表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お嬢様の裏の顔  作者: toyocat
5/9

第五章 萌子、レスリングを始める

女の体を持つ男を読まれてからですと、理解が一層深まります。

翌日陽子に、調査を引き受けると連絡した。

陽子と打ち合わせして、電話を切った。

萌子は、「今週土曜日の午後二時に、総理官邸に全員呼び出されたわ。セーラー服で、身分証明証として、生徒手帳を持参するようにとの事です。」と伝えた。

当日、総理官邸を訪ねると、会議室に通された。

陽子のほかに、私の父も来た。

父は、「萌子、陽子さんから聞いて驚いたよ。萌子が通う高校の教諭に、セクハラ教諭がいて、自殺した女子高生もいるそうじゃないか。」と驚いていた。

陽子は、「自殺者もでているので、父が、優秀な女性を、こんな事で失いたくないと、調査指示されました。娘が自殺した閣僚からも、娘は自殺などしない。警察に依頼しても、自殺で片づけられた。と調査を強く依頼されたそうよ。私も、警察と協力して、大日本高校出身の婦人警察官と、色々と調査しましたが、巧妙で、犯人が特定できないのよ。ここは、その高校の現役女子高生である皆さんに、他の女子高生への聞き取り調査をお願いしたいのです。同級生だと、私たちには喋らなかった情報が、入手できると期待しています。ただし、危険な事はしないでください。あくまでも、友達に話を聞くだけです。念のため、一人ではなく、あなた方スケ・・・失礼、仲良しグループ四人にお願いしたのです。」と依頼した。

私は、「わかりました。任せてください。」と返事して、翌日から調査する事にした。

    **********

ターゲットにされそうな、おとなしい女子高生と友達になり、いろいろと雑談して、「世間では、この高校にセクハラ教諭がいると噂がながれているけれども、何か聞いた事ない?」と、それとなく聞いたが、被害者が見つからず、実態はつかめなかった。

仕方ないので、私たちが囮になる事にした。

全員でブリッコしていると、やがて、里子が教諭からセクハラされた。

里子から、セクハラされたとラインが入った。

私は、ラインで、里子から目を離すな。と全員に伝えて、私も里子を、気にしていた。

やがて、高校の調査を継続していた、陽子の耳に入った。

陽子が、「危険な事をしないように依頼したのに、なぜあなたがたが、囮になったの?」と不機嫌そうでした。

私は焦って、「別に、囮になってないわ。たまたま里子がセクハラされただけよ。現在、全員で里子を見張っているわ。」と故意に囮になってないと、ごまかした。

「スケバンにセクハラするかしら?どうせブリッコしていたのでしょう?まあいいわ。そのセクハラ教諭については、警察に調べてもらうわ。それと、自殺した女子高生は、自殺ではなく、殺された可能性がでてきたと警察から聞きました。充分注意してください。」とやはり、スケバンはスケバンねと諦めて、指示した。

「えっ、殺人!?わかったわ、康子とすみれと里子に知らせるわ。」とラインで全員に知らせた。

    **********

数日後、里子が外車で拉致された。

私は焦って、車両番号が判別可能なように、スマホで写真撮影して、携帯の位置情報と外車の進行方向とともに、陽子にメールした。

陽子は警察に知らせて、大型バイクで陽子も里子を拉致した外車を捜していた。

総理大臣直属の秘書からの通報だと、警察署あげて、捜索した。

白バイから、緊急手配された外車を発見したと報告があった。

拉致した犯人は、白バイを銃撃して、逃亡しようとしたが、覆面パトカーや交通機動隊のパトカーなど数台が、前後左右からきたので、逃げられないと観念して、停車した。

里子を救出して、外車に乗っていた、白竜会会員の三名を、拉致の現行犯で逮捕した。

里子は、「私を飛び降り自殺に見せかけて、ビルの屋上から突き落とすと言っていたわ。」と証言した。

白竜会とセクハラ教諭との関係を捜査した。

警察の捜査の結果、白竜会がセクハラ教諭を特定して、白竜会が目を付けた女子高生に、セクハラするように強要していた。

セクハラされて嫌がっている女子高生に、「あなたのお友達から通報がありました。セクハラされて困っているようですね。」などと、言葉巧みに近づき、相談に乗ると見せかけて、拉致して、海外に売り飛ばしていた。

