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霊獣戦隊ヨーカイジャー  作者: 紫龍院 飛鳥
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第三話 無双の斬撃!研ぎ澄まされし剣の才能!

ある日の日曜日、雄吾 聖奈 剛丸 百華の四人は庭で霊獣達と変身して特訓していた。

「いいか雄吾?さっきオレ様がやって見せたように腹の底から声を張り上げるんだ!」

「オッケー!すぅ~…」

深く息を吸い込むレッド

「今だ!」

「うぉぉぉぉ!!」

獅子丸の合図で大声を発するレッド、すると声の衝撃波だけで前方にあった的を破壊した。

「や、やった!」

「フン、まずまずの出来だな」

レッド達の特訓しているすぐ隣ではブルーと叉多尾が特訓していた。

叉多尾は忍者のような軽い身のこなしで跳んだり跳ねたりアクロバティックな動きを見せた

「…よっと!まぁざっとこんなもんニャン」

「すごい…いつもだらけてばっかのアンタからは全然想像もつかない…」

「タビさんだってやる時はやるニャン♪さ、聖奈も一緒にやってみるニャン!」

「う、うん!上手くできるかな?」

必死で叉多尾の動きに着いていくブルー

一方、その側ではイエローと熊兵衛がバカでかい重りをつけたバーベルを担いでスクワットしていた。

「ふぎぎ…な、76…77…も、もう限界!あ、足が…」

「なんば言うか!まだ100回も達してなかばいよ!おいどんはまだまだいけるたい!298!299!300!」

重いバーベルを担ぎながら余裕の表情でスクワットする熊兵衛

その横で九威女はピンクに得意な幻術を教えていた。

「えぇどすか?神経を集中させて相手の五感を支配する、それが幻術の極意どす、試しに簡単な術でかまへんからウチにかけてみよし、そやな…じゃあ手始めにこの枯れ葉を油揚げに見せてもらいまひょ」

