーがバックにいるからだ。」と苦しそうに伝えていると警察が到着した。
不良グループは、陽子の通報で駆け付けた警察に検挙された。
仁は移動する車の中で、「プロレスラーまで動かせるあなたは何者なのですか?どこかで見覚えがあるのですが、スケバングループの黒幕ですか?」と陽子の正体を知りたそうでした。
私は、「黒幕か。そうかもしれないわね。でも陽子さんが何者なのかはそのうちにわかるわよ。あまり深く考えないでね。」とさらりと流した。
信号で停車した時に携帯でレッドデビルに確認して陽子が、「みんなけがしているわね。手当しないといけないわね。」と伊吹千代子に連絡して、プロレスジムに向かった。
伊吹千代子とブラックデビルが手当した。
レッドデビルが、「あれだけの人数相手によく戦ったわね。危険だと判断したら私も飛び出そうと思っていましたが、少し助言しただけでその必要はなかったわ。さすが、萌子さんの作ったスケバングループは強力ね。」と感心していた。
私は、「いえ、それはレッドデビルが格闘技の達人を倒してくれたからよ。それと、みなさんのプロレス指導が良かったからよ。」と謙遜していた。
仁はみんなが手当を受けている時に、千代子に陽子の事を聞いた。
総理大臣直属の第三秘書と聞いて驚いていた。
その後、陽子は仁とスケバングループを車で送った。
警察に逮捕された不良グループは、「なぜ、スケバングループにプロレスラーが協力するのだ?」と不思議そうでした。
「相手が悪かったな。先日、お前たちが襲った女性は総理大臣のお嬢様だ。総理大臣が激怒して、テロ組織を壊滅させた総理大臣直属の第三秘書が、総理大臣の指示で全面的にバックアップしていたよ。プロレスラーも第三秘書が動かしたようだ。」
「えっ!?第三秘書といえば、警察が手に負えなかった事件を数件解決した秘書じゃないか。そんな腕利き秘書がスケバングループのバックについていたのか。」とあきらめた様子でした。
次回投稿予定日は、6月7日を予定しています。