女子高生がなぜ簡単に信じたのかは、同性の婦人警察官に変装した、白竜会会員の妹が、声を掛けてきたので、信用したようでした。

里子にも、言葉巧みに近づいたが、警察嫌いの里子には、相手にされなかった。

セクハラの一件が、世間に知られないように、拉致して殺害しようとしていた。

以前自殺した女子高生も、同じ手口で拉致して、殺害していた。

セクハラの一件を調査しても、実態がつかめなかったのは、被害者が拉致されたり、殺害されたりしていて、被害者が特定できなかったからでした。

警察の捜査で、売られた場所を特定して、何人かは、無事救出できたが、売られた場所から、更に別の場所に売られていたりして、発見できなかった女性もいた。

無事救出された女子高生は、不正出血が止まらないなど、体を悪戯されていたので、しばらく入院して、その後、無事復学が許可されたが、体を悪戯された事など噂されるのが嫌で、転校していた。

    **********

高校では、私たちが協力して、事件解決したと陽子から聞いた校長先生は、私たち四人に感謝状を贈った。

感謝状を贈られている写真が、学校新聞に掲示され、その記事を読んだ同級生から、「警察の捜査でも、殺人犯は、この高校の関係者としか判明しなかったそうじゃないの。あなたがたが、犯人特定したのでしょう?学校新聞だけではなく、一般の新聞やテレビなどのマスコミでも、報道しているわ。」と私たち四人は、高校ではヒーローになったが、裏の顔が、スケバングループだとは、誰も気付かなかった。

「殺人犯は、やくざよ。その手先が、この高校の教諭だったのよ。先日自殺した、二年二組の女子高生も、自殺ではなく、殺されていたのよ。私の親友の里子に、魔の手が迫ったので、私たちで対応して、総理大臣の秘書に知らせたのよ。」

「なぜ、警察ではなく、総理大臣の秘書なの?」と不思議そうでした。

「学校新聞にも掲載されているように、その手先が高校教諭らしいとしか判明しなかったのよ。そこで、総理大臣直属の秘書から、私たちが調査依頼されて、調べていたのよ。だから、秘書に連絡したのよ。」と説明した。

「総理大臣直属の秘書から、頼りにされるとは、すごいじゃないの!」と私たちは、高校で、ヒーローになった。

「いや、頼りにされるというか、たまたま、総理大臣直属の秘書と知り合いだったたけよ。」と、そんなに頼りにされていないと否定した。

「総理大臣直属の秘書と知り合いだなんて、充分すごいわよ。それも、警察の手に負えなかった事件を、テレビドラマのように、次々と解決している秘書でしょう?」と、私たちは同級生から、一目置かれた。

この事がきっかけになり、同級生から、ストーカーされたとか、脅迫されたなど、いろいろと相談を受ける事になった。

    **********

やっと一日が終わり、帰宅すると、海外に売られて、無事救出された女子高生が、手土産をもって、両親とお礼に来た。

その女子高生も、「ありがとう、あの時、私は自殺する覚悟を決めていました。救出されるのが、あと一日遅かったら、自殺していたわ。でも、あの高校に通学するのは耐えられず、転校したけれども、萌子さんには、感謝しています。」と感謝していた。

毎日、いろんな人から、感謝されていた。

ある日、康子が、「財布が淋しくなってきたので、恐喝したら、お金なら、あげるから、相談に乗ってと財布を渡されて、ストーカーされたと相談されたわ。」

すみれが、「そうね。私も恐喝したら、感謝の気持ちよ。と財布を渡されて、お金に困っているのだったら、もっと早く言ってよ。明日とりあえず、五千円渡すわ。と言われたわ。」

里子が、「恐喝する時は、厚化粧していたのでしょう?なぜ、あなたがただとわかったの?まさか素顔で恐喝したの?そんな事をしていると、私たちの正体がばれるわよ。」と忠告した。

都合が悪くなってきたすみれが、「どうやら、私たちは、この高校の正義の味方になってしまったようね。でも、ストーカーなどでしたら、武器を持っている可能性があるでしょう?このまま、正義の味方をするのは、危険じゃないかしら?刃物で刺されてからでは手遅れよ。」と話題を変えて問題提起した。

