第二章 父の力を借りて警察をごまかす
女の体を持つ男を読まれてからですと、理解が一層深まります。
私たちは他の不良グループと衝突する事もよくあった。
強力な不良グループと争っていると、警官隊に取り囲まれた。
幹部たちが私に、「リーダー、やばい!警察に囲まれた。」と焦っていた。
私の自宅近くだった。
この時間だと、お手伝いさんは帰っていると判断して、私の自宅にスケバングループの幹部三名を連れ込んだ。
「みんな。こっちに来て。」と幹部たちを誘導した。
「リーダー、この屋敷は防犯カメラもあるしやばくないですか?」と疑問に感じた。
「大丈夫。ここは私の自宅だから防犯カメラは私がなんとかするわ。この時間だと誰もいないわ。」と幹部たちを安心させた
両親が帰ってくると都合が悪いので、「みんな化粧落として私の服に着替えて!」と着替えさせた。
私の参考書や問題集と筆記用具を全員に渡して、「何かあれば勉強会していたと証言して!」と指示した。
その後、私は防犯カメラの映像を改ざんして、スケバングループが屋敷に入った痕跡を削除した。
みんなのところに戻った。
すみれが、「先ほどの話ですが、ここはリーダーの自宅ですか?大きな屋敷ですね。だから、お金には困らないのですね。ところで今、どこに行っていたのですか?」と広い屋敷に圧倒されていた。
「先ほど説明したように、防犯カメラの映像を改ざんして、私たちが屋敷に入った痕跡を削除したのよ。」などと雑談していた。
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しばらくすれば両親ではなく警察が来た。
私が対応した。
「この近くで不良同士の争いがありました。不良少年グループは全員検挙しましたが、争っていたスケバングループの幹部が煙のごとく消えました。広いお屋敷なので、スケバングループが潜んでいる可能性もあります。調べさせていただいてもよろしいでしょうか?」と依頼された。
変に疑われるのもいやだから、「怖いわ。調べて。」と了承した。
警察が屋敷の中を調べていると父が帰ってきた。
父は何事かと思い警察官に確認した。
「君たちは何をしているのだね?」
「お嬢様の許可を取って調べています。」
父は私に確認した。
私は父に事情を説明した。
事情を知った父は、防犯カメラの映像を確認した。
父が防犯カメラの映像確認を警察官と話している事に気付いて、私は慌てて父のところに向かった。
じっくりと確認されると改ざんした事がばれる可能性があると判断して、時間的な事から早送りで確認するように促した。
「いつまでも警察の人がいれば落ち着かないわ。早送りで確認して早く決着つけて。」とあまえている芝居をしていた。
父は納得して早送りで確認し出したので、警察の対応は父に任せて私はみんなのところに戻った。
父は、警察に防犯カメラの映像を見せて、「私を誰だと思っているのだ!スケバングループが私の屋敷に隠れているとでも言うのか!防犯カメラには何も記録されていないじゃないか!見た通り、娘が友達と勉強会をしているだけじゃないか!」とかわいい娘から早く決着つけるようにせがまれたので、激怒して警察を追い返した。
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父が大声で怒鳴っていたので私の部屋まで聞こえた。
他のメンバーと顔を見合わせて笑っていた。
「リーダーの父親が先ほどここに来た時は驚いたわ。リーダーの父親は文部科学大臣だったとはね。」とメンバーは驚いていた。
勉強会なんてすぐにバレると判断して、「今日は、とんだハプニングがあったので、勉強会もできなかったわ。また、次回にするわ。」と勉強会をした痕跡がなくても不審に思われないようにした。
父にバレる前に、スケバングループのメンバーは帰らせた。
スケバンの服は袋に入れて、私の服をそのまま着て帰らせた。
帰って来たのが父で母でなかったので助かった。
スケバンに着て帰らせた私の服の中には母が選んでくれた服もあった。
母だったらスケバンが着ている服が私の服だと気付いた可能性がある。
父は、マスコミに知られて変な噂が広がらないか心配していた。
