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LASTDAY  作者: 杉田健壱楼
二章 平穏
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四十三話 人格と招待状

「チッ、あいつら結局何も言わずに出て行きやがった。腹立たしい」

「結局何がしたかったんだろうな」


 ヤマトとナイトメアはイルゼとその他、狂神五人衆が黙って出て行ったことに苛立っていた。


「まぁ、良いか。では私は帰って寝る」

「いつもみたいに修行しないのか?」

「今はそんな気分ではない」


 そう言ってヤマトは瞬間移動テレポートで闘技場を後にした。そしてナイトメアはエースに問う。


「エース、お前は何故立ち去らなかった?」

「...」

「おい、エース聞いているのか?」

「...ぁ、はい、すみません。いえヤマトと貴方が対戦後どのような会話をするのか気になったものですから」

「なんだそんな事か、どうでも良い事を気にするんだな、エースは。まぁ良い、これで満足だろ、去れ」


 エースはナイトメアの横暴な言動に呆れつつ、こう言った。


「はぁ...分かりました」


 そう言ってエースは闘技場を後にした。


「ナイトメア様とエース様って反抗期の子供と親みたいだよね」

「リン、そんなこと言ったら...」


 ナイトメアはリンとメイを凝視して、数秒経ってから叫んだ。


「おい!!リンとメイ闘技場に降りてこい!!」


 メイは大きく溜息をついてこう言った。


「ほら言わんこっちゃない...しかも何で私まで...」


 リンとメイは闘技場に降りて、ナイトメアの前に立った。


「俺を子供扱いするとはいい度胸だな、リン」

「そんなつもりで言ったわけでは...」

「ほう、私に向かって言い訳か?」

「いえ..すみませんでした...」

「分かればよろしい、次から是正するよう心掛けろ、メイはリンにもっと礼儀というものを教えてやれ。お前の方がそこら辺は弁えてるだろう」

「はい、承知致しました」


 それと時を同じくして、メテオに使者が来ていた。ローゼからの使いの者だと言う。なんでも、以前に言っていたベッジハード帝國で開催する生誕祭への招待状を渡しに来たと言うのだ。


「了解した」


 イーブルは短く答え、使者に手振りで退出を促した。


「招待、とは言いつつ実質強制のようなものかな」

「俺は行かんぞ」


 横にいたテイラーはあからさまに嫌そうな顔をしていた。


「わかっている」


 招待状にはイーブル、ファンド、他1名で来るように書かれていた。それを横目で見ていたテイラーが先に断ったという形だ。


「あと1人...」


 ちらとコーアンを見たが目を背けられてしまった。行きたくなさそうだ。


「私が行きましょう」


 困るイーブルの前にキースが立った。


「いいのか?」

「私はそこまで忙しいわけではないから、問題ないでしょう」

「すまぬな」


 生誕祭に行く者たちは割とすぐに決まった。ファンドにもすで連絡を通している。


「ご苦労なこったな」


 意地の悪い笑みを浮かべながらテイラーがイーブルの部屋に入ってきた。


「いや、そうでもない。俺は少し楽しみでもある」

「と、言うと?」

「ベッジハードの内情視察だ。ただ単に密偵を送るより余程安全にこなせる」


 合点がいったとばかりにテイラーが頷く。


「気をつけて行けよ。ヘマをしたら国が危ない」

「俺がそんなヘマをすると?」


 2人は笑い合った。


「行って来い。国のことは俺たちに任せておけ」


 イーブルは少し驚いた


「テイラーも随分と馴染んだものだな。最初の頃からは考えられん」

「お前が誘ってくれたからだ。今は毎日が楽しい、あの小屋に住んでいた時とは雲泥の差だ」


 2人は昔に戻ったかのように語り合い、いつの間にか夜を明かしていた。

LASTDAY43話「人格と招待状」をご覧頂き誠に有難う御座います。今後もご愛読の程宜しくお願い致します。

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