十五話 終結
コルットラー王国のオリオンはこの機に乗じて西側領土の統一を目論んだ。マックスがいれば絶対に負けることはない。そう意気込んでいた。
「マックス殿、次の戦の予定ですがー」
将軍の言葉をマックスは遮った。
「いらぬ、俺1人だけで他の国を落とす。貴様らは何もせずとも良い。足手纏いになる」
あまりの気迫にオリオンはこれ以上何もいうことはできなかった。
マックスは言葉通り、一切コルットラー王国の援助を受けることなく、他の国を滅亡させた。
マックスの仕事は終わったためベッジハード帝國に帰っていった。
コルットラーはベッジハード帝國の属国となりはしたが、政治権限に関しては全て委任されたため、事実上の同盟関係のような形になった。これにて、この大陸には束の間の平和が享受されることになった。
西側の統一は終わったが、まだ仕事は残っていた。ドラゴンの捜索である。
「マックス、東の国にドラゴンはいたか?」
ナイトメアが問う。
「いや、いなかった。少なくとも、西側地方にドラゴンは逃げていないだろう」
「一体どこに逃げたというのだ。見つけたらただではすまさん、奴は私がこの手で死さえも生ぬるいと思わせる拷問であの世に送ってやる」
怒り狂うナイトメアをマックスは諫める。
「まあまあ落ち着け、ゆっくり探せばいい。まだシュライドとメテオにいる可能性もある」
「メテオにはいないだろうな。イーブルがドラゴンを匿うほどお人好しにも見えん」
「同感だ。ならシュライドにいるということになるか」
「可能性としてはそっちの方がありそうだが、前回カムイが攻めてきた時にドラゴンがいなかったことを考えるとなぁ。カムイは記憶を書き換えることができる。ドラゴンを使わない理由が考えにくい」
「一体どこにいるんだろうな」
ナイトメアとしては、ドラゴンは一刻も早く探しだし、捕らえて殺したいのである。だが、まだ軍事行動を起こすわけにはいかなかった。ナイトメアはメテオに使者を送り、もし仮にドラゴンを匿っているとしたら即刻ベッジハードに引き渡すように命じた。
「ドラゴンめ、見つけ出して目に物を見せてやる....」
ナイトメアの執念は凄まじかった。
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