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遅刻はもうゴメンだよ

 ピーピーピーピー………


「ん………もう朝か……」


 目覚ましの音に六月はまぶたを開いた。カーテンからは朝日が差し込んでおり顔を僅かに照らしていた。



「ふぅ……今日は迷わないようにしないとな。」



 昨日のようにまた迷子になったら今度こそ先生に殺される。そうならないためにも、余裕を持てるように、素早く学校へ行く準備をした。


「いってきまーす。」


 誰もいない自分の部屋に挨拶をして、後にした。



 六月の住む寮から学校まではそこそこ距離があるため、モノレールを使っているのだ。

 現在六月は、駅でモノレールがつくのを待っている。特にすることはないのでスマホを使いトゥイッターを開いていた。


「へぇ〜、アースクレイバー社がモルモットに能力付与させることを成功ね……。」



 ここ異能都市エデンでは能力保有者アビリティホルダーと呼ばれる異能を使える人間が100万人以上はいる。

 エデンではその能力保有者アビリティホルダーの能力を解析し新たな発見をすることを目的としている。

 日本は急速な過疎化により荒廃地が目立ってきた。そこを再開拓してできたのが異能都市エデン。独立行政地区として指定されている。



「おはよう〜!!むつき!」


 不意に誰かに呼ばれた。後ろを振り向くとそこには銀髪の女性がニッコリと笑って六月を見ていた。


「おお、おはようシルフィ。」


 昨日六月と2人校内を迷子になっていたシルフィであった。シルフィの住む寮も学校からは遠いので同じくモノレールを使う。



「今日は大丈夫よね!?昨日散々迷ったし。」


「そうだな。もう大丈夫だろう。」



 もし迷ったとしても今は通勤ラッシュの時間。ということは、同じ学校生徒がいるということだ。

 その人たちについていけば、迷うことはまずない。

 そして、ホームにモノレールがきた。


「さて、行くか!」



 六月がそう言うとふたりは勢いよく乗り込んでいった。





 2人はモノレールに乗ったのち歩いて学校までいった。

 六月たちの通う学校 東郷大学付属東郷高校とうごうだいがくふぞくとうごうこうこうである。

 敷地面積東京ドーム12個ほどの大きさであり、エデンにおいて有数のマンモス校でもあるのだ。

 当然この学校には、能力保有者アビリティホルダーも在籍している。

 能力保有者アビリティホルダーは能力や戦闘力から「ステージ」というもので、ランク分けがされている。




 ステージ0 これは一般人をあらわす。

 ステージ1 一般的な能力保有者のことをあらわす。能力の規模は小さい。

 ステージ2 研究を進め己の能力を高めた能力保有者のことをあらわす。エデンの能力保有者アビリティホルダーの中で最も数が多い。

 ステージ3 さらに研究を進め独自性のある能力をもつ能力保有者のことをあらわす。

 ステージ4 すべてにおいて別格であり、ここに到達できる人間は現在11人だけしかいない。


 ちなみに六月は検査上は、能力なしの一般人である。検査上・・・は……





「ここが1年8組か……友達できるかな…」


「そうだよね。私達昨日、結局来てないからね。」



 1年8組の教室に入ってみたはいいものの、ほかの生徒は「こいつら誰?」みたいな顔をしている。

 こんな顔をされるととても入りにくい。とりあえず自分の席を見つけて座った。


「よう!はじめましてだな。初日遅刻者!」ニコ


 突然隣の席の男子生徒に六月は話しかけられた。その生徒は、2枚目のような顔をしているが、話しかけ方は3枚目のようだ。



「あ、あぁ…まぁ色々あってな。君の名前は?」


「俺か?俺の名前は志藤裕二しどうゆうじだ!よろしくな!!えっと…」


「俺は神代六月かみしろむつきよろしくな志藤。」


「おう、よろしくな六月!俺のことは裕二でいいぞ。」



 裕二と挨拶をかわした六月は、ふとシルフィの方を見た。すると、彼女は彼女で大勢の人に囲まれていた。

 それに気づいたシルフィは六月助けを求めるような目をしたが、流石に人が多すぎて無理だと思い、首を横に振った。


「そ、そんな〜〜!助けてよ〜!六月〜!!」



 彼女の悲痛な叫び声は野次馬にかき消されてしまった。





「おーい、席につけ。HRの時間だ。」


 1年8組担任の宇崎神音先生が教室に入ってきた。

 こうして今度こそ新しい学校生活が始まったのだ。




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