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霊獣戦隊ヨーカイジャー  作者: 紫龍院 飛鳥
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第二話 超巨大!霊獣達の真の力!

陽向家の朝は早い、今日も朝早くから雄吾と獅子丸は庭で稽古している。

「ふんっ!せいっ!てりゃあ!」

「まだまだぁ!もう一丁!」

「そこだぁ!」

「甘い!」

獅子丸の掌底で吹っ飛ばされる雄吾

「あだっ!イテテ…くそー負けた!」

「へん!剣筋がまだまだ甘いんだよ!そんなんじゃ実戦じゃすぐやられるのがオチだ」

「わーってるよ、よしもう一回だ!」

「望むところだ!来い!」

と、二人で稽古に夢中になっていると

「雄吾ー、獅子丸ー!ご飯できたから早く食べちゃいな!」

「あぁ、もうそんな時間か…今行く!」

食卓へ向かう雄吾と獅子丸

「おはようみんな!」

「あぁ兄さん、おはよう」

「うーす」

「おはよう、雄吾兄ちゃん」

兄弟達や霊獣達は先に食卓について朝ご飯を食べていた。

「おはよう雄吾、朝から稽古か?関心関心!良い心掛けだな!」

「おう」

「あっ!姉貴!味噌汁の具にナス入れんなっつったじゃん!」

味噌汁の具に嫌いなナスが入ってたことで文句を言う政宗

「好き嫌いしないの!アンタもう高二こうにでしょ!?いつまでそんな子供みたいなこと言ってんの?うだうだ言ってないでちゃんと食べな!ただでさえ最近野菜も高くなってきて中々買えないっていうのに…」

