異能都市エデン
異能が認められた世界での話です。
異能……常人では不可能なことを可能にする能力。
空想やファンタジーでよく目にするであるだろう…。この世界ではその異能というものが現実に存在し認められている世界。
現在では「異能都市エデン」において研究が進められている。
ここに1人の少年がいる。名は神代六月。歳は15歳。
この者がこの世界においてなにを行うのか?我々はそれを見るとしよう。
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「全く……なんでこの学校は広いんだよ!完全に迷子になっちまった!!!!!!」
少年は1人校舎の中で悲痛に叫んでいた。どうやら、迷子になったらしい。今日は入学して最初の授業があるというものの、自分のクラスがどこにあるかも分からず途方にくれていたのだ。
もうすぐ一時間目が始まってしまう。わかってはいるのだが教室が多すぎて全くわからない。
「あぁ……ありえねぇ…。初日から大遅刻じゃねぇかよ!」
あっちこっち探してみるものの教室を見つけるどころか、まず、人すらいない。おそらくここ辺りの教室は使われていない多目的教室なのだろう。
「頼む…お願いだから……誰か助けてくれぇ!!」
「どうしたの?」
背後から突然呼ばれた。その瞬間六月は安堵に包まれた。迷子になってはや一時間ようやく人に会うことができた。
銀色のロングヘアーで整った顔立ちだった。胸もなかなかありこの学校の制服を着ていた。
「1年8組の教室はどこか知らないか?」
「もしかして同じクラスの人なの!?よかった!やっと会えた!
実は私も道に迷ってたの。」
(うん?可笑しいな…俺の聞き間違えだったか?今、私も迷子だったのって…)
何か引っかかる部分があったため、もう1度確認することにした。
「もしかして、君も迷子なの?」
「もちろん!この学校広いから〜迷っちゃった!!えへへ。」
全く笑えない。人に出会えたとはいえ結局自分と同じ状況の人間にあっただけであって何も解決していない。
むしろ厄介事が増えたような気がした。だが、同じ境遇である以上協力した方がいいのだろう。
「君名前は?」
「私?私はシルフローラ・セラフィム。国籍は一応日本だよ!
よろしくね!!因みに、私のことはシルフィって呼んでね。」
彼女が元気よく六月に向かって挨拶をしてきた。しかし国籍日本というのは驚いた。父親が日本人なのだろうか?今は考えるのはやめておこう。
六月もそれに応えて挨拶をした。
「俺は神代六月国籍は君と同じく日本だ。よろしく頼むよ。」
「うん!よろしくね六月!」
こうして2人は挨拶をし終わり、さっそく自分たちの教室を探すことにした。今、六月たちがいるところは5棟であり、彼らの教室が存在するのは2棟である。
したがって棟を移動しない限り一生辿りつくことはないのだ。
「あ、ここに地図があるわよ!」
シルフィがどうやら地図を見つけたらしい。そのことを聞くと六月はダッシュしてすぐに駆け寄ってきた。
「よし!これでやっと辿り着ける!」
「えっとね、今私たちがいるのが5棟だから教室はに2棟にあるわ!」
「ええ!俺たちこんなところにいたのかよ…。」
地図を見て自分たちが今どこにいるかをようやく把握した。
それと同時に自分の方向音痴さというものを嘆く結果にもなってしまった。
だが、もはや一刻の猶予もない。このままで自分の学校生活すべてがお先に真っ暗になってしまう。
それだけは、どうしても避けたかった。
「急ぐぞ!シルフィ!!」
「そうだね!」
2人は急いで2棟の自分たちの教室へと向かっていった。
「おい………お前たち。どうしてここで、正座させられているか分かるか?」
現在2人は、先ほどまで迷っていた5棟の多目的教室にて担任の教師に説教を受けていた。2人は正座をさせられて、その前には机の椅子に座り脚をクロスさせている女性つまり、2人の担任の宇崎神音がいた。
(やっぱりこうなったか……仕方ないよな…うん…)
「聞いているんだよ。なんで遅れたかを」
カンカンに彼女は怒っており反射した眼鏡の奥の瞳は2人を蔑むようで見ていた。
「「本当に申し訳ございません……」」
「「本当に申し訳ございません……」」
2人でとにかく宇崎先生に謝った。そうしなければ殺されるかも知れない!反射的にそう感じた。彼女の眼力はそれほど強かった。
「今回は優しい私に免じて許すが…次は知らんぞ?」ギロッ!
