第十九話 聖夜の大泥棒!石川 五右衛門 見参!
12月24日、世はクリスマスイブ…それと一緒に、クリスマスイブは陽向家当主の虎三郎の誕生日でもあった。
「オッス!オラ百華!今日はみんなに嬉しいお知らせがありまーす!今月の生配信は明日12月25日0時丁度にやっちゃうよぉ~!みんなクリスマスは楽しみにしててねぇ~!」
百華が一人で配信の告知動画を撮っていると
「ちょっと百華ー、遊んでないでこっち手伝ってくれるー!」
「はぁい」
スマホをしまい台所に向かう、台所では聖奈が今夜の虎三郎の誕生日パーティーの料理の準備をしている。
「わぁすごい豪勢~、お姉ちゃん張り切ってるねぇ」
「父さんも誕生日ぐらいは美味しいもの食べて欲しいじゃない?普段父さん年寄り臭いものしか食べないから」
「ふーん、それにしても面白いよね~、パパって仮にもお坊さんなのに誕生日がクリスマスイブって…ププッ」
「それ、父さんの前じゃ絶対口にしない方がいいわよ…それ父さん本人がめちゃくちゃ気にしてるから…」
「えっ、ホント?うーん分かった、気をつける」
…一方その頃、陰丸一族の屋敷では
「ぐぬぬ…己ぇ陽向一族めぇ…悉く我らの邪魔ばかりしおって…!お前達は一体何をしておるのだ!さっさとあやつらを始末せぬか!」
「申し訳ありません紫龍斎様!必ずや陽向一族らを倒します故、暫しお待ち下さい」
陽向一族に負けてばかりの紫怨達に業を煮やし怒りを露にする紫龍斎
「良いか!何としてもあやつらを地獄へ叩き落としてこい!これ以上陰丸一族の名に泥を塗ることは許さん!」
「…承知致しました」
「…くっ、今に見てなさいよ!陽向一族!」
「どうやら、お困りの様ですなぁ!」
「誰っ!?」
そこへどこからともなく陰丸七人衆の一人『石川 五右衛門』が現れた。
「あ、今回は~!このあっしに任せていただきやしょう~!あ、必ずやぁ~!奴らを仕止めて~!ご覧に入れまする~!」
五右衛門の喋り方にイラッとした紫怨は五右衛門の尻を思い切り蹴った。
「あ痛ぁ~!」
「あぁもう!鬱陶しいのよアンタのその喋り方!とっとと行きなさい!!」
「あ、それでは~!行ってくるで~…」
「早く行きなさい鬱陶しい!!」
「おぉ…くわばらくわばら」
紫怨に怒られてそそくさと出ていく五右衛門
…一方、雄吾と雷童丸は
「…まぁ、要するにクリスマスってのはみんなでパーティーしたりケーキ食べたりプレゼントが貰えたり色々ハッピーな日だってこと!」
「ほぅ…確かに、街の人々も子供達もみんな嬉しそうな顔をしておる」
街を行き交う人々の笑顔を見つめる雷童丸
「さてと、無事にケーキは買えたことだし!後はタケとマサだな…あいつらちゃんとプレゼント買えたかな?」
…一方その頃、虎三郎へのプレゼントを買いに来た剛丸と政宗は
「んー…なぁタケ兄、親父のプレゼント何がいいかな?」
「そうだな…父さん腰が悪いからマッサージ機とかどうかな?」
「えー、でもきっと高いぜ?」
「んー…それじゃあどうしようか…」
二人でプレゼントを選んでいると
「…くすんくすん、しくしく」
子供が一人で泣いていた
「ん?タケ兄、あれ…」
「お?迷子かな?」
剛丸は泣いてる子供に駆け寄り、目線を子供に合わせて話し掛ける。
「ボク、大丈夫かい?お父さんかお母さんとはぐれちゃったのかな?」
「…ぐすん、あのね…変なサンタさんがパパに買って貰ったプレゼント持っていっちゃったの」
「変なサンタさん?」
「おい坊主、その変なサンタさんって?」
「うん…なんかね、顔が白くてそれで赤いお化粧してたの」
「白い顔に赤い化粧…?なんか、歌舞伎みてぇだな」
