第一章 スケバングループ、勉強会する
お待たせしました。お嬢様の裏の顔の投稿を開始します。
私は文部科学大臣の長女として生まれた橋田萌子。
背は高くもなく低くもなく普通だ。体系も同じく普通だ。
子供の頃からお嬢様として礼儀作法をしつけられて、うんざりしていた。
しつけは両親ではなく、しつけ専門の家庭教師やお手伝いさんに任せっきりで、自分たちは何もしない。親子の会話なんて我が家には存在しない。
外面がよく家に帰ると何もしない。お金の力でなんでもできると思っている。
小学生までは何とか我慢できた。というか、子供だったので、お小遣いとして現金を渡されて喜んでいた。
父親は仕事や付き合いで忙しく、ほとんど家にいない。
母親も大臣の妻として、見栄を張って着飾って外出している。母親もほとんど家にいない。
何か困った事があれば、両親はいつも不在なので、近くにいる大人のお手伝いさんに相談していた。まるで母親のようだ。
両親と私とはお金でつながっているようなものだ。私に毎月五万円を渡して、それ以外は私とは無関係な感じだ。
子供が一万円札を持っていると不審に思われるために、すべて千円札で渡されていた。
毎月五万円は多いようだが、お小遣いだけではなく、筆記用具やノートなどの学用品や、遠足の費用、給食費も、すべてその中から出しているので決して多くない。
毎月貯金もできて、結構お金は貯まっているのでやはり多いのだろうか。
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中学校に入学すると、ついに私の不満が爆発した。
反抗期だ。
爆発と言っても両親に逆らうわけでもなく、おとなしくブリッコしていた。
何が爆発したのかというと、親に隠れて不良少女していた。
ロングヘアーはケンカする時に掴まれて不便なため、ショートヘアーにしていた。
ただ、私だとばれるとマスコミに騒がれて父の地位も危うくなる。そうなれば、私のお小遣いも減る可能性があり都合が悪い。
中学生になり、参考書や問題集などを色々と買いたいと両親を説得して、毎月五万円から七万円にお小遣いアップしたのだから大事にしたい。
橋田萌子だとばれないように、ケバケバしい化粧をして金髪のショートヘアーのカツラを被っていた。
毎月七万円も使いきれないから、というか、五万円でも使いきれない。お金はいくらあっても困らない。けっこうお金は貯まっている。それらをチラつかせれば、何人も私の周りに集まってきた。
いつの間にか、私がスケバングループのリーダーになっていた。
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当然、学校ではブリッコしていて、廊下などで私が目で合図すればスケバングループは動いた。
誰も優等生でお淑やかな私がスケバングループの黒幕でリーダーだとは気付いていないようだ。
スケバングループの幹部を、私と気が合う山下康子、山下すみれ、吉田里子の三人に絞った。
山下康子は少し露出度が多い目立ちがやりやだ。
その目立ちたがやりが良い方に転ぶ事もあるが、どちらかといえば悪い方に転ぶほうが多いようだ。
背は低いというほどでもないが、少し低めで小太りのセミロングだ。
山下すみれは一番かわいいので、お淑やかな女の子に見えるが性格は正反対だ。
この美貌を使って男を騙していた。男が仕返しに来ても、「あんたが鼻の下を伸ばすからでしょう。私があなたに迫られたと証言すれば、世間はどちらを信じるかしら?」と脅してその場を去っていた。
最後に吉田里子は、少し小柄なロングヘアーのメガネをかけた知的な少女だ。
成績優秀だったが、両親が離婚した事がきっかけになりグレた。
ケンカする時にメガネは不便なので、今はコンタクトにしている。
髪はロンゴヘアーのままだが、いつも髪を束ねて帽子をかぶっている。
毎月三人にはそれぞれ一万円を渡していた。
康子とすみれは、たまたま苗字が同じであって親戚でも姉妹でもない。
三人には、それぞれ十人前後のスケバンがついていた。私の正体は三人の幹部しか知らない。
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担任の先生が、清く正しくだとか、清廉潔白だなんて言うと、しつけ専門の家庭教師の事を思い出してムカつく。スケバングループに指示して先生をリンチした。
担任の先生にはスケバングループもムカついていて、行動パターンなどを調べて襲う準備をしていたために、準備期間なしで即日襲った。
当然襲うときは厚化粧するように指示していたが、厚化粧していないときは目出し帽をかぶるように指示していた。
学校でも先生がスケバングループに襲われて問題になっていた。
職員会議で、「襲ったのはわが校の生徒らしい。目出し帽をかぶっていたか厚化粧していたので誰なのか特定はできない。以前から問題になっているスケバングループメンバーの誰かだと思われる。下っ端のスケバンは今まで何人か捕まえたが、リーダーの事は幹部しか知らないようだ。」
「なぜ、スケバンだとわかるのですか?厚化粧していたか目出し帽をかぶっていたのでしょう?女装した不良少年グループかもしれないではないですか。」
「襲われた女性教諭が、襲ったのは体つきからして女性でした。と証言したと知らないのか?リーダーが誰なのかも不明な謎のスケバングループだと思われる。恐らくリーダーの指示だと思われる。スケバンだから男性の先生、特に若くてイケメンの先生が担任になれば襲われない可能性がある。」とある教諭が発言した。
