銀河の警察24時:流星刑事アフガンの場合その1
・・・・・・俺の名はアントニオ、アントニオ・ストロング。
銀河の平和を守る流星刑事だ、コードネームはアフガン。
・・・・・・人は俺を、『戦場の鬼』流星刑事アフガンと呼ぶ。
赤き大地の惑星ポーラ
この星には銀河中のセレブやVIPの子息達が通う巨大学園。
その名を『ユニオンアカデミア』が存在していた。
この学園は、惑星そのものを学園が所有し四方を北から時計回りに大学院と大学。
ついで、高校、中学、小学校と幼稚園を配置した学園惑星だ。
スクールガード法という法律で、全ての教育施設に警察と軍隊と消防を配置。
その為にセキュリティは頑丈だった。
そんな学園惑星の西側区画で、話は進む。
小学校と幼稚園の防犯と治安維持を担うGUPCポーラ西部署。
戦闘機や戦車がいつでも出撃できるモスボール状態の滑走路や格納庫群から
警察署というよりは軍事基地のありさまである。
そんな署内のグランドを走る集団がいた、彼らは西部署の捜査官達である。
先頭をホイッスルを吹きながら走るのが、たなびく金髪に頭頂部の一対の角。
端正な顔立ちとヘラクレスの筋肉を纏った体に目が行く深紅の肌の巨漢。
彼こそが、アントニオ・ストロングこと流星刑事アフガンであった。
「全体、止まれ!!」
彼の号令で、集団が止まる。
そして、アントニオ以外の捜査官や職員がばてて座り込む。
「おいおい、ハード過ぎじゃろ?」
初老の黒人男性、ウィリアム署長がぼやく。
「署長もまだまだお若いですよ。」
アントニオがほめると、座り込んだ署長が笑う。
「惑星総参加の運動会は来週末です、今年こそ優勝でしょ?」
アントニオが手を差し伸べて、署長を立たせる。
そう、この惑星には年に4回の大イベントが行われる。
その一つが惑星総参加の春の運動会だ。
アントニオは選手兼トレーナーとして、選抜チームを鍛えるべく走らせていた。
「・・・・・な、何で私が選抜メンバーに!!」
愚痴るのは、メガネに金髪のボブカットが特徴なアラフォー美女キャシー。
事務局のお局様もランニングには勝てないらしい。
比較的早く立ち上がったのは、アジア系の青年メカニックのチャン。
「まったく、こんなの訓練生時代の罰則以来のランニングだよ。」
チャンも運動は好きではない口らしい。
彼ら4人が選抜メンバーである、挑む競技は銀河4種。
銀河4種とは4人一組で、ポッドレース、光線剣格闘、射撃、宇宙遊泳。
と言う4種目に挑み成績を競う競技だ。
メンバー選抜は、完全にランダムなので当たったら不運としか言いようがない。
アントニオ以外は疲れながら解散していくメンバー達。
この時はまだ、事件も起こらず平和であった。