「どういうことだろう?一応兄さんにも変わったことがなかったか聞いてみよう!」
スマホを取り出して雄吾に電話する剛丸
「…何だって!?歌舞伎風のメイクをしたサンタの格好のやろうが子供の持ってたプレゼントを盗んでいったって!?…あぁ分かった!こっちでも同じ被害にあった人がいないか探してみる!」
電話を切る
「雄吾殿?何かあったのか?」
「あぁ、なんか変なサンタが子供のプレゼントを奪っていったらしい!」
「なんと!その『さんた』なる者は子供らにプレゼントを配る者だと聞いたが、どうなっておるのだ!?」
「分からん!とにかく他の人もプレゼントを盗まれるかもしれない!一刻も早く犯人を探そう!」
「了解した!」
プレゼント泥棒を探す雄吾と雷童丸、するとその時だった。
「キャアー!泥棒ー!」
「!?、こっちか!」
声のした方向へ行くと若い女性が泣き崩れていた。
「大丈夫ですか!?一体何が?」
「…うぅ、急に後ろからサンタみたいな格好した人が現れて私の彼氏から貰った大事なプレゼントを奪っていったんです!」
「サンタの格好…剛丸が言ってた情報と同じ!」
「その泥棒はどこに行ったか分かるか?」
「あ、えと…多分この先真っ直ぐだったと思います」
「よし、すぐに追うぞ!」
「うむ!」
泥棒を追う雄吾と雷童丸、一方で剛丸と政宗も泥棒を探してあちこち聞き込んだりして必死に探していた。
「くそ!なんで見つからねぇんだ!」
「ねぇ、これってもしかして陰丸一族の仕業じゃ…」
「えっ?ん?待てよ…歌舞伎の化粧、泥棒…あっ!それってもしかして!」
「『石川 五右衛門』!!」
「なるほどな、あの野郎がみんなのプレゼント盗んで回ってるってわけか!」
「でも、何の為に?」
「多分俺らのことを誘き出す為にわざと騒ぎ起こしたに違いねぇ!野郎、調子に乗りやがって…!」
「そうと分かれば兄さんと姉さん達にも連絡して五右衛門を探して貰おう!」
スマホを取り出して雄吾や聖奈に連絡を取る
「雷童丸!今剛丸からのナインで犯人は陰丸七人衆の石川 五右衛門らしい!」
「そうか、やはりな…己ぇよくもこれだけの関係ない人々を巻き込みおって…!」
怒りに燃える雷童丸、すると雄吾のスマホが鳴る
「もしもし?姉ちゃん?」
『雄吾!五右衛門の居場所が分かったわ!』
「マジか!?…あぁ分かった!すぐにそっち向かう!」
電話を切る
「もしかして、居場所が?」
「あぁ、俺達もすぐ向かうぞ!」
「うむ!」
聖奈に電話で指定された廃倉庫に到着する雄吾と雷童丸、それと同時に剛丸と政宗、霊獣達も合流してきた。
「みんな!こっちよ!」
「姉さん、この中に五右衛門が?」
「えぇ、間違いないわ!」
「よし、行くぞ!」
勢いよく倉庫の扉を開けて中へ入る、するとそこには盗まれたプレゼントが山の様に積み重なっていた。
「出てこい五右衛門!いるのは分かってんだ!」
するとそこへ、どこからともなく声がする
『カッカッカッカッ!よくぞまぁこんなところまでのこのことやってきたものだのぅ!』
「あっ!」
上を見上げると五右衛門が上のギャラリーから雄吾達を見下ろしていた。
「お前が五右衛門か!降りてこいコノヤロー!」
「いかにも!『あ、あっしこそが~!天下に名高い大泥棒!粋で鯔背な色男!北に南に西 東、喩え火の中水の中!お宝の為ならなんのその!そう、このあっしの名はぁ~!姓は石川、名は五右衛門!あ、ここに参上成~り~!』」
見栄を切ってポーズを決める五右衛門
「おいお前!何が目的だ!みんなのプレゼントを盗みやがって!」
「カッカッカッ!!知れたことよ、一つはお主らを誘き寄せる為、そのついでにクリスマスとやらをめちゃくちゃにしてやろうと思ってなぁ!」
