銀河の警察24時:流星刑事シーズーの場合その1
所変わって、ここは火星。
地球のお隣とはいいつつも遠く赤い星、テラフォーミングも遙か昔に終わり今では地球と変わらない。
そんな火星にある都市ダイモス、オフィス街の一角に埋もれた古めかしい洋館。
門柱についている看板には、超常現象研究室兼資料館と書かれていた。
扉を開けて入り口すぐ右の受付の部屋、受付嬢だろうか?
額に青く輝くレンズが埋まった、紫色のボブカットのボブカットに白い肌。
全体的に見て、トランジスタグラマーな白衣の美少女が新聞を読んでいた。
「学園惑星大運動会にて流星刑事アフガン大暴れ、相変わらずね教官。」
アフガンことアントニオを教官と呼ぶこの少女。
実は飛び級で銀河警察軍団大学を卒業した才女だ。
流星刑事シーズーのコードネームを持ち、現在はこの資料館の館長。
肩書は、超常現象捜査官。
名前を、アリス・アーミテッジと言った。
「今の時代、超能力や魔法もただの技術だけど世の中に不思議は不滅だわ。」
アリスが新聞を見ながら探しているのは、怪奇事件のニュース。
超能力に優れた種族、レンズ星人の彼女は好奇心旺盛であった。
「私は不思議な事が好き、いつか全宇宙の不思議を探しに行きたい♪」
そう公言してはばからない彼女は、学生時代から浮いていた。
友達と言えば姉のように慕うリゼッタ、大きい弟のような槍太。
当時教官をしていたアントニオから問題児扱いされていた。
アリスは各地で事件を解決し、功績を上げると火星にこの部署を立ち上げた。
「論文は終わり、次のフィールドワークに行くには予算が欲しいわね。」
犯罪を追うよりも研究者肌な彼女は金欠だった。