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翌日、刑事は上司から、「橋田文部科学大臣から警視総監に苦情があったぞ。文部科学大臣のお嬢様を疑うとは何事だ!何か証拠でもあったのか!」とその根拠を確認された。
刑事は、「申し訳ございませんでした。まさか、文部科学大臣の自宅だとは思いませんでした。ただ、お嬢様が友達と勉強会をしていただけで、何も証拠はありませんでした。防犯カメラにも、お手伝いさんが帰宅後、何も記録されていませんでした。普段姿を見せないリーダーがいたので焦ってしまいました。」と反省していた。
上司は、「それじゃ、一方的に君が悪いではないか!お前を捜査から外す。しばらく内勤していろ。」と指示された。
同僚の刑事たちは、「くそ!謎のスケバングループの正体を暴くチャンスだったのにリーダーと幹部をミスミス取り逃がした。あのあたりは徹底的に捜した。どこに隠れたんだ!」と悔しがっていた。
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私はスケバングループに、「ドジな刑事で助かったわ。鋭い刑事だったら、玄関に脱いでいたあなた方の靴が、スケバングループの幹部が履いていた靴と同じだと気付かれたかもしれないわ。それに、防犯カメラの映像を改ざんしたので、スケバングループは映っていませんでしたが、勉強会をしていたあなた方や、私が屋敷に入った様子も映ってなかったのよ。時間が飛んでいて、画像も不自然なのよ。」とホッとしていた。
「リーダー、何も映ってないのだったら、途中で映像が飛んでも不自然にならないのでは?」と不思議そうでした。
「すみれ!あんたも相変わらずね。草木の揺れ方がスムーズではなく、途中でカクッとなって不自然なのよ。だから時間的な事を仄めかせて早送りで確認するように、それとなく父に促したのよ。」と説明した。
すみれは納得した。
「しかし、普通、人の履いていた靴は覚えているかしら?」と康子が不思議そうにしていた。
「それは尾行の基本よ。容疑者が尾行されていると気付いたら、服を変えるなど手を打つでしょう?しかし、靴を変える事は滅多にしないのよ。だから、履いていた靴を覚えていれば、見失う事が少なくなるのよ。刑事の習性ね。」
「服を変えるだなんて、そう都合よくそんな服があるの?」と不思議そうでした。
「上着を脱いでどこか目立たない場所に隠すとか、リバーシブルの服だったら裏返すだとかね。」と説明した。
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その後、スケバングループが恐喝などして疑われても、私がアリバイを証言して、スケバングループが疑われることはなかった。
その後、私は父に、今回、私も巻き込まれた事件なので、その後の事を知りたいと父に依頼して、警察の情報入手を父に頼んだ。
父は納得して、警察の情報を入手してくれた。
警察の情報を父から聞いた。
スケバングループを召集した。
「父が警察の情報を入手したわ。私たちのスケバングループがやくざに目を付けられているらしいわ。相手が悪い。しばらくおとなしくしていなさい。何かあっても今後助けられないわよ。」と警告した。
「リーダー、いつまでおとなしくしていればいいのですか?」
「中学生の間はおとなしくして、高校受験勉強をしなさい。私と同じ高校に入学すれば、また暴れるわよ。」
「急に勉強しろと言われても・・・」と困っている様子でした。
「やくざを甘く見ないで。下手すれば、殺されるか身元が判明しないように、素っ裸にされて海外に売り飛ばされる可能性があるわよ。勉強する気があるのだったら、私の自宅まで来て。一緒に勉強会しよう。今後何かあっても父に認めてもらえば、ちょっとした事は父がもみ消してくれるわ。」と自分の言いなりになるスケバンたちを手放したくない様子でした。
「ちょっとした事でなかったらどうなるのですか?」
「私がちょっとした事にさせるわ。」
「そういえば、いくつかのスケバングループが行方不明になっているわね。その中の一人が、数人の男たちに無理やり素っ裸にされている様子を見た事があるのよ。現金はすべて奪われて、その場でスマホは壊されて、着ていた服は、ガソリンをかけて燃やされていたわ。私、怖くて誰にも言えなかったのよ。」と人気のない場所で目撃した事を思い出していた。
