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LASTDAY  作者: 杉田健壱楼
二章 平穏
20/92

十八話 帝國会議《弐》

「ナイトメア、何か言ったか?」


 キングダムが問う。


「いや、何でもない。しかしこのままこの話を続けてもお前達が不毛な争いをするだけだろう。他の者の意見も聞いたらどうだ?」


 ナイトメアの言葉を受け、キングダムは同じ軍師であるタチャンカに問う。


「我が同志タチャンカよ、貴様はどう思う?」


「東西南北に関所を設ける。そうすれば交易もしやすい。出陣する時もこの道を通れば良い。全て焼き払うよりもこちらの方が効率が良いように思うが?」


 この案を聞いたローゼとキングダムは両者とも大層納得した様子で微笑んだ。これを見たナイトメアはこう言った。


「両者納得したみたいだな。この意見に異議がある者はいるか?ずっと黙ってる様だが新人諸君も是非意見してくれたまえ」


 新人将軍の1人アンがこう言った。


「私はタチャンカ様の意見に賛成です。恐らく私の同期達は皆タチャンカ様の意見に賛成だと思うのですが」


 新人将軍達はアンの言葉に答えるように頷いた。


「という訳で、我々はタチャンカ様の意見に賛成です」

「他に異議申し立てがある者はいるか?」


 全ての将軍が口を揃えてこう言った。


「「「「異議無し」」」」


「では次の議案に行こう。次はベッジハード生誕祭についてだ。これは経費を惜しまず、盛大にやりたいと思う。この生誕祭の内容について話し合いたい。私的にはまずベッジハード帝都に煌びやかな装飾をし、最初はエースによる演説、その後万歳を三唱した後に祭りが始まる。国民達は大いに盛り上がるだろう。そして、飲めや食えやの祭りをしている中、パレードで更に盛り上げるという流れで私は行きたい。異議があるものはいるか?」


 メアリーが何か言いたそうにしているのに気づいた。


「メアリー君、何か言いたい事があるなら言いたまえよ」


 いきなりナイトメアに話しかけられたメアリーが慌てふためいた様子でこう言った。


「何も...ないです...」

「言え」


 ナイトメアのその言葉は有無を言わさぬ響きを持っていた。


 アンはメアリーの背中を撫でながらナイトメアに憎悪の目を向けている。メアリーは涙ながらに話し始める。


「私がこんな事聞くの...烏滸おこがましいとは思うんですが...アンと私は生誕祭の日に休暇を頂けたりするんでしょうか…?」


 本来萎縮するほどでもない質問に驚いたナイトメアは、少し高圧的になった事を反省して答える。


「お前達は生誕祭の日には休みだ。基本的に私、マックス、エース以外は全員休暇とする予定だ。もしかしたらヤマトとキングダムは呼び出す事があるかもしれないが、その時はすまない」


 キングダムとヤマトが答える。


「「あぁ構わない」」


 ここでナイトメアは全ての将軍に言う。


「皆、生誕祭の日はしっかり休養して今までの戦の疲れを癒してくれよ。別日に生誕祭で働いた将軍にも休暇を取ってもらうから安心してくれ」


 皆の顔が少し緩んだ。


「しかし長い会議で皆も疲れただろう、一旦休憩時間を取ろう」


 帝國会議は順調に進んでいる。

読んで頂き誠に有難う御座いますʅ(◞‿◟)ʃ

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