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LASTDAY  作者: 杉田健壱楼
二章 平穏
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三十一話 使者

 演説の内容を書き終えたナイトメアは生誕祭の特別客として、各国の王に使者を送ろうとしていた。そして玉座の間にて。


「という訳で、コルットラー、メテオの代表者三名ずつ生誕祭の特別客として招待するという事でいいな?」


 ナイトメアは、エースとマックスにそう問う。


「俺は異議無しだ」


 ここでエースが口を挟んだ。


「ナイトメア、シュライド王国にも使者を送りなさい」


 ナイトメアは激怒した。


「何故だ、何故あんな存在する事すら許されないような下等生物の集団を招待するのだ。ましてやシュライドのオリジンに俺は血の女王(ブラットクィーン)を破壊されたんだぞ!!」


 エースは冷静に反論した。


「ベッジハードの力を見せつけるいい機会ではないですか。意気消沈して降伏してくれれば戦わずにこの大陸を支配できます。それに、彼らがここにきてまで戦いを仕掛けることなんて万に一つもないでしょうから、反対する理由などないと思いますよ?私怨で国の意向を無視するつもりですか?」


「この俺を売国奴扱いするとはいい度胸だな!!ならカムイはどうする。あの糞国王もどうせ招待するんだろ?あいつには対象の頭に触れただけで相手の記憶を変える固有技術(スキル)がある。それで我が国民や幹部、最悪の場合将軍がスパイや敵になる可能性だってあるのだぞ!!」


「そんなことできませんよ。1人2人が仮に洗脳されたとしてもここは帝都、カムイごときすぐに殺すことができます。殺せばカムイの洗脳は解けますからね。それに見張りをつければ洗脳される恐れすらない。これ以上なにかありますか?」



 ナイトメアは少し間をおいて反論した。


「だとしても相手は敵国だぞ...」


 エースがナイトメアにトドメを刺すようにこう言った。


「休戦協定を出せばいい話です。勿論ナイトメア行ってくれますね?」

「はぁ...分かりましたよ、皇帝陛下」


 こうしてナイトメアはシュライド以外の国々には使者を送り、シュライドにはナイトメア直々に出向く事となった。



 一方その頃、当のシュライド王国では…


「べッジハードの使者の方がお見えになられまして、手紙を受け取りました」


 城の管理人でメイド長のアイナが直接カムイに手紙を手渡そうとする。


「少し失礼致します」


 そこで割り込んできたハンニボルが手紙に触れる。


「失礼致しました。術式などの仕掛けはありません」

「お、おう」


 あまり理解が及んでいないカムイはとりあえず返事をして手紙を開ける。


「ふーむ。なんだかよく分からんが使者が来るんだな?生誕祭って、王の子供でも生まれたのか?」

「恐らく建国記念日の祭儀かと思われます」

「あまり変わらんな。取り敢えず出向けば良いのか?面倒だな」

「敵国を視察する良い機会でしょう。行ってみる価値はあるかと思われます」

「まぁお前がそう言うんなら…で、何をしておけば良いのだ?」


「この後来られるという使者の方に迎えの者を用意させましょうか。ファイン!」

「はい!」


 答えたその声はー、随分と若く聞こえた。

LASTDAY 31話「使者」をご覧いただき誠に有難う御座います、今後も精進して頑張りますので、御愛読の程宜しくお願いします。

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