「チッ…朝からマジ気分萎えるわー」

「そんな嫌なら僕が食べようか?」

「いいのタケ兄?マジサンクスだわ~」

「こら政宗!ちゃんと自分で食べんか!剛丸もあまり政宗を甘やかすな!」

「ご、ごめんなさい…」

「んだよ…タッツィーの野郎、余計なことを…」

「ほらアンタ達!早く食べないと遅刻するよ!」

「あっ!やべっ!」

「もうこんな時間!急がないと!」

そう言って急いで朝食をかきこむ政宗と剛丸

「ごっそさん!行ってくる!」

「ごちそうさまでした!行ってきます!」

ダッシュで学校に向かう二人、その一方で学校に行かない百華はマイペースにご飯を食べていた。

「お姉ちゃん、ご飯おかわり」

「はいはい、ったくアンタはよく食べるねぇ、引きこもりの癖に…」

「お腹減るもんは減るんだからしょうがないじゃん…」

「ごっそさんした!さて、食後の運動だ!行くぜ獅子丸!」

「おう!」

「ちょっとアンタ達!食べたばっかでそんな動いてお腹痛くなっても知らないわよ!」

「やれやれ、ホント朝から騒々しいニャン…」

「まぁ、元気があっていいじゃないか!人間元気があればなんでもできるってな!ハッハッハッ!」

「もう、父さん!…ったくウチの男どもはこれだから…ハァ」


…稽古が一段落したところで縁側に座って休憩中の雄吾と獅子丸

「なぁ獅子丸」

「ん?」

「そういやこないだの戦いでお前らバズーカとか剣とかに変身してたけど、あれもお前らの霊獣の能力か?」

「あぁ『霊獣変化』だ、現にお前達もオレ様達のマガ魂を使って変身したあの姿も霊獣変化だ」

「へぇ、そうだったのか…てことは、これを使えば他の術も使える様になるってことか?」

「まぁ全部ではない、ほんの一部だけだがな」

「おぉ!じゃあよ、今度は変身して稽古しようぜ!その他の術も試してみたいしよ!」

「そうか、まぁ丁度いい…オレ様が使い方を教えてやろう!」

「よっしゃ!じゃ、頼むぜ!」

と、霊斬刀を取り出しマガ魂をはめ込む

『獅子・マガ魂!いよおぉぉぉぉぉ!!』

「『霊獣転生』!」

ヨーカイレッドに変身する雄吾

「よっしゃ!来いや!」

「行くぜ!うぉぉぉ!!」


…一方その頃、陰丸一族の屋敷では

「紫怨よ…その後の首尾はどうなっておる?」

「はい父上…現在、次の出撃に向けて準備を進めております…」

「そうか、今度こそあの憎き陽向一族の者どもを根こそぎ根絶やしにするのだ!」

「仰せのままに…」


一方で紫怨の部下であるゴウズとメイズは何やら不穏な動きを見せていた。

「ところでよメイズ、具体的には一体何をすればいいんだ?」

「紫怨様の命令で我々の任務はこの地で兵隊を増やし、兵隊達を従えて陽向一族やつらを殲滅せよとの事」

「ほうほう、で?その兵隊とやらは一体どうするんだ?」

「そうですねぇ…あぁこれなら丁度いいでしょう」

するとメイズは、側のゴミ捨て場に捨ててあった扇風機を見つけると槍を取り出し怪しげな呪文を唱える。

「では…『地獄で彷徨える魂よ、再びこの現世に舞い戻りて我が従順なる下僕となれ』きぇぇぇい!!」

扇風機に槍を突き立てる、すると扇風機はあっという間に怪物の姿となった。

「おぉ!これはたまげた!」

「ホッホッホッ、では『扇風機男』よ!お前の力をヨーカイジャーどもに見せつけてやるのです!」

「ブイ~ン!了解だブイ~ン!」


…一方その頃、陽向家の霊獣達は一早く怪物の出現を察知していた。

「!?」

「獅子丸?」

「また邪気を感じる!きっと奴らだ!」

「よし分かった行こう!姉ちゃん!百華!」

現場へ急ぐ雄吾達


…現場では、既に扇風機男が暴れ回っていた。

「ブイ~ン!」

「キャアァァァ!!」

強烈な風を巻き起こし人々を襲っていた

「な、何なのよこのすさまじい風!?」

「フニャー!激しすぎてこっちまで吹き飛びそうニャン!」

「あっ!あれ!なんかいる!」

扇風機男を指差す百華

「なんだありゃ?扇風機の化け物か!?」

「あれまぁ、エライけったいな怪物どすなぁ」