「「は、はい!!」」
同時に返事した2人を見て宇崎先生は、さっきまで鬼のような顔をしていたが、徐々に緩んできた。
「じゃあ、お前たちが欠席した今日の授業で言ったことをお前達にも伝えておく。しっかり聞くように。」
「「了解です!」」
段々2人の返事するタイミングが息ピッタリになってきた。それを2人は面白くも感じていた。
だが、今は話を聞くことに集中した。じゃなければ殺される……
「この学校いや、この都市はお前達のような異能を持つ人間能力保有者の能力を解析し研究していく都市
通称「 異能都市エデン 」だ。
学生がやることは、勉学そして自らの能力の分析そして新たな発見をして、社会に貢献をしていくことだ!わかったな?」
そう、彼女が言ったようにここは能力保有者と呼ばれる人間が住む都市である。
そのことからここは異能保有者にとって住みやすい環境であることから「異能都市エデン」と呼ばれているのだ。
能力保有者は全員学生であり、年長の能力保有者でも20歳である。
これには理由がある。そもそも能力保有者が生まれたきっかけは、20年前におきた。超常現象 神光と呼ばれる光が、空から地上を照らしたことが原因であると科学者は言う。
神光に被爆した両親から産まれた子供 、 それが能力保有者である。
特に神光が強く降り注いだ日本では、他の国と比べて能力保有者の数がかなり多い。
現在確認できるところでは、およそ1200万人の人間が能力保有者である。
「先生に質問です。何故能力保有者ではない学生もいるのですか?」
話を聞いていたシルフィが宇崎先生に対して疑問をなげかけた。
シルフィの言う通りエデンには普通の学生もいる、彼は一体何をするのか? それが不思議であった。
「一般生徒がここにいる理由か?それは、能力保有者が社会に出た際に一般人ともすぐにとけ込めるようにするためだ。ここはそういう試験的な場も兼ねているのさ。」
なるほど……確かに納得がいく。能力保有者だらけであれば、多分社会に適応できない。
だからこそエデンにおいて一般生徒というのは貴重な資源のようなものでもあった。
「他に質問はないか?ないなら今日はこれで終わりにするぞ?」
「「特にありません」」
またユニオンした。今日あったばかりであるが息がぴったり揃うほど彼らは仲良くなったとも言えるだろう。
「じゃあ今日はこれで終わりとしよう。気をつけて帰りなさい。」
そう言うとさっさと宇崎先生は教室から出て行ってしまった。
「じゃあ帰るか?」
「そうだね〜。帰ろう!」
2人も後に続いて教室を後にしていった。
帰り道2人はお互いのことについて語りあっていた。
「六月はお父さんとお母さんはどこにいるの?やっぱりここにいるの?」
「いや、母さんはここの研究員で科学者なんだが、親父はどっかに失踪したんだよ……。」
(もしかして聞いちゃいけないこと聞いちゃったのかしら!?)
少し後悔をしてしまったシルフィである。
「シルフィは、お父さんかお母さんが外国人なのか?」
「うちはね色々あってね、親がいないの。」
「え?」
自分と似た境遇であることに驚いた。
六月も母がいたとはいえ、ほとんど仕事で家にはいなかったのである。つまり親がいないも同然であった。
「そうだったのか…ごめんな変なこと聞いて」
「いいの。私も嫌なこと思い出させちゃったでしよ?」
「いや、そんなことはないよ。ただ俺たち似たもの同士だなって。」
「本当ね!息ピッタリだったしいい友達になれそうだわ。」
2人はそう言うとガッチリと互いの手を握り友情の握手を交わした。
そして話していると、寮についた。
「じゃあ俺こっちだから、また明日な!シルフィ!」
「また明日ね!六月!」
2人は別れると自分たちの暮らす寮へと入っていった。