第十七話 真剣勝負!ヨーカイグリーンVS柳生 十兵衛!!
ここは政宗の通う高校『龍ヶ崎高校』
放課後、政宗は帰ろうとして下駄箱を開けると、一枚の紙切れが入っていた。
紙切れは手紙のようで、こう書かれていた
『陽向 政宗殿、放課後 格技室まで来られたし 剣道部』
と、力のこもった筆使いで書かれていた。
政宗はなんとなく無視しようかと思ったがそれはそれで面倒くさくなりそうな予感がしたので渋々格技室へ向かった。
格技室は校舎から離れた場所にあり、中は畳敷きで剣道部の他に主に柔道部や空手部なども使用している。
格技室に到着する政宗、中へ入るとそこには剣道着を着た剣道部員達が政宗を待ち構えるように立っていた。
「…待っていたぞ、陽向 政宗」
真ん中の坊主頭で一際背の高い部員が口を開く、強烈な威圧感からきっとこの男が部長なのだろうと政宗はすぐ察しがついた。
「…俺を呼んだのはアンタらだな?一体何の用だよ?」
「…陽向 政宗よ、風の噂で聞いた…お前、かなり剣の腕が立つそうだな?」
「あ?まぁな…だったらどうした?」
「フッフッフッ、だったら話は早い…」
部長は不敵な笑みを浮かべる、すると突然
「頼む!お前の力を我が部に貸してくれぇ!」
ものスゴい勢いで土下座をしてきた、部長が土下座したのに合わせて他の部員達も次々土下座していく
「ちょ、ちょっと待て!いきなり剣道部に力を貸せって言われても…話が全然見えねぇよ!責めて訳ぐらい…」
「そ、そうだったな…すまない、ではまず話を聞いてくれ!」
「まぁ、話だけなら…」
「自己紹介が遅れたな、俺は剣道部部長の長谷部、実はな…今度の試合で負けてしまえば、我が部は廃部になってしまうんだ」
「えっ、廃部って…まぁ確かにウチの剣道部って弱小だって噂だったけど…」
「その通り、恥ずかしい話…我々剣道部はここ数年公式戦での成績はあまり芳しいものではない、はっきり言って都内でも最弱だ…それもこれも部長である俺が不甲斐ないばっかりに…」
「部長…」
「それで業を煮やした校長はこれ以上負け続きなようであれば剣道部は廃部にせざるをえないと…」
「へぇ…」
「そして、我々は一週間後に行われる公式戦に全てを賭けて練習し続けた!ところが、ウチの主力選手の内の一人が交通事故で入院してしまい出場メンバーが足りなくなってしまったと言う次第だ」
「ふーん、でもさ…別に俺じゃなくても他にいっぱいいるだろ?」
「それがダメなんだ!なんせ初戦の相手はあの『千石学園』なんだ!」
「千石学園?」
「千石学園は、全国大会にも毎年出場するほどの超強豪校…剣道部だけじゃなく、ありとあらゆる分野のスポーツ部で敵なしと恐れられている高校なんだ、これに対抗する為にはより即戦力となる者が必要、そこで白羽の矢が立ったのがお前なんだ!」
長谷部は政宗の肩を掴み再び懇願する
「だから頼む!この長谷部、一生に一度の頼みだ!我が剣道部をどうか救ってくれぇ!」
必死に懇願する長谷部に対し政宗は
「冗談じゃねぇよ、んなのお断りだね!剣道部がなくなろうが俺の知ったことじゃねぇし、第一助けたとしても俺にはなんの見返りもなさそうだし、それに相手は全国大会の常連なんだろ?大人しく諦めた方が身の為だぜ?」
「そ、そんな殺生な…」
「とにかく、俺はそんなくだらねぇことの為に協力する気はないし、第一俺だって暇じゃないんスよ…そうわけで後は諦めるなり他の助っ人探すなり好きにしてくださいっと…」
無情にも剣道部員達をつけ離して格技室を出ていく政宗