「言ってる場合か!ともかく陰丸一族の仕業には違ぇねぇ!さっさと止めねぇと!」

「あぁ!姉ちゃん、百華!行くぞ!」

「うん!」

霊斬刀を取り出しマガ魂をはめ込む

「『獅子・マガ魂!いよおぉぉぉぉ!!』」

「『猫又・マガ魂!いよおぉぉぉぉ!!』」

「『九尾・マガ魂!いよおぉぉぉぉ!!』」

「『霊獣転生』!!」

変身する三人

「陽向一族の名の下に、悪しき魂を浄化する!」

「お?貴様らがヨーカイジャーか?」

「あぁ、そうだ!お前は一体何なんだ!?」

「我が名は扇風機男!我が主の命により、貴様らの首を貰い受ける!出でよカゲオニ!」

「カゲ!カゲ!」

「雄吾!雑魚はオレ様達がやる!お前らは奴をやれ!」

「分かった!」

扇風機男と対峙する三人

「くらえ!旋風タイフーン・中!!」

すさまじい風が吹き荒れる

「うわっ!ダメだ、これじゃ近寄れない!」

「ブイ~ン!このまま吹き飛びやがれ!」

扇風機男のすさまじい風攻撃に成す術もないレッド達

すると、遅れて合流してきた政宗達も現場に到着する。

「おいおい、なんかすげぇのがいんじゃねぇかよ…」

「とにかく僕らも加勢しよう!」

二人は霊斬刀を取り出しマガ魂をはめ込む

「『鬼熊・マガ魂!いよおぉぉぉぉ!!』」

「『龍・マガ魂!いよおぉぉぉぉ!!』」

「『霊獣転生』!!」

変身する二人、すると龍之進が熊兵衛を乗せて飛んできた。

「待たせたな!」

「遅かったなタッツィー!」

「無理を言うな!こっちは私の何倍も重い熊兵衛こいつをここまで乗せてやっと飛んできたんだ!」

「重いとはあまりに心外ばい!オイはそげに太ってなか!これは全部筋肉たい!」

「まぁまぁ!とにかく今は奴を倒す方が先でしょ!」

「何人来ようが無駄だぁ!旋風タイフーン・強!」

更に風を強くする扇風機男

「ハッハッハッ!吹き飛べぇ!」

「そうは行くか!タケ兄!」

「うん!行くよ!うぉぉぉ!!」

暴風の中真正面から突っ込んでいくイエローと熊兵衛、体の大きい二人が盾となってその後ろを走るグリーンと龍之進

「何!?」

「今だ!たりゃあっ!」

イエローを飛び越えて二刀の刀を構えて扇風機男を十字に斬り裂くグリーン

「ぎゃあぁぁぁ!プ、プロペラが!」

プロペラの一部を斬り落とされ風が出せなくなりあたふたする扇風機男

「サンキュー、助かったぜお前ら」

「おう、さて…トドメと行こうぜ!」

「よっしゃ!キメるぜ!はぁぁぁ!!」

力を集中する五人、それに呼応して霊斬刀がそれぞれの色に光る

「必殺!『霊斬波』!!」

五つの斬撃が放たれ一つの大きな斬撃となって扇風機男を斬り裂いた。

「ぎゃあぁぁぁ!!」

断末魔と共に自爆する

「やったー!!」

喜んだのも束の間、どこからともなくゴウズとメイズが現れた。

「おやおや、こうもあっさり倒されるとは…」

「お前らは、陰丸のところの牛男と馬男!」

「ウッシッシッシ!お前らそんなんで勝ったつもりか?おめでたい奴らだな!」

「何ですって!」

「篤と見るがいい!これがワシの力じゃあ!」

するとゴウズは大槌を取り出すと、怪しげな呪文を唱える

「『消え行かんとする魂よ、今ここに汝に再び命の灯を点し大いなる力を汝に授けん』!うらぁぁぁ!!」

大槌で扇風機男の残骸を叩く、すると次の瞬間扇風機男は突然巨大化し復活した。

「ななな!?何じゃこりゃあ!?」

「あれまぁ、大きくならはったわぁ!」

「ど、どうしよう!?こんな大きいの流石に無理だよ!」

「慌てるな、こんな時こそオイ達の出番たい!」

「?」

「ということは、『アレ』をやるのか?」

「『アレ』?アレって何だよタッツィー」

「えー、タビさん『アレ』疲れるから嫌だニャン!」

「四の五の言ってる場合じゃねぇぞ!やるぞ!」

「『霊獣大変化』!!」

すると次の瞬間、突然霊獣達の体が大きくなりたちまち巨大化した。

「なっ!?嘘だろ!?獅子丸達までデカくなった!!」

「なぁに驚くことはない!これがオレ様達の真の姿だ!」

「な、何だって!?」