「う、うん!ムムム~…」

神経を集中し九威女に幻術をかけようとする

「まだまだどすえ!もっと集中しよし!」

「うーん!ムムム~!」

と、四人が特訓しているところへ政宗と龍之進が通りかかる

「政宗!今日こそは稽古するぞ!」

「うっせーな、そもそも今日はダチと遊ぶ約束してるから無理!」

「またそうやっていつもいつも遊び歩きおって!今日こそはその腐った性根を叩き直してやる!」

「いってーな!引っ張んな!」

「あーあ、マサと龍之進またやってるよ…」

「そうね、もう放っておきなさいよ…」

政宗と龍之進のいつものやりとりを見て呆れる雄吾と聖奈

「ふーっ!いい汗かいたたい!」

「はぁ、はぁ、もう限界…」

「情けなか…どれ、おいどんは次はこれを使うたい!」

すると熊兵衛はどこから用意したのかバカでかい岩を持ち上げて再びスクワットを始めた。

「1!2!3!4…」

「やれやれ、よくやるよ…僕は少し休憩しよ」

「ハッハッハッ!まだまだいけるたい!5!6!7!」

すると突然強めの風が吹いて熊兵衛は少しよろめいてしまい、その時手をスベらせて岩を離してしまった。

「あ、危ない!」

岩は政宗のところへ落ちていった、すると政宗はすかさず霊斬刀を構え、目にも止まらぬ剣捌きで岩を木端微塵に斬り裂いたのだった。

「あ…!?」

あまりの一瞬の出来事に一同開いた口が塞がらない

「政宗!大丈夫か!?」

「へーきへーき、ったく、おい熊公!気をつけやがれ!」

「め、面目ない…」

「つーわけで、オレ行くから!じゃっ!」

「あコラ!待たんか政宗!…ったく」

「それにしてもマーくんすごいな~、いつも修行サボってばっかなのに…」

「当たり前だ、あいつには天舞の剣の才能がある!私はそう思う!」

「剣の才能?マサがか?」

「しかし、肝心の当の本人にはその自覚も薄い上にあの通り毎日遊び歩いて…このままでは折角の天舞の才能がただの持ち腐れになってしまう、なんとかせねば…」

「うーん…あっ!モモカいいこと思いついた!」

「?」

「ちょっと皆耳貸して、ゴニョゴニョ…」

思いついたことを皆に耳打ちする百華

「えっ?そんなのでホントに上手くいく?」

「でもやってみる価値はあるんじゃない?」

「まぁでも、ものは試しだ!やってみよう!」


…一方で政宗は、友達とつるんでゲーセンで遊んでいた。

「なぁ次何するよ?」

「じゃあ次ボウリングでもいかね?」

「お?いいね!行くべ行くべ!」

政宗達がボウリングへ行こうとしたところ、その側の電柱の陰から叉多尾がひょっこり顔を出す

「聖奈聞こえるニャンか?政宗達次はなんかボウリング場に行くみたいニャン」

マガ魂を通して叉多尾から報告を受ける聖奈

「分かったわ!」

「ねぇ、ホントにやるの?」

「なんだタケ、今さら怖じ気づいたのか?もうここまで来たらやるしかないだろ、腹くくれ!」

「う、うん…」

「ほらアンタ達、ボウリング場まで先回りするわよ!」


ボウリング場へとやってきた政宗達

「来たわね、じゃあ作戦開始よ!」

政宗達の前へ飛び出していく三人

「キャー、やめてくださーい、誰かー誰か助けてぇー」

棒読みでセリフを喋る聖奈、セーラー服にお下げ髪のカツラを被り学ランにリーゼント姿の雄吾と剛丸に絡まれている芝居をしている。

「よ、よぉよぉ姉ちゃん!オレらと一緒に遊ぼうぜぇ!」

「いやー、誰かー助けてぇー」

「いいじゃあねぇか、こっち来いよ」

雄吾達の小芝居が政宗達の目に止まる

「なぁマサ君、何アレ?なんか変な奴らいる…」

「ん?…げっ!?」

一目見た瞬間、政宗はすぐに自分の兄と姉だと気づく

(…何だアレ?どっからどう見ても姉貴やユウ兄 タケ兄じゃん…何やってんだあんなカッコして…恥ずかしい、他人のフリしよ)