「やれやれ、暑苦しいバカが…あんな暑苦しいのタッツィーだけで十分だっての…」
するとそこへ、一人の少女が
「あ、あの!」
「あ?うおっ!?」
政宗が振り向いた瞬間あまりの少女の美少女ぶりに仰天し、心臓がバクンッ!となった。
「あの、陽向 政宗先輩ですよね?私は剣道部のマネージャーの剣崎さやかと申します」
「剣道部のマネージャー?き、君が?」
「はい、どうか剣道部を救っていただけませんか?」
「あーそれなんだけどよ、俺も色々と忙しくてさ…」
「そ、そんなことおっしゃらずに!どうかこの通りです!お願い、できませんか?」
するとさやかは政宗の手を握って潤んだ瞳で政宗を見つめた
政宗は案の定顔を赤くして有頂天になり、さやかの手を握り返し
「お任せください、この不肖陽向 政宗…必ずやこの剣道部を勝利に導いて差し上げましょう!」
「ホントですか!ありがとうございます!」
「なぁに、これぐらいお安い御用ですよ!ハッハッハッ!」
…翌朝、政宗は朝誰よりも早起きして庭で剣の素振りをしていた。
「297!298!299!300!」
そこへ雄吾と獅子丸が起きてきていつもの日課の朝稽古をしにきた
「ん?ありゃあマサじゃねぇか!なんだ珍しいなこんな朝早くから」
「ホントだな、嵐でも起きたりしてな!ガッハッハッハ!」
「ん?おぉユウ兄と獅子丸か…」
「お前どうしたんだよこんな朝早くから…」
「な、なんでもねぇよ!た、たまたまだ!」
見ると政宗の手の平は血豆だらけで真っ赤になっていた
「おい政宗、お前その手大丈夫か?血豆だらけだぞ?」
「こ、これくらい平気だって!さて、汗かいたからシャワーでも浴びてこようかなぁっと」
そそくさとその場を去る政宗
…そして朝食の時間
「おはよう!」
「おはよう政宗、あら?珍しく早起きじゃない、こりゃ嵐が来るかもね…」
「姉貴までユウ兄達と同じこと言うなよ…それより早く飯くれよ」
「はいはい」
ご飯をよそって政宗に差し出す、政宗は朝食を一気にかきこんで平らげる
「ごっそさん!行ってきます!」
「早っ!もう食べたの!?い、いってらっしゃい!」
政宗が食べ終わって出ていった頃、みんなも起きてきた
「おはよう姉さん」
「お姉ちゃんおはよう」
「おはようございます」
「あれ?マサは?」
「あぁ、政宗だったら今さっきものスゴい勢いでご飯さっさと食べてさっさと学校行っちゃったわよ」
「ほぅ、あの政宗が…そういえば私が朝起きた時にはもう既にいなかったな…」
「あぁ、それにあいつ俺らよりも先に起きて庭で木刀振ってたぜ、一体どういう風の吹き回しだろうな?」
「そうか…政宗の奴、漸く剣士としての自覚が芽生えたというのだな!私は、私はこの日が来るのをどれほど待ったことか…くぅ~!」
政宗の成長に感動して一人涙を流す龍之進
「フゥ…ホントにそうだといいけどねぇ…政宗のことだからなんか裏があると思うとアタシは思うけどね…」
…学校にて、剣道部の朝稽古に参加する政宗
「…ぐわっ!」
「い、一本っ!」
「よっしゃ!さぁ次どんどん来い!」
「次お願いします!」
気合いを入れて稽古に励む政宗、その様子を熱い眼差しで見る長谷部部長
(…何という凄まじい気迫、間違いない!彼こそが正に剣道の神が我らに授けて下さった千年に一人の神童だ!くぅ~!俺は、俺は今猛烈に感動しているぞ陽向 政宗!)
政宗に多大な期待を寄せる部長、だが政宗自身の思いは…
(絶対に勝ってやる!絶対に勝って、そんでさやかちゃんのハートをゲットしてやるぜ!)