「なんて酷いことを…もう絶対許さないんだから!」
「みんな、いくぞ!」
「おう!」
「『霊獣転生』!!」
「『雷獣転生』!!」
「『猛る若獅子!ヨーカイレッド!』」
「『瞬神の猫又!ヨーカイブルー!』」
「『剛力の鬼熊!ヨーカイイエロー!』」
「『天昇の龍!ヨーカイグリーン!』」
「『魅惑の九尾!ヨーカイピンク!』」
「『正義の稲妻!ヨーカイジャスティス!』」
「『霊獣戦隊!ヨーカイジャー!!』」
「陽向一族の名の下に、悪しき魂を浄化する!」
「正義の名の下に、沈め!」
「ふん、小童どもが!返り討ちにしてくれる!いでよカゲオニ!」
どこからともなくカゲオニ軍団が現れ、迎え撃つヨーカイジャー
「このっ!」
「雄吾!雑魚どもは俺様達に任せな!お前らは五右衛門をやれ!」
「分かった!すまない!」
カゲオニ軍団を霊獣達に任せ五右衛門と対峙するヨーカイジャー
「カッカッカッ!お主らが束になったところでこのあっしには勝てぬわ~!」
「野郎…ナメやがって、ぶった斬ってやる!」
「政宗!ダメよ!無闇に突っ込んだら…」
「たぁぁぁ!」
ブルーの制止も聞かず五右衛門に斬りかかるグリーン
「笑止!ふんっ!」
獣人化し、武器の大きな煙管を取り出し振り回す
「せぇいっ!!」
「うぁっ!!」
「政宗!」
「あ、あいつ…とんでもねぇパワーだ」
「なら、今度は僕が!」
続いてイエローが突っ込んでいく
「はぁ!」
「ふんっ!」
イエローの太刀を煙管で受け止める
「ふん、そんなものか?えぇい!」
力を込めて今度は逆にイエローを押し返していく
「くっ…うぐっ…」
「剛丸兄ちゃん!」
たまらずピンクが飛び出していく
「百華!あぁもう!」
ブルーも加わり二人して素早く後ろに回り込み、背後から同時に斬りかかる。
「小賢しいわ!」
すると五右衛門はいきなりイエローの腕を掴みブンッと後ろにイエローを回して二人の攻撃を防ぐ
「ぐわぁ!」
五右衛門に盾にされ斬られるイエロー
「剛丸!」
「剛丸兄ちゃん!」
「ぬるいわ!」
隙を突いてブルーとピンクを煙管で叩き潰す
「姉ちゃん!」
「百華殿!」
「この…みんなをよくも!雷童丸!二人同時にフルパワーで攻撃だ!」
「了解した!」
「『奥義・獅吼剛烈波』!!」
「『奥義・雷光瞬烈斬』!!」
二人の必殺技が炸裂する、しかし五右衛門は煙管を回転させて二人の必殺技を防ぐ。
「なっ!?」
「カッカッカッカッ!!痒い痒い!その程度か!?」
「くそ!だったらこれなら!」
「『四神・マガ魂!うぉぉぉ!!』」
「『四神転生』!!」
ゴッド・ヨーカイレッドに変身する
「くらえぇ!!」
五右衛門に向けて巨大な炎の塊を投げつける
「ぬおっ!?ぐぐぐ…」
レッドの渾身の一撃を受け止め耐える五右衛門
「ぐぬぅ…ナメるな小童ぁ!」
煙管で力ずくで炎を叩き潰した。
「マジかよ、あれだけの攻撃を打ち消しやがった!?」
「だが、それなりに体力は消耗しているようだな…このまま一気に畳み掛けましょうぞ!」
「あぁ!」
「カッカッカッ、さっきのはちぃとばかり効いたぞ、小童の割には少しはやるではないか…一先ず今日のところはこれぐらいで勘弁してやろう!さらば!」
と、煙玉を投げつけてそのまま逃亡する
「ゲホッゲホッ!ま、待て!…くそ、逃がしたか!」
「雄吾!」
「獅子丸、みんな…」
「五右衛門は?やっつけたのか?」
「いや、逃げられた…お前らは大丈夫か?」
「へん、バカ言うな!あんな雑魚ども俺様達にかかればイチコロよ!」
「タビさんも!まだまだ余裕ニャン!」
