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ずっとそこにいた

作者: 水澄怜

「隣にいる人と付き合って、末長く良い関係でいられますように」と、僕は心の中で祈った。

二年前の九月。僕は一人の女性と祇園に来ていた。九月だというのに京都は猛暑が続いていた。彼女と出かけるのはそれが2回目だった。新幹線で1時間半ほどの距離があったため、知り合ってからの約半年間、チャットをしたり、たまに通話したりで会うことはなかった。彼女も僕も大人数ではしゃいで遊ぶことが苦手で、誰かひとりとゆっくり話したり、ひとりだけで過ごすことが好きだった。その日もおしゃべりをしながらふたりで祇園をゆっくりと歩いていた。


せっかくだからと、浴衣を着付けしてもらった彼女の写真を八坂庚申堂で撮ってあげ、八坂神社に向かった。八坂神社には素戔嗚尊の六世にあたる大国主神が祀られている。縁結びの神として知られており、彼女から「出会いがないから」と連れてこられていた。辺りを見回すと境内には恋人たちの良縁祈願の絵馬がいくつも奉納されていた。早速大国主社に向い、それからそれぞれ祈願した。辺りの音をすべて持ち去られたような数秒だった。祈願を終え、恋みくじを引いて神社を後にした。彼女は何を祈願したのだろうか。帰り道僕はそんなことぼんやりと考えていた。


二年前の夏からずっと好きだったと、彼女から告白された僕はそのときのことをふと思い出した。

処女作です。ものすごく遠くて、ありえないほど近い。恋愛とはそんなものですよね。

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