表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LASTDAY  作者: 杉田健壱楼
二章 平穏
32/92

三十話 真っ向勝負

「さぁ、かかって来い」


 ナイトメアがそう言った瞬間、リンがナイトメアに攻撃を仕掛けた。


「五極連斬!!!」

「何!?」


 ナイトメアは何が起こったのか一瞬理解できなかった。それもそのはず、五極連斬はヤマトが使う技で、リンが使えるはずがなかった。


 しかし、ナイトメアが焦ったのは一瞬だった。リンは物理攻撃有効化の技術スキルを持っていない。


「!?」


 ナイトメアの体は傷ついていた。五極連斬のせいであろうか、ナイトメアは記憶をたどった。しかし、五極連斬はただ敵の近くに瞬間移動して5回斬りつけるだけの技で、物理攻撃有効化がついていた記憶はない。


「リンめ...まさか物理攻撃有効化を取得していたとは...これは少々本気を出さねばならぬようだな」


 ナイトメアは暗黒空間ダークネスを使って体制を立て直そうとしたが、間に合わない。


「雷鳴斬!!!」


 ナイトメアは寸前で見切った。


「流石に暗黒空間ダークネスを使う隙を与えてはくれんか」


 そう言い、ナイトメアは獣人形態に姿を変えた。


「ならば真っ向勝負だ。来い」


 ナイトメアは獣人形態へと姿を変えた。肉弾戦に持ち込むつもりなのだ。


「そうこなくては面白くありません...!五極連斬!」


 ナイトメアはやすやすとかわした。


「ふん、五極連斬を使うことが分かっているなら、どうってことはないな!」


 ナイトメアはそう言いつつ、拳をくらわせた。鈍い音がして、リンが吹き飛ばされる。


「くっ、強い...」


 ナイトメアはその後、一切の隙を見せることはなかった。リンが体制を立て直し、死角から攻撃しても、ナイトメアはその全てを見切ってみせた。


 リンは血を吐きながらなおも戦い続けた。しかし、万全の状態で勝てなかったナイトメアに、満身創痍のリンが勝てるわけがなかった。


「もうすでにお前は戦えぬであろう。ここらで打ち切りだ」

「.......」


 リンは何も言わなかった。疲れ果て、喋る体力すら惜しいのだ。


「しかし、強かった。私に本気を出させたのだからな」


 本来であれば、リンは飛び上がって喜ぶところだが、そんな力は到底残っていない。


 その言葉を聞いたすぐ後、リンは倒れてしまった。


「メイ、キマイラの元へリンを運んでくれ。少々やりすぎてしまった」

「は、はい、本日は私達の相手をしてくださって、ありがとうございました。では失礼します」


 メイは急いでリンをキマイラの元へ運んだ。


 キマイラは、ベッジハード帝國の神官戦士である。治癒魔法を得意としており、ベッジハードの重臣達からの信頼も厚い。彼女がいるからこそ、ベッジハードは無茶な戦争を仕掛けられるのだ。


 ナイトメアも自室へと戻った。生誕祭の構想と、そこでの演説内容を考えなければならなかったのだ。


 生誕祭は国の士気を上げるため、またベッジハードの武威を示すための重要な式典である。失敗するわけにはいかなかった。

LASTDAY30話「真っ向勝負」を読んでくださり誠に有難う御座います、お気に召して頂けたなら是非ブクマ登録、感想などを宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