「恐らく海外に売られてもう日本にはいないでしょうね。スケバンを狙っているのは家族も諦めていて、また無断外泊か。携帯の電源も切っている。と判断して、警察に通報しないケースがあるのよ。たとえ警察に通報しても、家出だと判断されて、ろくに捜査しないからでしょうね。そんな目に合いたくなかったら、配下のスケバン達にも連絡しておとなしくしているのよ。」と警告した。
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スケバングループのメンバーは、リーダーといっしょだとお金に困らないし、何かあってもリーダーの父が大物政治家で助けてくれそうで、警察の情報も入手してくれるので私から離れたくない様子でした。
最初に勉強会をすると、里子以外は、数学は四則演算程度しかできず、歴史は徳川家康の名前すらしらない。国語や理科についても同様で、みんなのレベルの低さに驚いた。
里子も驚いて、「水戸黄門とか時代劇も見ないの?歴史を知っていれば、もっとドラマが理解できるわよ。」と勉強が苦手ならドラマで歴史に興味を持たせて勉強するきっかけを作ろうとしていた。
「見た事あるけれども、水戸黄門って、そんなに偉いの?何者なの?」
「何者って、水戸黄門は徳川光圀といって、徳川家康の孫よ。徳川家康を知らなければ無理か。」と諦めた。
いっしょに勉強会しようと誘った手前、今更断れない。
仕方なく復習も兼ねてスケバン達の指導を里子とした。
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数回、私の自宅で勉強会をしていると父がきた。
「お手伝いさんから聞いたが、最近よく勉強会をしているようですね。先日は、とんだ災難でしたね。警視総監に釘をさしておいたから、今後は大丈夫だと思いますよ。皆さん、受験勉強ですか?」と話しかけてきた。
「ありがとう、お父さん。全員、大日本高校に進学希望しているから、いっしょに勉強会しているのよ。」とお手伝いさんが父の耳に入れてくれたので都合がよく喜んでいた。
「そうですか。あの高校だと娘が入学しても自慢できる。皆さん頑張って合格してください。この人数だと萌子の部屋は机やイスもなく、床やベッドでは勉強し辛く手狭ですね。空き部屋をお手伝いさんに掃除させます。机やいすを業者に準備させるから、その部屋を使いなさい。おやつや飲み物も準備させます。高校入学後の試験勉強にも、その部屋を使ってもいいですよ。パーティーなどにも使えるように、個人用の机ではなく、大きいテーブルを真ん中にして、周囲に椅子を設置するようにしましょう。何か困った事があれば遠慮なく私に相談しなさい。」と、娘が一流高校を目指していると知り、全面的にバックアップする事にした。
「ありがとう、お父さん。部屋の準備ができたらその部屋を使うわ。」と父は私たちの事をまったく疑ってなくて認められたと喜んでいた。
父が退室すればスケバングループのメンバーは、「リーダーのお父様は理解のある人じゃないですか。聞いていた話と全然違いますね。」と不思議そうでした。
「娘を有名高校に入学させて自慢したいだけよ。外面だけはいいんだから。これが二流三流の高校だと、こうはいかないわよ。」と父は自分の事しか考えてないと説明した。
世間では数人のスケバンが行方不明になっていて家出だと思われた。
勉強会で康子が、「彼女、家出する様子ではなかったのに、なぜ急に家出したんだろう。」と不思議そうでした。
里子が、「恐らく家出じゃないわ。リーダーが入手した警察の情報を思い出して。やくざに拉致されて、もう日本にはいないでしょうね。その情報のおかげで私たちは助かったのよ。リーダーに感謝しなさいね。」と耳打ちした。
康子が、「本当なの?ラッキー彼女に借りていた一万円返さなくてもいいんだ。」と喜んでいた。
里子が、「そこかよ。」と呆れていた。
私は、「里子の指摘通りだと思うわ。配下のスケバンにも理由とともに伝えて、もう少しおとなしくするように指示して。」と指示した。
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中学校では謎のスケバングループの動きがなく平和な日々が続いていた。
