事件の幕開け
スミマセン。色々ゴタゴタしておりまして遅れました。
満月の夜、桜舞散る公園に艶やかな長い黒髪を風に遊ばせる一人の女がいた。
少女と呼ぶには少々大人びたその女は、それはそれは艶やかに微笑んでいた。その微笑みは美しく、見るもの全てを虜にしてしまいそうなほどである…
黒ずくめの格好をした男の頭を踏みつけていることを除けば。
「零士、そろそろ現実逃避は止めなさい。そんな事をしていても現実は変わらないわよ?」
「させてる本人が言うなよ! いきなり真夜中に呼び出されて来たらこれだぞ⁉ どう考えてもおかしいだろ! 現実逃避くらいするわ!」
その女の正体は俺の双子の姉、美紅だった。
「零士、口調がもとにもどってるわよ?」
…そうさせた元凶に言われたかねぇよ、と思わなくもないがここは素直に直すのが吉だろう
という訳で、
「そうさせた元凶が言うなよ~。」
素直に直しましたよ~。
「それで? 用件何なんだよ~」
「ふふ、それはね、」
おいおい、マジかよ…!美紅が話した内容は要約するとこうだった。
1霞家のお屋敷の周りに不審人物がいたので観察、尾行しているとここに移動した
2捕まえて話を聞く(方法は…知らぬが仏だ。)とこいつの主は天童寺伊吹という政治家で、霞家当主喜一郎さまを邪魔に思っており、暗殺を計画している
3それをさせないために天童寺家を潰せ。
以上。いやぁ、喜一郎さまを狙う不届きものには相応の罰を与えないとなぁ。クックックッ
その横で
(わが弟ながら、将来が心配だわ)
自分の事を棚にあげて思う姉がいた。
主人公、素の方が書きやすいです。