{~政宗の妄想~}
『優勝は…龍ヶ崎高校!』
『やったぜぇ!』
『政宗先輩!ありがとうございます!優勝できたのも全て政宗先輩のおかげです!』
『フッ、止せよ…俺は大したことなど何もしてないさ…』
『…あの、先輩の闘う姿とてもカッコ良かったです!どうか私を先輩の彼女にしてください!』
『フン、まぁ…そこ言うのなら付き合ってやってもいいぜ』
『ホントですか?嬉しい~!』
『ハッハッハッ!ハーッハッハッハ!!』
(へへ、ヘヘヘ…うぉぉぉ!!俄然燃えてきたぁ!何が何でも優勝してやらぁ!)
…一方その頃、陰丸一族の屋敷では
「…果心居士に続き近藤までもが落ちたか…己ぇ陽向一族め、悉く我らをコケにしおって!」
陽向一族への怒りに奮える織田 信長
「ふぅ、陰丸七人衆もあまり大したことないわね…」
「何をこの小娘!」
「あら?私はホントのことを言ったまでよ?悔しかったら奴らをさっさと叩きのめしてやりなさい!」
「生意気な…おい!誰かおらぬか!」
「お呼びでしょうか、信長殿…」
そこへ現れたのは柳生 十兵衛だった。
「次は貴様が行け!陽向一族のガキ共を一人残らず捻り潰すのだ!」
「ハッ!」
…そして試合当日、政宗から試合のことを聞いた陽向家も総出で政宗の応援に来ていた。
「なるほど、この日の為に特訓していたわけか…我が息子ながらやるではないか!」
「にしてもスゴい人だな、これ多分ほとんど対戦相手の学校の方の観客だよね」
「千石学園…都内の中でもかなり部活動の盛んな学校で中でも剣道部はこの数年負け知らずで全国大会でも何回も優勝してる名門校よ…そりゃギャラリーもこれだけ集まるわよねぇ…」
「そんな強い所と戦うんだ…マサ達大丈夫かな?」
「いや、政宗殿ならきっと勝てる!政宗殿に剣を握らせれば右に出る者など早々いるはずもありませぬ!信じて応援しましょうぞ!」
「そうだよ!マー君強いもん!モモカも絶対勝つって信じる!」
「百華、雷童丸…そうだよな!よし!そうと決まったら俺達も張り切って応援するぞ!」
「おー!」
『ただいまより、龍ヶ崎高校と千石学園高校の試合を開始致します』
「おっ、始まるみたいだな!」
中央に集まる両校の選手達
「それではこれより!龍ヶ崎高校 対 千石学園高校の試合を始める!ではお互いに、礼!」
「よろしくお願いします!!」
試合が始まる
今回の試合は『先鋒』『次鋒』『副将』『大将』の四人で行う四番勝負、ちなみに政宗は三番目の副将である。
…試合は進み、龍ヶ崎高校は先鋒、次鋒と続き千石学園にコテンパンにされもう後がない状態となってしまった。
「…一本!それまで!」
「くそー!負けた!」
「心配すんな、俺が必ず取り返してやる!」
「分かっているな陽向…もう後がないんだ、とにかく勝ってくれ!」
「もちろんッスよ」
「…では、続いて副将!前へ!」
面をつけて颯爽と前へ出る政宗
「あっ!マー君出てきたよ!」
「よっしゃ!じゃあ張り切って応援するぞ!マサー!頑張れー!」
「マサー!ファイトー!」
「政宗ー!負けんじゃないわよー!」
「政宗殿ー!頑張って下され!」
竹刀を構える政宗、その横のベンチでマネージャーのさやかが勝利を祈っている。
(さやかちゃん、見ていてくれ…俺は絶対、君の為に…勝つっ!!)
