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LASTDAY  作者: 杉田健壱楼
二章 平穏
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四十一話 新女王誕生

「アフトザフト!!準備はできたか!!」


 ナイトメアはそう叫びながら地下にあるアフトザフトの研究室におもむいた。


「後はナイトメア様の為に志願してくれた、儀式の犠牲となる女性を待つのみです」

「把握した」


 すると、研究室の扉が叩かれた。


「入れ」

「はい!!」


 入ってきた女性は天真爛漫な雰囲気を纏った半悪魔ハーフデーモン。年齢は成人手前の17歳くらいだろうか。純白の肌に美しい曲線を描いたボディ。「美女」という言葉が似合う女性である。


「名は何という」

「ルドルフ・フォン・レギーナです!!」

「威勢がいいじゃないか、志願した理由を聞かせてくれるか?」


 彼女は大きい声で返事をし、語り出す。


「はい!私は忠君愛國の名の下にいつか御國の為に働く上級職の方、つまり将軍様や皇帝陛下の為になりたいとずっと思っていました。女で且つ、たいした魔法も使えない私は、兵士としてではなく、銃後としてでしか御國に貢献できず、それが不甲斐なくて仕方ありませんでした。そこでこの募集を聞きつけ、志願した訳であります!!」


 ナイトメアは何かを確かめるかのようにレギーナを見つめてこう言った。


「今からやろうとしている内容を知っていて志願したのか?」

「はい!!勿論でございます!!身体だけは丈夫なので、お役に立てると思います!!!」

「なら、早速取り掛かろう」


 ナイトメアがそういうとアフトザフトがレギーナに服を脱ぐように指示し、ナイトメアの前に全裸で立つように命じた。


「ひとつ聞いても宜しいですか?」

「なんだ?言ってみろ」

「服を脱ぐ必要はあるのですか?」

「儀式の邪魔になるから脱いでもらっただけの事だ。気にするな」

「こ、これは申し訳ございませんでした。無知な私をお許しください」

「気にするなと言ってるだろうに」

「有難きお言葉感謝致します」


 準備が整いナイトメアが最後にレギーナに問う。


「最後に聞くが、本当に良いのか?」

「はい。ナイトメア様の為に死ねるなら本望で御座います」

「ではさらばだ。レギーナ...

魂は器に宿るものなり。我これを隔て、元来の姿に還す事を渇望する。


これ神の禁忌に触れる事柄なれば、天命に反すること、我に宥恕ゆうじょを請う。魂還遷化(スミェールチ・ゼーレ)


 ナイトメアが詠唱し終えるとレギーナは魂が抜けたように後ろに倒れ、アフトザフトが受け止めた。


「成功したか?」

「はい。確かに彼女の魂は消滅しました」

「しかし久々に詠唱魔法を使ったな...魔力は大量に消費するは、実戦では使えないはで...はぁ.....まぁその分絶大な恩恵を得れるからいいんだが。よし次に行こう」


 ナイトメアはそう言ってアフトザフトにレギーナを祭壇に置き、そのレギーナの上に鏡の玉髄(ミラーカルセドニー)を置くように命じた。


「我世界の理に一度ひとたび手を加えんとす。その変化些細な事なれど、我の強く欲するところなり。おのが才神に及ばず。天に至らず。故に力欲し、その熱き思いを詠みたり。


これ神の禁忌に触れる事柄なれば、天命に反すること、我に宥恕ゆうじょを請う。

おのが力は我流を極め、他の模倣受けず。もとより模倣は原型に劣る。されど我はその限りにあらざる事を望む。才では劣る者達を砕く力、我に与え給え。御身創造フュジオン・クレアツィオーネ


  周囲が薄暗い魔法陣に包まれ、不穏な気配を帯びたレギーナと鏡の玉髄が浮上していき、ナイトメアの頭くらいの高さで止まる。そして鏡の玉髄(ミラーカルセドニー)が溶けて、レギーナの体を包み閃光を放つ。


「レギーナ、確かにお前は私の役にたったぞ」


 ナイトメアの目の前にはレギーナの身体を媒体に、新しく生まれ変わった何かがいた。そう、これこそが鏡の女王(ミラークィーン)である。

LASTDAY41話「新女王誕生」をご覧頂き誠に有難う御座いました。お気に召して頂けたらブクマ登録やレビュー宜しくお願いします。今後も応援宜しくお願いします。

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