「ウチらの普段の人型の姿は力を制御する為の仮の姿どす、それに常にこの姿のままやと目立ってしもうてかないまへん、そやさかい普段は人型の姿で過ごす必要があるんどす」

「なるほど、そういうことか~」

「そういうことだ!よし、やるぞ野郎ども!」

「おう!」

巨大扇風機男と対峙する巨大霊獣達

「うらぁ!!」

自慢の牙と爪で扇風機男に食らいつく獅子丸

「ぬおっ!?己…旋風タイフーン・強!」

「ぐあっ!?」

「ニャーン!」

叉多尾は鋭い爪を使って身軽な身のこなしで扇風機男のプロペラを斬り落とす

「ぎゃあぁぁぁ!一度ならず二度までも…許さん!」

間髪入れずに長い体を使って扇風機男に巻きつく龍之進、そのままグイグイと締め上げる

「ぐう…苦しい…」

「そぉら!」

そのまま上に投げ飛ばし、今度は九威女が九本の尾を使って地面に叩きつける

「ぐおっ!」

そして熊兵衛が額の角で扇風機男を串刺しにする

「ぐあっ!!貴様ら…いい加減にしろ!」

残ったプロペラの羽で最後の力を振り絞り暴風を巻き起こす

「くっ!まだこんな力残っていたか!?おい雄吾!お前らの力も貸しやがれ!」

「えっ?オレ達の力も?どうやって?」

「説明は後だ!とにかく来い!」

すると獅子丸はレッドを徐ろに持ち上げる

「おわわわ!ちょ、おま!何するんだ一体!?」

すると他の霊獣達も他の四人を持ち上げて自分達の頭に乗せる

「よし、『融合』するぞ!」

「融合!?ちょ、何言ってんだ!?」

「今は説明してる暇はない!やれば分かる!行くぞ!」

「ちょ、まっ…!」

するとヨーカイジャー達は霊獣達の体内に吸い込まれるように一体化していく

「こ、これは…!?」

「これが陽向一族に代々伝わる秘奥義『妖人一体の術』」

「『妖人一体の術』?」

「霊獣と人間…心と身体を一つにすることにより強大な力が生まれいかなる悪をも打ち砕く!!陽向家初代当主が編み出した究極の奥義だ!」

「すごい…」

「だが驚くのはまだ早ぇ!見せ場はまだまだこれからだ!行くぞ野郎ども!」

「おう!」

「『霊獣合体』!!」

「が、合体!?」

すると霊獣達はその身体を合わせ巨大な合体ロボへと変わった!

獅子丸を中心とし、右腕に叉多尾…左腕に九威女…右足と腰の部分を龍之進が形成しそこに左足で熊兵衛がくっつく


「完成!『ヨーカイオー』!!」


「なっ!?すごい…!」

『今回は初めての合体だからな、オレ様達の戦い方をよぉく見てな!』

「うん!分かった!」

扇風機男と対峙するヨーカイオー

「このぉ!許さんぞぉ!」

『猫パンチニャン!』

ヨーカイオーの渾身の右ストレートがクリーンヒットする

『下ががら空きたい!』

続いてローキックが炸裂する

「ぐあっ!」

『そぉれ!失礼しますえ!』

九本の尾をまるで鞭のように奮いスパァンと会心の一発を叩きつける

『よし、そろそろトドメだ!』

「おう!」

「必殺『ヨーカイオー・フルブラストスクリーム』!!」

ヨーカイオーの胸の中心の獅子丸の顔から強烈なビーム砲が放たれ扇風機男に直撃する

「ぐあぁぁぁ!!」

最後の断末魔と共に再び自爆する扇風機男


「…いや~それにしても凄かったなー!」

「ホントよね、一時はどうなるかと思ったわ…まさかあんな巨大化するなんて思わなかったし」

「まぁ結果的に倒せたから別にどうでもいいニャン」

「またアンタは呑気なこと言って…」

「あっ!やべっ!もうこんな時間かよ!そろそろ午後の授業始まる!急いで戻らないと!」

「僕も講義の途中で抜けて来ちゃったから早く戻らないとまずい!」

「なぁタッツィー頼む!学校までピューンと一気に乗せて飛んでってくんねぇ?」

「断る!それに私は龍之進だ!」

「連れねぇこと言いっ子なしだぜ…なぁ頼む!」

「断る!」

「あっ!ちょ、待てよ!」


…斯くして、今日もまた陰丸一族の野望を阻止したヨーカイジャー、彼らの戦いはこれからもまだまだ続く。



続く




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