「それでは副将戦、始めっ!」
試合開始の合図と共に政宗は相手選手に突っ込んでいき、怒濤の攻めを見せる。
「ぐっ!」
「な、なんだあれは!?」
「まさか、あんなスゴい男があんな弱小高校にいたなんて…」
政宗のあまりの気迫と怒濤の攻めに釘付けになる千石学園の選手達
一方で防戦一方だった政宗の対戦相手は
「この、弱小龍ヶ崎ごときが…調子に乗るな!」
政宗の攻撃を跳ね返し反撃に出る、政宗も果敢に相手選手と張り合っていく。
「うぉぉぉ!!」
「ぬぉぉぉぉ!!」
一歩も譲らない激しいつばぜり合いが繰り広げられている。
すると、その時だった…
「陽向一族はおらぬかぁ!!」
突如、会場の扉を斬り壊して陰丸七人衆の柳生 十兵衛が乱入してきた。
「あいつはっ!」
「陰丸一族!」
「奴は確か、柳生 十兵衛!」
「いくわよアンタ達!父さんは観客の人達の避難をお願い!」
「よし来た!任せろ!」
観客の避難を虎三郎に任せて政宗の下へ集まる一同
「みんな!」
「マー君、これ!」
「あぁ!」
政宗に霊斬刀とマガ魂を渡す
「いざ、尋常に勝負なり!陽向一族!」
「望む所だ!みんな、いくぞ!」
「おう!」
「『霊獣転生』!!」
「『雷獣転生』!!」
「『猛る若獅子!ヨーカイレッド!』」
「『瞬神の猫又!ヨーカイブルー!』」
「『剛力の鬼熊!ヨーカイイエロー!』」
「『天昇の龍!ヨーカイグリーン!』」
「『魅惑の九尾!ヨーカイピンク!』」
「『正義の稲妻!ヨーカイジャスティス!』」
「『霊獣戦隊!ヨーカイジャー!!』」
「陽向一族の名の下に、悪しき魂を浄化する!」
「正義の名の下に、沈め!」
「ゆけ!カゲオニ共!」
カゲオニ軍団を呼び出し、ヨーカイジャーに仕向ける。
「行くぞ!」
バッタバッタとカゲオニ軍団を倒していく
と、そこへゴウズとメイズが現れて
「ウッシッシッ!今日こそは仕留めてやるぜヨーカイジャー共ぉ!」
「ホッホッホッ、覚悟しなさい!」
「また厄介なのが出てきたな…」
ゴウズ&メイズと対峙するヨーカイジャー
「マサ!こいつは俺達が相手する!お前は十兵衛を頼む!」
「あぁ!任せろ!」
「フン、貴様のような小童が相手か…貴様ごとき、私の足下にも及ばぬわ!」
「言ってろアホが!後悔しても知らねぇからな!」
十兵衛に果敢に斬りかかるグリーン、十兵衛は獣人化しグリーンの攻撃を全ていなしていく。
「ふむ、確かに言うだけあって筋は悪くない…だが、甘い!」
「ぐわっ!」
十兵衛に吹っ飛ばされ変身が解除される
「マサ!不味いな…マサ!こいつを…」
政宗に『四神マガ魂』を投げ渡そうとするレッド
「余所見をする暇はありませんよ!」
メイズに四神マガ魂を奪われてしまう
「しまった!返せ!」
「さぁ十兵衛!さっさとトドメを指してあげなさい!」
「フッフッフッ、そう言うことだ…さらばだ小僧」
「チッ…」
「政宗!」
「マサ!」
「マー君!」
「政宗殿!」
「死ねぇ!」
政宗に刀を振り下ろす
すると政宗は斬られる寸前に素早く霊斬刀を拾い上げ、目にも止まらぬ早さで十兵衛を斬りつけた。
「がっ!」
「なっ!?」
「ま、政宗…?」
見ると政宗の目つきは鋭い目つきに変わっており、全身から凄まじい気迫が溢れ出ていた。
「こ、この小童ごときが…この私に傷をつけるとは!」
「言ったろ?後悔しても知らねぇって…」
「『龍・マガ魂!いよぉぉぉ!!』」
「『霊獣転生』!」
変身するや否やグリーンはまた素早い動きでメイズの所まで近づき四神マガ魂を目にも止まらぬ早さで奪い取った
「なっ!?いつの間に!?」
「『四神・マガ魂!うぉぉぉ!!』」