警察は謎のスケバングループに動きがなくイライラしていた。
「あのスケバングループの逮捕に失敗して、俺はしばらく内勤させられた!どこに隠れた!」と目の色を変えて捜していた。
上司は冷静に、「年齢的な事を考慮すると、高校受験勉強しているだけだろう。来年四月以降に動きがあるだろう。落ち着いて待て。」と宥めていた。
やがて勉強会をみんなと頑張って、全員大日本高校に無事合格できた。
じつは、里子だけ不合格でしたが、父が裏から手を回していたとは私たちは知らなかった。
思ったとおり、父は他の政治家に娘が一流高校に合格したと自慢していた。
母も私の事を自慢していた。
私はスケバングループを集めて雑談していた。
康子が、「えっ?里子、カンニングしなかったの?私たちの得意技じゃないの。」とカンニングしないで合格できた事に感心していた。
すみれが、「そうよ。リーダーとの勉強会で、カンニングするポイントもつかめたしね。」とみんなカンニングしたようでした。
私は、「みんなカンニングして・・・」とスケバンはスケバンだとあきらめた。
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スケバン達が帰ったあとに父が帰宅した。
「萌子、合格おめでとう。一緒に受験勉強していた友達もよんで、いっしょに合格のお祝いをしよう。友達の都合を聞いてください。他の政治家やご子息も呼びます。」と喜んでいた。
誰かが不合格だと合格パーティーに影を落とすために、全員合格できたか確認して、不合格だった里子を合格させるように高校に圧力をかけていた。
高校では里子と同点学生がいて、どちらかを不合格にする必要があった。
受験番号が若い、もう一人の学生を合格にしていた。まだ発表前でしたので、どちらを合格にしても問題ないと判断して、その学生を不合格にして里子を合格にした。
その晩、私は部屋からスケバングループにラインで呼びかけて、父の要望について説明した。
「他の政治家とコネを作るチャンスよ。そのご子息に取り入って、いざという時には助けてもらいましょう。」とみんなにパーティーに出席するように指示した。
全員から、「了解」と返事がきた。
全員、政治家のパーティーがどのようなものか興味がある様子でした。
翌朝私は、「お父様、みんなとラインで打ち合わせしました。春休み中であれば、いつでもいいそうです。」と都合は合わせると伝えた。
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やがて、パーティー当日になり、どんな招待客が来ているのか期待してパーティーに参加した。
パーティーには秋山総理大臣も呼んでいたので驚いていた。
私は、「何も驚く事はないわよ。私たちは政治資金集めのパーチィーの口実に使われただけよ。このパーチィーの参加費用は数万円よ。」
父がパーティーの招待客に、私と私の友達を紹介した。
「さすが、文部科学大臣のお嬢様ですね。」とおだてられて両親は喜んでいた。
私は小さな声でスケバングループに、「まさか秋山総理大臣と、そのお嬢様を呼んでいたとは驚いたわ。お嬢様の陽子さんは、総理大臣直属の第三秘書を務めていて、各種難事件も解決しているわ。チャンスよ。お嬢様の陽子さんと友達になるのよ。」と指示していると陽子が声を掛けてきた。
「萌子さん、康子さん、すみれさん、里子さん、合格おめでとうございます。私の死んだ妹がすみれでしたので、すみれさんは他人とは思えないわ。」と雑談していた。
その後、しばらく雑談して陽子が私たちの元をはなれた。
「すみれ、チャンスよ。秋山総理大臣か、お嬢様の陽子さんに取り入って!」と指示した。
陽子は、別の招待客と話をしていた。
秋山総理大臣は、他の招待客との話が終わったようだ。
すみれは秋山総理大臣のもとへ向かった。
「秋山総理大臣、さきほど陽子さんから聞きましたが、陽子さんには私と同じ名前の妹さんがいたのですか?」と話しかけた。
秋山総理大臣は、「妹というか、二人には切っても切れない縁があります。実は二人とも同時にひん死の重傷を負いました。すみれは脳死状態だったために、すみれがドナーになり陽子を救いました。すみれは陽子の体の中で生きています。」とすみれの説明をした。
次回投稿予定日は、4月30日を予定しています。