雄吾達をシカトしさっさと行ってしまった。

「あれ?マサ行っちゃったよ?」

「えぇ~嘘ぉ!」

「姉さんの芝居がへたくそすぎるんだよ」

「だってしょうがないじゃない、それよりアンタだってそのカッコどっからどう見ても学生に見えないのよ!」

「そ、そんなこと言ったって仕方ないじゃないか…」

剛丸と聖奈が言い争っている間に、雄吾は百華に電話して作戦失敗を報告する

「もしもし、ダメだ作戦失敗!マサの奴オレらのこと見向きもしなかったぞ!話が違うじゃないか」

『なぁんだ失敗かぁ…マーくんだったら絶対助けに入ると思ったのに』

「お前のその謎の自信をどこから出てくるんだよ…まぁいいとにかくオレ達ゃもうこんな茶番に付き合わされるのはもうごめんだからな、じゃあな!」

電話を切る

「どうする?もう諦める?」

「うーん…」

すると次の瞬間、雄吾達のマガ魂が光り出した

『雄吾!陰丸一族だ!すぐ来てくれ!』

「分かった!」

現場へと急ぐ三人、一方で政宗のマガ魂も光って知らせていたが政宗は気づいていない

「ねぇマサ君、ポケットの中なんか光ってるけどそれ何?」

「えっ?あっ!」

ようやくマガ魂が光っていることに気づくが

「えっと…な、なんでもねぇよ!気にすんな!」

「ふーん…」

と、今度は政宗の携帯が鳴る

『もしもしマーくん!?陰丸一族が出たよ!早く来て』

「んだよ百華か、やだよかったりー!今オレはそんな気分じゃねぇ!やるんならお前らだけでやれよ、じゃあな!」

『ちょっと待ってよ!マーく…』

有無を言わさず電話を切る

「わりいわりい待たせたな!」

「大丈夫なのマサ君?なんか大事な用事なんじゃ…」

「いーのいーの!大した用事じゃねぇから!それよりさ、もうボウリングも飽きたしよ、カラオケでも行かね?」

「う、うん…」

すると、その時だった。

ボウリング場の扉を勢いよく開けて龍之進が入って来た、一応騒ぎにならないように配慮したつもりなのか顔全体を布で覆って隠している。

「な、何アレ?」

「強盗じゃねぇ?」

「嘘!?ボウリング場に強盗とか聞いたことないけど!」

そのままズンズン政宗達の方へ向かってくる

「政宗、貴様こんなところで何をしている?貴様には他にやるべきことがあるだろう?」

「えっ?何?マサ君の知りあい?」

「チッ、んだよどいつもこいつも…オレは行かねぇからな」

「この期に及んでまだそのような腑抜けた態度を取るか…もう勘弁ならん!」

すると突然龍之進は刀を取り出していきなり政宗に斬りかかった

「!?」

すかさず政宗は霊斬刀を取り出し龍之進の刀を受け止める

「どういうつもりだよタッツィー…冗談にしても笑えねぇぞ!」

「冗談なものか!もう貴様にはほとほと愛想が尽きた!行かぬとあらば私自らの手で貴様に天誅を下すまで!」

「おい落ち着けってタッツィー!」

「問答無用!たぁっ!!」

尚も政宗に斬りかかる龍之進、政宗はたまらず店を出た

「逃がさん!」


…一方で残る四人は、メイズが新たに生み出した怪人『甲冑男』と交戦していた。

「さぁ行きなさい甲冑男!奴らを倒すのです!」

「そうは行くか!『獅子バズーカ』!シュート!!」

甲冑男に向けてバズーカを放つ、しかし甲冑男の頑丈な鉄のボディーの前にあっさりと弾かれてしまった。

「ガシャガシャ!我輩にそんなものは効かん!」

「くそっ!」

『オレ様の攻撃が効かないなんて!バカな!』

「なら、ここは僕が!『鬼熊アックス』!たぁっ!!」

勢いよく鉞を振り下ろす、しかし手に持った盾で受け止められ弾き返される

「このぉ!」

「隙あり!」

鉞を上段に振り上げた隙を突かれサーベルで斬りつけられる

「がはぁ!」

「剛丸!」

「なら、これならどう?ムムム~!」

幻術を使って甲冑男の動きを封じるピンク、甲冑男の両手両足に太い木の根を絡ませて身動きを取れなくする。

「なっ!?う、動けん!」

「くらいなさい!『猫又クロー』!」

鋭い爪で斬りかかるも甲冑男は無傷のままだった。

「そんな!」

「無駄だ!この頑丈な鉄のボディーの前ではお前達の攻撃など全て無意味!ガシャガシャガシャ!」

「くそっ!どうすれば…」

すると、その時だった。

龍之進に追いかけられていた政宗がここまで逃げてきたのだった

「…ハァ、ハァ、ったくしつけぇな!」

「逃がさんぞ政宗!…ムッ?あれは、陰丸一族か?」

「最悪だ…結局ここまで来ちまった」

