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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

もし1㍉も乙女ゲーを知らないアタシが悪堕ち転生をしちゃったら?

乙女ゲーム、中身の人はやった事がない。

どうもティルフローズと言うらしいです。

ん、・・・あれ?

アタシってそんな名前だった?

言われたらそうだった気もするし違うよーな気もする、なんだろね?


深く考えない事にした方が良いと思ったんで、思考停止。



改めて自己紹介をさせて下さい。

ティルフローズ・ルヴェ=ゾ・マリュー・ヴェロゼヴァン、11歳。もとい、ティルフローズ・ルヴェ=ゾ・ディボタルタ、11歳。


ええ、旦那様を戴いたらしいです。

そうですねー、体の良い厄介払いとかかも知れません。

アタシって女ばかり14人も居る内のお姫様の一人だったぽいってのも・・・今目の前の禿げ散らかした旦那様から何故か、恨みがましい瞳で見られながら説明を受けてますぞ。


え・・・えーーー?

ナンテコッタイっ!


この禿げ面どっかで見たと思ったら、必死な顔でアタシに乙女ゲームを布教して来た同級生の家で見・・・た・・・ん?


同級生ですと?

あれあれー、おかしいぞー?

何この、内側から自身が書き換えられてく感覚。

コレは一帯全体なあに?

誰か、・・・ねえ教えてよ・・・。


やがて不思議な薬を飲まされた様な気分のアタシは全てを思い出し、そうなった経緯をなんと無〜く悟るのだけれど。


ちょっと神様、いいかしら?

てめ!面貸せや!あん?

そうだな、そうだよな・・・

ああ、可哀想なリズ。


ん?リズってのはティルフローズの極近しい人らからの愛称ですよ?


神様よ?リズ・・・アタシが何かてめぇにしたのか?

じゃ、なんで・・・11なんて若さで20以上年の離れた無能の産業廃棄物みたいな禿げ面と結婚なんてなるんだよ。


ん?確かに。

家柄は公爵だから申し分無い・・・んな訳あるかぁー!

周り見てみろ、見渡す限りの荒れ地と山と森だぞ!


蝶よ、華よと育てられたリズはこんなドが付く何の価値も無さそうな田舎に嫁がないといけない上に、年も全く違う禿げ面と一生涯添い遂げなきゃいけないってよー、どんな罰ゲームなんだよ?ハードモード過ぎんだろ〜。


ド田舎だとしてもだ。

せめて年の頃も同じような王子様に嫁げてたら・・・アタシって人格はひょっこり顔を出す事も無かったんじゃないの?違うか?


前世です、はい。

アタシって人格はティルフローズの前世なんだと思う。

いつ、どのような死に方をして、ティルフローズと言うお姫様に転生して今の今まで、大人しく眠ってたのかまでは思い出せない。


ヴェロゼヴァン帝国・皇帝、ヴァロヴェス5世の12番目の娘としてティルフローズは生まれた。

うん、それは耳にタコが出来るくらい聞かされた事だ。

下世話な侍女達はアタシが形成され、書き換えられる前のリズに繰り返し繰り返し何度も何度でも子供に愚痴を洩らしてもとばっちりは喰わないと思って、正妃つまり、リズとアタシのコレ、この体の母親と側室達の悪口をあーだこーだ話して聞かせたんだ。


当然、何度も繰り返される内にリズも薄々は侍女達が話している事の本質に気付いてしまってそれが心の奥で傷になり、重なって澱みや滓みたく積もりに積もって・・・リズはリズで在ることですら手離しちゃった。


そこでっ!

アタシって前世の人格が甦った・・・はおかしいかな、目覚めた・・・覚醒した、うんカッコイイ!


リズの積もりに積もった黒い、トラウマめいた心の傷を一遍に脳裏に焼き付けられる様なこの早送りで人生をリフレインする書き換え作業は瞳を逸らせるならそらして全てをリセットしたいと思える様なものだった。


女ばかりしか何故か生めずに、男を生む事が出来ない母親を侍女達はポンコツ呼ばわりとなんら変わらない言い方で、言葉のオブラートに包みながらも幼いリズに母親であるらしい正妃と側室達の出来を比べる様に語っていた。


母親であるらしいってゆーのもそもそも、リズは正妃と面会や謁見の場以外で会った事が無いから、うん。

今、もの凄いデータ量のリズの記憶がアタシって人格にPCで言うならドラッグ&ドロップされて付け足される。

リズはこんな思いを抱えて、今まで手離したくても手離せないで生きてきたんだね。

でもごめんだけど、引き継いだアタシはこんな産業廃棄物みたいな旦那は嫌だし、ドが付く田舎に籠って一生を閉じるのは耐えられない、ってそっか・・・リズも耐え切れずに自我を棄てちゃったもん。