「そうはいっても、どのクラスにスケバングループのリーダーがいるのかわからないではないですか?」と反論した。
「一番疑わしいクラスは二年六組だと思われます。そのクラスの担任の女性教諭が襲われています。その女性教諭はしつけなど厳しいので、スケバングループに目を付けられたのではないでしょうか。」
「本当にそのクラスですか?そのクラスには文部科学大臣のお嬢様もおられます。」
「万が一、文部科学大臣のお嬢様が襲われれば大変な事になります。早く手をうったほうがいいのではないでしょうか。」と話し合っていた。
教頭先生は、これ以上問題を起こしたくなく、私が襲われれば大変な事になると判断して、男性教諭が私のクラス担任になった。
私がそのスケバングループのリーダーだから襲われる事はない。
その男性教諭はイケメンの先生でしたので、私も優等生として先生と接していた。
その後、先生が襲われる事もなかったので、問題解決したと教頭先生もホッとしていた。
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生徒、特に生真面目な女生徒は先生にゴマをすっているような気がしてムカつく。
そんな女生徒、ノッポでロングヘアーの茂田郁子が学級委員にでもなったつもりなのか、クラスをまとめだすと増々ゴマをすっているような気がして我慢できない。
スケバングループに襲うようにラインで指示した。
「里子、あんたのグループで、茂田郁子を襲って足腰たたないようにしなさい。でしゃばりやがって。」と指示した。
里子は、「リーダーの指示よ。今日の下校時、茂田郁子を襲うわよ。」と配下のスケバンに指示した。
郁子に片思いしていた、背の低いやせ型で、黒縁メガネの秀才タイプの男子生徒、富永義男が、廊下などで数人の女生徒が郁子を見ている事に気付いて、何かあるのではないかと心配して、帰宅する郁子を遠くから見守っていた。
数人の女生徒が郁子を尾行している事に気付いた。
しばらく様子を窺っていると、数人の女生徒が目出し帽をかぶって郁子を襲った。
すかさず、義男は飛び出した。
スケバンを突き飛ばして郁子を助けた。
「茂田さん、逃げて!」と郁子を逃がした。
義男は、「あんたたちが茂田さんに注目していたので気になり尾行していた。目出し帽をかぶった時は驚いたよ。正体不明のスケバングループがあんたたちだとはね。今後、茂田さんに手出しするな!もし手出しすれば謎のスケバングループがお前たちだと世間にばらすぞ。」と郁子を守ろうとした。
郁子が逃げた事を確認して義男もその場を去った。
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里子は慌てて私にラインで報告した。
「リーダー、富永義男に邪魔されて襲えませんでした。その時に、目出し帽をかぶる様子を見られていて私のグループの正体を知られました。」と謝った。
「あのメガネザルに邪魔されたのか。失敗しやがって、里子!お小遣いなしだ!里子が失敗したから、今度はすみれ!あんたのグループで富永を襲え。」と指示した。
すみれは、「了解」と返答して、配下のスケバンに連絡して準備を始めた。
義男の行動パターンを調べて塾帰りに襲う事にした。
義男を襲った。
鉄パイプで袋叩きにしてしばらく動けないようにした。
翌日、私の指示で康子のグループが郁子を襲った。
二人ともしばらく入院した。
警察の事情聴取は本人が落ち着いてからする事になった。
里子は、「義男のやつ、私の正体をばらさないかしら。」と心配していた。
「私が様子を見てくるわ。その様子から今後の対応を考えましょう。ご苦労様。」と里子以外の幹部に一万円渡した。
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翌日、私はお淑やかな同級生として義男のお見舞いに行った。
「富永君、大丈夫?病室のドアに、こんな封筒が挟んでいたわよ。」と白々しく持ってきた封筒を渡してあいさつした。
封筒の中に手紙が入っていた。
“もし、私たちの事を喋ったら、お前も彼女も何度でも襲うわよ。”とワープロで印刷された文章を見て、義男は血の気が引いた。
「どうしたの?富永君、顔が真っ青だよ。」と白々しく聞いた。
義男は、私がスケバングループのリーダーで、その文章をかいた張本人だとも知らずに、その文章を私に見せて、「茂田さんを襲ったメンバーが近くにいなかったので油断していると、違うメンバーに襲われた。相当大きな組織みたいだ。」と相談した。
「ええ、そのスケバングループの事は聞いた事あるわ。一度襲った相手は二度と襲わないそうね。その文章に書かれているように黙っていれば問題ないと思うわよ。リーダーが誰なのかも不明な謎のスケバングループでしょう?どこにメンバーがいるのかわからないでしょう。先生や警察に相談した事を気付かれたら、今後、違うメンバーに何度も襲われるわよ。」と喋らないように助言した。
その後、しばらく雑談して私は帰った。
スケバングループにラインで説明して、少し脅かしたので私がしばらく様子を見ると安心させた。
その後の警察の事情聴取で、義男は私の目録どおり里子については喋らなかった。
次回投稿予定日は、4月20日を予定しています。