    **********

今後どうするか話し合っていると、陽子から着信があった。

「高校内部で、正義の味方になってしまって、困っているようね。」と陽子は責任を感じている様子でした。

「ええ、今回の事件が、学校新聞に掲載されて、ストーカーされたとか相談をいろいろと受けるようになりました。」

「それで、私もどうするか、いろいろと調整していました。プロレスラーが、格闘技の指導をしてくれるわ。その時に、ストーカーなどの相談をすれば、プロレスラーが力を貸してくれるわ。」

もともと全員スケバンで乱暴だから、ケンカが強くなると喜んで了承した。

その後、日時の調整をして、全員で、陽子から紹介された、赤黒レスリングジムを訪ねた。

    **********

レスリングジムに入ると、レッドデビル、ブラックデビル、ピンクデビルと、最強レスラーがいたので、言葉を失った。

とりあえず、陽子から聞いていた伊吹千代子を尋ねた。

伊吹千代子は、「陽子さんから、話を聞いています。いろいろと大変ね。スケバンでしたら、格闘技の素質はあると思います。一度レッドデビルと戦ってください。その戦い方をピンクデビルが見て、あなた方のレベルを知りたいそうです。今後、経験豊富な、伝説のプロレスラー、ピンクデビルがメインで、あなた方の指導をします。必要に応じて、レッドデビルやブラックデビルも指導してくれます。」と説明され、レッドデビルとピンクデビルを紹介された。

早速、順番にリングにあがり、レッドデビルと戦った。

「プロレスのルールは知らないでしょうから、ルールは無視して、あなたがたの得意なケンカでいいわよ。」と言われて戦ったが、四人とも、レッドデビルには、手も足もでなかった。

ピンクデビルが、「女子高生にしては、強いわね。スケバンだけの事はあるわ。四人とも、ちょっとしたコツをつかめば、もっと強くなれるわよ。」と少し、おだてた。

その日は、ピンクデビルとレッドデビルが、四人の指導をした。

    **********

最後に今後の事を相談した。

月・水・金曜日、高校の帰りにレスリングジムに寄る事になった。

その時間だと、レッドデビルもブラックデビルも時間が取れるとの事でした。

逆に主婦業のピンクデビルは、夕飯の準備などがあり、時間が取れませんでした。

主人が出張や接待などで、夕食が不要の場合は、ピンクデビルも時間が取れた。

その時は、夕飯が出来ていないために、ピンクデビル、ブラックデビル、レッドデビルと、スケバングループ四人合わせて、練習後、七人で外食した。

千代子が、「私を忘れないでよ。」とついてきて、結局八人で外食した。

覆面をしていれば、食べ辛いので、覆面を脱いで、私服で外食した。

レッドデビルが手も足もでなかった、ピンクデビルの歳に驚いた。若くもなく、小母さんでした。

外食時、レストランのスタッフや他のお客様が、千代子は別にして、七人とも女性にしては食欲があるので、驚いていた。

スケバングループの四人は、家族には、高校の帰りに、友達と勉強会をすると説明していた。

塾だと説明すれば、月謝など、いろいろとあるために、勉強会にした。

勉強会をして、成績が悪いと、何かと都合が悪いので、火・木・土曜日は、お手伝いさんから、父に説明してもらうためにも、私の自宅で勉強会をしていた。

その様子を聞いていた父は、私たちがスケバングループだとは、まったく気づいていないようだ。

    **********

そんなある日、ピンクデビルの主人が、「今日は所要があるので、遅くなる。夕食は不要だ。」と伝えて出勤した。

ピンクデビルが午後、プロレスジムに行き、スケバン達の指導をしていると、ピンクデビルの主人が様子を窺っていた。

千代子が気付いた。

「ちょっと、変な男が見ているわよ。」と怖くて、プロレスラーに知らせた。

ピンクデビルが、「変な男で悪かったわね。私の主人よ。」と変な男の正体を教えた。

千代子が、「隠れてみてないで、どうぞ中へ入ってください。」とレスリングジムに連れ込んだ。

「ちょっと、何しにきたのよ。」と照れていた。

「私は、女子プロレスラーのピンクデビルに惚れて結婚した。主婦業のお前より、プロレスラーのお前が好きだ。たまにここにきて、見学してもいいか?ただでとは言わない。今後、私にも資金援助させてくれないか?」と協力を申し出た。

資金繰りに苦労していた千代子は、「ええ、もちろん大歓迎です。」と喜んでいた。

「娘の前で、何のろけているのよ。」とレッドデビルが呟いていた。


次回投稿予定日は、5月30日を予定しています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