「ガッハッハッハ!おいどんらをあまり侮ることなかよ!鍛え方が違うばい!」
「ハハ、そうだったな…」
すると、聖奈達も目を覚まして起き上がる
「うーん、あれ?五右衛門は?」
「ごめん、逃げられた…」
「兄さんが謝ることないよ、僕らなんか呆気なくやられただけだし…」
「あの野郎…次こそは絶対ぶった斬ってやる!」
「多分まだそんなに遠くには行ってないはずだよ!」
「うむ、こうしている間にも被害者が増えるやも知れん…一刻も早く見つけ出さねば!」
「あぁ、そうだな!…痛っ!」
「雄吾!?どうしたお前!?」
「わかんねぇ…なんか急に体に痛みが…」
「恐らく、四神の力を限界以上に急に使ったせいで体がついていかなかったのやも知れん…」
「マジか…でも今までこんなことなかったのに…」
「ひょっとしたら、まだ皆はんらは四神はんの力を十分に発揮できてへんかったっちゅうことどすやろか?」
「ってことは、アタシ達は四神の力を扱うにはまだまだ未熟だってこと?」
「…一理あるかもしれないな」
「ともかく今は五右衛門を倒すことのみを優先させましょう、これ以上被害が広がる前に食い止めねば!」
「そうね、じゃあ手分けして探しましょう!雷童丸と狛犬兄弟は雄吾に一緒についてあげて」
「了解した」
「合点じゃ!」
「はいな!」
「とにかく行きましょう!見つけたら各々連絡して!」
五右衛門を探しに方々に散る一同
そして、逃げ回る五右衛門は逃げる最中も人々からプレゼントを盗んで回った。
「カッカッカッ!!絶景かな絶景かな~!」
ビルの屋上からプレゼントを盗まれて悲しむ人々の様を見ながら高らかに笑う五右衛門
「見つけたぞ!五右衛門!」
先にたどり着いたのは雄吾と雷童丸達だった。
「ほぅ、また会ったなぁ小童ども!」
「今度こそ、お前を倒してみせる!」
「阿犬、吽犬!お前達は聖奈殿達をここへ連れてくるのだ!」
「あぁ!任せてつかあさいアニキ!いくで吽犬!」
「はいな!兄さん!」
「よし…獅子丸、雷童丸!いくぞ!」
「うむ!」
「おぅ!」
『獅子・マガ魂!いよぉぉぉ!!』
『雷獣・マガ魂!イェェェイ!!』
「『霊獣転生』!!」
「『雷獣転生』!!」
「くらいな!『獅子バズーカ』!」
バズーカ砲をぶっぱなすレッド、五右衛門はレッドの一撃を煙管で受け止め強引に受け流す。
「雷童丸!」
「心得た!ハァッ!」
その隙を突いてジャスティスが斬りかかる、五右衛門はガードが間に合わずにジャスティスの太刀を受けてしまう
が、しかし…
「なっ!?」
硬い殻に覆われた五右衛門の体はジャスティスの渾身の一撃でも歯が立たないほどだった。
「カッカッカッ!!あ、その程度か~!えぇい!」
首を掴まれて投げ飛ばされるジャスティス
「ぐっ!」
「雷童丸!くそ!」
焦ってバズーカ砲を乱射するレッド
「あ、効かぬ!あ、効かぬ!あ、効~か~ぬ~わ~!!」
レッドの撃った弾は悉く五右衛門に弾かれてしまう
「おい雄吾!焦りすぎだ!少し落ち着け!」
「分かってる!くそ、こうなったら…もう一度これで!」
「『四神・マガ魂!うぉぉぉ!!』」
「『四神転生』!!」
再びゴッド・ヨーカイレッドに変身する
「おい雄吾!まさかまた四神の力をフルパワーで放つ気か!?正気かよテメー!またんなことしたら今度こそお前の体が持つかどうか…!」
「もうこれしかないんだ!フルパワーの一点集中で一気にブチ抜いてやる!」
霊斬刀を構えて力を込める
「雄吾殿!冷静に!熱くなってはいけませぬ!」
「…フーッ、フーッ、フーッ」
呼吸を調えて集中力を高めるレッド
(…大丈夫だ、落ち着け!力を一点に集中するんだ!一切の油断を許すな…集中…集中…集中!)
