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LASTDAY  作者: 杉田健壱楼
一章 戦乱の世
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四話 奇襲

 ナイトメアはアルバートを探し続けていたが、見つからない。


 それもそのはず、アルバートはとっくに前線を退いていたのである。だが、見つからないとは言えど、簡単に引けるわけでもない。


 ナイトメアは森を前へ前へと進む。それが功を奏したか、敵の本陣を見つけることができた。アルバートらしき人影も見える。


 ナイトメアは突撃するか、一度、本陣を見つけたと報告に戻るべきか迷った。血の女王(ブラットクィーン)を使えば壊滅を狙うこともできるが、敵にアンデッドがいれば血の女王は無意味である。それに、血の女王(ブラットクィーン)を使おうとすれば、もう少し近づかなくてはならなかった。


 ナイトメアは、一人で突撃するのは危険と判断し、マックスに報告しに戻ることにした。




 ナイトメアが一旦退却したことを物見から見ていたものがいる。イーブルだ。イーブルは本陣の場所がバレてしまったことでこの本陣をあっさりと捨ててしまった。


 そんなことも知らないナイトメアはマックスへ、アルバートを殺すことはできなかったが本陣を見つけることができたという旨の報告をした。マックスは、本陣にアルバートがいると確信し、全軍を敵本陣へ押し進める。


「貴様らの力を俺に貸せ!!貴様らの力であれば、敵本陣を落とすなど造作もないこと!!さあ、この戦争に終止符を打ってやろうぞ!!」


 全軍が進軍を開始する。メテオも終わりだと、そう思われた。しかし、本陣の場所に到着しても敵の姿が全く見えない。


「なぜだ!?」


 ナイトメアの声が微かに上ずる。ナイトメアは自分が見つかっていることを知らないのだ。なぜ本陣が移動しているのか皆目見当がつかない。兵士達がざわつく。


「ナイトメアよ、嘘を申したのではあるまいな?」

「なぜ俺が嘘をつかねばならん!!敵が移動しただけのことだ」

「なぜ敵が本陣を動かすのだ!?」

「俺に聞くなマックス!!」


 喧嘩を始めるマックスとナイトメアを尻目にクロノスは叫んだ。


「大変です!!敵が攻め寄せて来ようとしています!!」


 クロノスは危険を直感的に察知することができるのだ。


「なんだと!?防衛陣形を組め!!」


 マックスは指示するが、遅かった。メテオ軍は四方八方から攻め込んできていた。兵士達は大混乱に陥り、マックスの指示が届くような状態でもなかった。


「どこまで卑怯な奴らだ、これがメテオのやり口か!!」


 激怒したナイトメアは、神獣形態へと変貌を遂げる。ナイトメアは激怒した場合、神獣形態という形態になる。力などほとんどの能力が上がるが、その分敵味方の区別がつかなくなってしまう危険な形態でもある。


「チィッ、ナイトメア、その形態にだけはなるなとあれほど...」


 マックスは嘆くが、そんな暇はなかった。混乱した部隊を収拾し、自らも奮闘する。しかし、混乱した部隊を収拾できるほど、マックスに余裕はなかった。


「貴様が敵の司令官か?なかなかの手練れと見える」


 氷のように冷たい声である。マックスは悪寒を感じながら振り返ると、大きな龍がそこにはいた。


「いかにも、私が総大将たるマックスである。お前が王か。狂神五人衆の仇は取らせてもらうぞ」

「御託を並べている暇があればかかってこい」


 マックスは正常な判断ができる状態ではなかった。狂神五人衆の仇を取る。それに意識が集中しており、周りが見えていなかった。


「喰らえ!!極拳...!!」


 アルバートはまともに食らったが、全く動じない。逆に、アルバートに触れたマックスの右腕は凍りついてしまった。


「ぐっ..これが貴様の能力か...」

「貴様では余に永久に勝てぬ。出直して来るがいい。出直せたら、の話ではあるがな」


 マックスはこれは敵わぬとアルバートと一旦距離を取ろうとした。許すまいとアルバートが追撃を仕掛けようとするが、神獣化したナイトメアが道を阻んだ。


「ヴォロロロロロロロロロ!!!」


 ナイトメアは雄叫びをあげ、アルバートに襲いかかる。


 流石にこれはアルバートも無視できない。仕方なく向き合った。


 アルバートは強烈な氷のブレスを吐く。ナイトメアは綺麗に凍りついたが、内側から氷を破壊し、そのまま突進してくる。しかし、突進など、アルバートにとっては無意味であった。


 冷気で作った氷の槍で、ナイトメアの体を貫く。


 ナイトメアの神獣化は解け、また、ただの思念体に戻ってしまった。もう一度神獣形態になる余力はない。


「これが...アルバート..強すぎる...だが!!」


 ナイトメアは力を振り絞って血の女王を呼び出した。


血の女王(ブラッドクイーン)!!!」


 敵が血の女王ブラットクィーンの存在を知らなかったのが功を奏した。アルバートの体を血の女王(ブラッドクイーン)が通過する。それだけでいいのだ。


 アルバートに通う全身の血が爆ぜた。これにて勝敗は決したのだ。


 イーブルはこれはいかんと退却を決意。メテオ軍は蜘蛛の子を散らすようにして退却していく。


 しかし、ナイトメアにも、マックスにも追撃する余力はなかった。


 戦は終わった。そう思い、ナイトメアはクロノスを探したが、クロノスはどこにもいない。


「どこだ、どこに行ったんだクロノス!!」


 この戦はまだ真の意味で終結してはいなかった。

LASTDAY4話「奇襲」を読んで頂き誠に有難う御座いましたʅ(◞‿◟)ʃ

どうも杉田です、何と2日連続投稿成功しました!(о´∀`о)

皆様に喜んで頂ければ幸いですʅ(◞‿◟)ʃ

頑張って明日にもう1話投稿しようと努力しております!

今後もLASTDAYと杉田を宜しくお願いしますʅ(◞‿◟)ʃ

コメントや感想も宜しくお願いしますʅ(◞‿◟)ʃ

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