銀河の警察24時:流星刑事ボルゾイの場合その2
パープルボーイのパイルバンカーが迫る寸前っ!!
ボルゾイは右足裏のブースターを噴かせ、後ろへ跳びつつ
パープルボーイの手下の死体を左足でパープルボーイへ蹴り飛ばす!!
「何っ!!」
驚くパープルボーイ、彼の獲物が貫いたのは手下の死体だった。
「貫かれるのはお前の方だっ!!」
構えを中段に変えたボルゾイのコスモブレードが、青く光輝く!!
そして、背中と両脚のブースターを噴かせ突進しパープルボーイの心臓を貫く。
「・・・・・がはっ!!死体を蹴り飛ばすとは外道・・・・・なっ!!」
パープルボーイの瞳から光が消えると同時に、宇宙ステーションの中心。
管制室だった場所から爆発音が響く!!
「・・・・・死なばもろともで、自爆する奴に言われたくないっ!!」
ボルゾイはそう言って、大急ぎでブースターを噴かして逃げ出す。
自分が襲撃を掛ける時に使ったドリル付き戦車型宇宙船、グランパスへと向かう。
からくも脱出して宇宙を駆けるグランパスの背後。
かつて宇宙ステーションだった物が大爆発を起こして消えた。
後日、地球にあるGUPCの本部の一室。
流星刑事ボルゾイこと、山本槍太18歳は直立不動の姿勢でかしこまっていた。
ソフトモヒカンの黒髪、まだあどけなさが残るも精悍な顔付きの青年は
顔だけでなく服の下も冷や汗だらだらであった。
事務机に座り彼と対するは、金髪の縦ロール青い瞳に白い肌。
バストサイズは爆発的豊満な美少女。
リゼッタ・エーデルワイス管理官、槍太にとって同期であり今の上司。
そして何より、彼にとって最愛の恋人であった。
「・・・・・宇宙ステーションを奪還して、犯人を逮捕する命令が。」
だが、そのリゼッタの機嫌は悪かった。
槍太が言い訳を口に出そうとした時!!
「何で犯人一味も宇宙ステーションもろとも爆発と消滅なんですのっ!!」
本来は温和でおっとりしたお嬢様なリゼッタの怒りが爆発した。
「・・・・・犯人一味との戦闘はしかたなく。」
槍太が言い訳を始める。
リゼッタの視線は冷たいままだ、眉間にしわが出てる。
「ステーションの件は犯人の生命が停止したら自爆するとは想定外で。」
弁明を続ける槍太、だがリゼッタの眉間のしわが深くなる。
「またですのっ!!犯人の自爆には注意してと言ったじゃない!!」
リゼッタの爆発2回目であった。
「だから爆発オチのボルゾイなんて不名誉なあだ名が広まるんですのよっ!!」
リゼッタの爆発は3回目に達した。
流星刑事ボルゾイ、彼のあだ名は爆発オチのボルゾイ。
悪党の退治率は高いが、検挙率は低い問題児だった。
彼が関わった事件は、ほぼ必ず爆発して終わる。
そして上司であるリゼッタに怒られる。
これは、GUPCの夫婦漫才として名物風景となっていた。
お説教が終わった後も、リゼッタが言葉を続ける。
「ソータ、私と貴方の分の長期休暇の届けを出しました。」
リゼッタが落ち着きつつむすっとした顔で槍太に告げる。
槍太が異論を唱えようとする間もなく
「暫く私に付き合いなさい!!」
リゼッタが立ち上がり、槍太と自分の手を手錠でつないだ。
「・・・・・え、た、た~助けて~~~っ!!」
周囲の仲間達に助けを求めるも、無視されてリゼッタに強制連行される槍太。
爆発オチのボルゾイ、今回はリア充が爆発とオチがついた。
この休暇において、リゼッタと槍太との間に子供が授かる。
その責任を取った槍太がリゼッタの家に婿養子となり
彼女の故郷に駐在官として人事異動するのは後のお話。