「カッカッカッ!!何をするつもりかは知らんが面白い!このあっしの殻を破れるものならぁ!あ、破ってみよ~!」
「はぁぁぁ…!!」
集中力が極限にまで高まり全身に凄まじいオーラを纏うレッド
「雄吾!」
と、そこへ漸くブルー達も合流してきた。
「こ、これって…!?」
「何が起きてやがんだ!?」
「…この威圧感は、なんと凄まじい勢いだ!」
「ニャー、こりゃたまげたニャン!」
「す、すごかぁ…」
「ホンマどすなぁ…あまりのすごさにウチの尻尾も震えておりんす」
「カッカッカッ!!さぁ、こい!」
「『奥義!一点集中・四神一閃』!!」
渾身の力を込めて刃を振り抜くレッド、その一撃は見事に命中し、五右衛門の硬い殻を粉々に粉砕したのだった。
「がぁっ!」
「今が好機!皆!」
「OK!」
「『必殺・霊斬波』!!」
「『奥義・雷光瞬烈斬』!!」
ジャスティス達の必殺技が炸裂しトドメの一撃となった。
「ぐぁぁぁ!!」
爆発する五右衛門、するとそこへメイズとゴウズが現れる。
するとそこへゴウズとメイズが現れた。
「ホッホッホッ、ずいぶんとまた呆気ない最期でしたねぇ…ゴウズ、頼みましたよ!」
「ウッシッシッ!任せな!『消え行かんとする魂よ、今ここに汝に再び命の灯を点し大いなる力を汝に授けん』!うらぁぁぁ!!」
大槌で五右衛門の残骸を力いっぱい叩く、すると五右衛門は巨大化して復活した。
「性懲りもなくまた…うっ」
力を使い果たし変身が解かれる雄吾
「その体じゃ無理よ!四神マガ魂貸して!アタシがグレードヨーカイゴッドで戦うわ!」
「なら、私もお力添えを!阿犬、吽犬!」
「はいな!」
「『霊獣合体』!!」
「『雷獣合体』!!」
「完成『グレードヨーカイゴッド』!!」
「完成『ライジュウオー』!!」
「さぁ、いくわよ!」
巨大五右衛門と対峙するグレードヨーカイゴッドとライジュウオー
五右衛門は煙管をブンブン振り回しながら攻撃を仕掛けてくる。
「くらえぃ!」
煙管を勢いよく振り下ろす、玄武シールドでガードする
「隙ありだ!」
その横からライジュウオーが電撃を帯びたパンチをくらわせる。
「ぐっ!これしき!」
今度はライジュウオーに向けて煙管を振りかぶる
そこですかさず…
「もらった!」
『土蜘蛛・マガ魂!いよぉぉぉ!!』
糸で五右衛門の煙管を絡めとり奪いとる
「あぁ!あっしの煙管!ど、泥棒!」
「そりゃアンタでしょうが!」
五右衛門の腹目掛けて強烈なキックをお見舞いする。
「ぶべらっ!」
「今よ!」
「おぉ!」
ライジュウオーが奪った煙管で五右衛門の脳天を思いきり殴打する。
「のぎゃっ!?う~ん…強烈なり」
「トドメよ!『必殺!グレードゴッド・アルティメットファイヤー』!!」
「『必殺!ライジング・キャノン』!!」
「ぐわぁぁぁぁ!!カ、カッ、カッ、カッ!…絶景かな…絶景かなぁぁぁぁ!!」
爆発して消滅する
…五右衛門を倒した後、ヨーカイジャー達は五右衛門が盗んだプレゼントを一人一人にちゃんと返して回った。
そして、その日の夜…陽向家で虎三郎の誕生日パーティー兼クリスマスパーティーが行われた。
「お誕生日、おめでとう!!そして…メリークリスマス!!」