「『四神転生』!」
ゴッド・ヨーカイグリーンに変身する
「勝負だ…柳生 十兵衛!」
「己ぇ小癪な…」
激しく剣を交える両者
「なっ!?バカな!さっきまでの軟弱な剣筋とはまるで違う!」
「ほらほら、そんなもんかよ!」
「くっ!ナメるなぁ!」
段々と激しさを増していく
「この!」
十兵衛が刀を上段に降りかぶった隙を突いて十兵衛の胴体を斬りつけるグリーン
「これで終わりにしてやる!『奥義!無双剣舞・四神鋭斬』!!」
四神の力でパワーアップした必殺技で一気に斬り裂く
「ぐぁぁぁぁ!!ふ、不覚…」
その場に倒れる十兵衛
「おやおや、やられてしまいましたか…ゴウズ!」
「おうよ!『消え行かんとする魂よ、今ここに汝に再び命の灯を点し大いなる力を汝に授けん』!うらぁぁぁ!!」
倒れている十兵衛を大槌で力一杯叩く、すると十兵衛は巨大化して復活した。
「では、後は頼みましたよ!」
去っていくゴウズとメイズ
「…あれ?俺は一体…」
「政宗?あんたまさか…覚えてないの?」
「あぁ…なんか、途中から無意識で戦ってたっぽい…」
「ウソでしょ?まさかそんなことが…」
「きっと政宗殿の中に眠る剣士の本能が覚醒したのであろう…」
「んー…なんかよく分かんねぇな」
「って、そんな呑気に話してる場合じゃない!早くあいつを止めないと!」
「あっ!そうだった!」
「獅子丸!来い!」
「阿犬!吽犬!」
『よっしゃ!暴れるぜぇ!』
『いくでぇ!吽犬!』
『はいな兄さん!』
「『霊獣合体』!!」
「『雷獣合体』!!」
「『完成!ヨーカイオー!!』」
「『完成!ライジュウオー!!』」
「今度こそ貴様らを刀の錆びにしてくれる!」
「やられてたまるかよ!」
巨大十兵衛と対峙する
「そらそらぁ!」
『させぬ!』
十兵衛の剣撃を結界のシールドでガードするライジュウオー
『ハッハッハッ!どうじゃあ!斬れるもんなら斬ってみろ!』
「己ぇ!」
『そぉら!』
そのままシールドで押し返す
「うわっ!」
『雄吾殿!』
「おう!はぁぁぁ!」
怯んだ隙を突いて十兵衛に強烈なキックをお見舞いするヨーカイオー
「ぐわっ!」
「トドメだ!」
「必殺!『ヨーカイオー・フルブラストスクリーム』!!」
「『ライジュウオー・ライジングキャノン』!!」
「ぐぁぁぁぁ!!む、無念!!」
爆発して消滅する
…その後、日を改めて試合は行われて政宗達は見事千石学園に勝利することができた。
「や、やったぞ!まさかあの千石学園に勝てたなんて…それもこれも全てお前のおかげだ!陽向!」
「いや、俺なんて別に大したこと…」
「政宗先輩!とてもカッコ良かったです!」
「さ、さやかちゃん!あ、ありがとう…あっ、あのささやかちゃん!実はさ、今日の試合…君の為に頑張ったんだ」
「…えっ?」
「もしこの試合で千石学園に勝つことができたら君に告白しようと思ってたんだ!俺は、さやかちゃんのことが好きだ!」
「政宗先輩…ごめんなさい!私、他に好きな人がいるんです!」
「えっ!?そ、それって…」
「………」
恥ずかしそうに長谷部部長に視線を送るさやか
「えっ!?お、俺?」
「…はい」
「ガーンっ!!」
ショックを受けて固まる政宗
「ま、まぁ陽向!また次の試合の一緒に頑張ろうではないか!」
「………」
「ひ、陽向?」
「…うぅ、もう剣道部なんか俺の知ったことかよぉ!お前らなんかさっさと負けて廃部にでもなっちまえばいいんだよバカヤロー!特にクソ部長!てめぇなんか大嫌いだバーカバーカバーカ!!」
泣きながら走り去っていく政宗
「陽向!?どこへ行くんだ!待ってくれ!陽向ー!」
続く