「マサ!」

「政宗!」

「マーくん!」

「なんだ、もう一人いたのか?まぁ所詮誰であろうとこの我輩に傷一つつけることなどできんがな!ガシャガシャガシャ!」

「…ハァ、こうなったらやるしかねぇか仕方ねぇ」

マガ魂を霊斬刀嵌め込む

『龍・マガ魂!いよぉぉぉ!!』


「『霊獣転生』!!」


「気をつけろマサ、あいつの体とても硬いぞ!」

「へぇ、まぁなんとかなるっしょ!行くぜタッツィー!」

「うむ!」

長剣に変化する龍之進、霊斬刀と合わせて二刀流で構える

「来いよ、ぶった斬ってやる!」

「生意気な小僧め!くらえ!サーベルスラッシュ!」

サーベルを振り回し斬撃波を飛ばす

『来たぞ政宗!』

「分かってるって!はっ!」

グリーンも負けじと斬撃波を飛ばす、互いの斬撃波は相殺され消滅した。

「はあぁぁぁ!!」

甲冑男に斬りかかろうと飛びかかる、しかし例の如く甲冑男の体は無傷のままで刃が通らない。

「ぐぎぎぎ…」

「無駄だ!たぁっ!」

サーベルで斬りつけられ倒れるグリーン

「マサ!」

「くそ!やっぱりダメか!」

『政宗!よく聞け!落ち着いて心を静め神経を集中するのだ!』

「うるせーよ!こんな時に説教なんて聞きたくねぇっての!」

『政宗!お前には天舞の剣の才能がある!お前ならできる!今ここでお前の才能が開花すれば鉄をも斬り裂くことなど雑作もない!』

「剣の才能?」

『お前は生まれながらに真の強い剣士になる才能を持って生まれた!私は信じる!お前の中の鋭き剣士の魂を!』

「…フン、言ってくれるじゃねぇか、オレに本当に剣の才能があるかどうかなんて興味ねぇが、オレは…やればできる子でね!」

『じ、自分で言うか!』

するとグリーンは刀を構えてゆっくり目を閉じ、心を穏やかに神経を集中する。

「何をしても無駄だと分からんかぁ!」

グリーンに迫る甲冑男

「死ねぇ!」

すると次の瞬間、グリーンは居合い斬りのように甲冑男に一瞬で刀を振るい斬りつけた

すると、甲冑男の体に一筋のヒビが入ったのだった。

「なっ!?」

「トドメだ!『奥義・無双剣舞 龍牙鋭斬りゅうがえいざん』!!」

「ぐあぁぁぁぁ!!」

グリーンの会心の一撃がヒットし爆発する甲冑男

「おやおや、やられてしまいましたか…ゴウズ、頼みましたよ」

「任せておけ!『消え行かんとする魂よ、今ここに汝に再び命の灯を点し大いなる力を汝に授けん』!うらぁぁぁ!!」

すると、甲冑男は巨大化して復活した

「デカくなりやがった…」

「よし!行くぜ野郎ども!」

「『霊獣大変化』!!」

巨大化して元の姿に戻る霊獣達

「行くぞ!ふっ!」

霊獣達と融合するヨーカイジャー達

「『霊獣合体』!!」


「完成!『ヨーカイオー』!!」


「貴様ら、許さーん!」

「行くぞ!うぉぉぉぉぉ!!」

巨大甲冑男と対峙するヨーカイオー

「くらえ!サーベルラッシュ!」

サーベルの無数の突き攻撃をくらわせる、怯んで動けないヨーカイオー

「調子に乗んな!このっ!」

甲冑男にローキックをお見舞いする

「おわっ!」

一瞬たじろいだ隙をついて右ストレートをくらわす

「ぐっ!この…」

「これで終わりだ!」

「必殺『ヨーカイオー・フルブラストスクリーム』!!」

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!」

最後の断末魔と共に再び自爆する甲冑男


…次の日の朝

「やっべ!寝坊した!なんで起こしてくんねぇんだよ!」

「甘えてんじゃないよ!朝ぐらいちゃんと起きなさい!もう高二でしょ!?」

「あぁもう!メシ食ってる時間ねぇ!行ってくる!」

「…やれやれ、いつまでたっても成長しないな政宗は、この先思いやられるな全く…」

「でも昨日のマーくんはすごかったじゃん!モモカ達がかなわなかった相手を一気にスパーンって!」

「あんなものはただのまぐれにすぎん!あの力がいつでも出せるようでなければ真の剣士とは呼べんこれからは一層厳しくせねば!」

「よし、オレもマサに負けてられねぇ…ごちそうさま!よし獅子丸!庭で朝練の続きだ!」

「おう!」

「あちょっと!また食べてすぐ動いたらお腹痛くなるわよ!」

「お姉ちゃんご飯おかわり」

「アンタもアンタで相変わらずマイペースね…はぁ」



つづく


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