クラッカーを鳴らして乾杯する
「お、なんだ始まってたのか…出遅れちまったな」
「おぉ雄吾、なんだもう起きて大丈夫なのか?」
「あぁ、たっぷり寝たからもう完全回復!…あ、そうだ親父…誕生日、おめでとう!」
「うむ、ありがとう…しかし、毎年毎年愛する我が子達に誕生日を祝ってもらえるなんて…私は果報者だな、母さん見てるか?子供達はみんないい子に育ったぞ!」
涙を流しながら数珠を握って手を合わせる虎三郎
「もう、父さんってばオーバーなんだから…あれ?百華と雷童丸は?」
「みんな~!お待たせ~!」
するとそこへ百華がミニスカートのサンタ服姿で登場した。
「ちょ、百華アンタなんてカッコしてんのよ!」
「いいでしょこれ?明日の生配信の為に買ったの~!可愛いでしょ?」
「いや、いくらなんでもそれは…ってか雷童丸は?」
「ライちゃんも一緒だよ、ほらライちゃん出ておいでよ!」
百華に呼ばれるも出たがらない雷童丸
「ほらライちゃん!みんな待ってるよ!」
雷童丸の腕を引いて出てこさせる
「ちょ、百華殿!」
すると、出てきた雷童丸は恐らく百華が用意したであろうトナカイの着ぐるみを着ていた。
「ら、雷童丸…」
「……っっっ」
みんなに注目され顔を赤らめる雷童丸
「だぁーはっはっはっ!!なんだお前そのカッコ!バカみてぇ!」
「なんじゃと獅子丸!わりゃあアニキをバカ呼ばわりするたぁえぇ度胸じゃけぇのう!」
「あぁ?なんだテメェ、やんのかコラァあぁん?」
バチバチとメンチを切り合う獅子丸と亜犬
「ちょ、獅子丸!阿犬!喧嘩はよくない!よせって!」
「ほうじゃ兄さん!折角のめでたい席なんですけぇ!」
二人を必死に宥める雄吾と吽犬
「へへ~!このチキンもーらいっ!」
「あっ!それ僕の!」
「へへ~ん!早い者勝ちだよ!」
「ズルいよ!返してよ!」
ごちそうをとり合う剛丸と政宗
「コラアンタ達!まだ沢山あるから喧嘩しない!ったくウチの男どもはこれだから…もうっ!」
「全くだ、少しは静かに飯を食えんものか…」
「そうどすか…ほんでもウチはこれはこれで賑やかで楽しおますえ…」
「モグモグ…いや~、今日の飯も旨かばってん!ガッハッハッハ!」
「そうニャンね~!聖奈のご飯はいつも格別ニャン!」
「お主らはいつも呑気よの…」
周りが騒いでいる中マイペースな九威女達に呆れる龍之進
「ハッハッハッ!みんな元気元気!」
「もう父さん!笑い事じゃないってば!」
「あっ!見て見て!雪だよ!ホラ!」
外を見ると雪が舞っていた。
「珍しいな、今年はエライ早いな…」
「イエーイ!雪だぁー!」
雪が降って大はしゃぎの雄吾と獅子丸
「ちょっとアンタ達!もう…子供かっ!」
「うぅ…寒ぅ、私は寒いのどうも苦手だ…」
「あ、そっか…そういやタッツィーだけ毛が少ねぇもんな、『龍』だし…俺のどてら貸そうか?」
「か、かたじけない…」
「ヒャッホーイ!ホワイトクリスマスだぁ!」
百華も外に出てスマホで写真を撮りまくる
「ちょっと百華!アンタそんなカッコで外出たら風邪ひくでしょ!せめて下に何か履きなさい!」
…そんなこんなで、クリスマスの日も相も変わらず騒がしい陽向家であった。
続く