どーすっかな、まずは離宮に帰りてーなー。

離宮では沢山の乳母達に囲まれて暮らしてた。

正妃や側室達は皇帝とイチャイチャをいつまでもしてたいもんだから子は生んでも育てない、そんなシステム。


元はずっと、ずぅーっと前の皇帝の作った習わしで、皇帝が妃とイチャコラしたいが為に何もかもをねじ曲げて作った謂わば悪習の類いと言い切れる。


子供は乳母に育てられるから、親の暖かみを解らないまま育つ場合もあるって考えないのかな。


とか言ってもリズもお気に入りの乳母の一人くらい居たみたいで、その時だけは人生真っ黒に染め抜かれるように仕組まれてるんじゃないかってくらい闇、闇、闇だらけのリズなのに、心穏やかに過ごせていたように感じるんだもん、アタシも。


リズだけじゃあ無いんだけど、同じように上の姉なり下の妹だって側室派から送り込まれた侍女によって精神的に揺さぶりを掛けられてたっぽいの解るんだけど、リズは言い返せないからティルフローズて一個人としてじゃなく安易にサンドバッグか、起き上がる玩具的に侍女にも扱われてるのがインプットされて、自然と泣けてくるぞ?


この国、内側から腐ってんな・・・正妃は男の子を埋めないから、側室派の方が力持っちゃうってな、どういう了見なんだってば。


いやまぁ、そんなのいーんだけど虐めになってるのは許さんよ?

離宮で絶対的に強権を振るっていた第2側室がそれとなくリズのお気に入りの乳母を辞めさせたのか、可哀想になリズ。

優しく遊んでくれてた上の姉達も次々隣国やら辺境やら皇帝から離れるように嫁がされてリズはそうして側室派の矢面に立っていくのか、酷いな。

外堀無くされて更に内堀はスッカラカンって感じだったろーか。

とにかくリズは一人で泣いてたんだ、闇の中で。

リズのイメージなんだろーけどさ、闇は。


でも、リズという人生の中で闇は常に在って、闇はどんどん溜まって膨らんでいく。

その闇はリズそのものを喰い、やがてリズは無くなって闇だけが残る、その直前。

眩い真っ白な光がリズの心の中で輝き、幾条もの光線に変わってあるものは螺旋を描き、あるものはジグザグに蛇行しながらもリズを支配しようとしていた闇を包んで・・・リズがそれでも帰ってくるのを拒絶したからひょっこりアタシが変わって顔を出しちゃったんだねー、なるほど。


良くまだ解らんが、外見上水色の瞳でピンクの髪の少女にも幼女にも見えるティルフローズに、中身としてバリバリの現代日本人のアタシが覚醒しちゃったんだ。


あ?


はて?


ん、思考停止してたみたい。


そのなんだ、ごめんなさい。

お前に旦那様って思えないからな?アタシ。

せっかくこう転生したんだから、第2の素晴らしい人生の幕開けは、もっとこうぱぁっとね?


「どうした、ティルフローズ。長旅で疲れたろう、こっちに座って休んでいいぞ。さあ、おいで。」


旦那様は誰だっけな。

そういや書き換えられたんだけど、アタシにリズの記憶が付け足されたんだけど・・・よっぽど嫌だったんだろな、それか名前すら聞く間も与えられずに側室派に嫁がされてしまったのかー?


この目の前の、禿げでデブで歪な顔をした旦那様の情報が一応公爵って事くらいしかリズの記憶の中に無いんだけど、あ、付け足すわ〜ド田舎の誰も欲しがらない枯れた土地を治める矮小な公爵って側室派から聞かされたっぽい。


つくづく側室派を呪いでもして一泡噴かせたくなるのは、リズそのものがアタシに同化でもしたのかもじゃない?

それ、解らないんだけど。


あー、二重人格ってこんなのなのか?

考えは纏まらないけど、そーだ試してみよっか。

魔法とか。

あったりしないの?

内心ワクワクドキドキしながら、唱える・・・『闇よりなお深き黒よ・・・重き虐げられし枷より今、解き放たん!汝、我敵全てを滅せ──バニシュ・スレイブ!』心に澱んだ言葉を自然に汲み上げ並べあげていく、アタシなりに。


そりゃまあ、日本人だし転生ものを読んだ事無い訳じゃ無いし・・・期待したよ?

結果は何も、何っにも起こらなかった、あるぇー。


リズそのものが知らないこの世界の言葉が発せ無いとでも言うの?


ま、出来ない魔法は置いといて、姿見の前で着替えさせられたリズの記憶があるから解ってる、このゲスから贈られたらしいって侍女が話しながら着せたのは凡そリズの歳で穿く様な代物じゃなくとんでもなく卑猥な下着。

胸の膨らみも、その中心の慎ましげな蕾も一切はっきりしゃっきり隠せない、布と言うより下乳を支える申し訳程度の革紐じゃないか〜的なブラと。

大事なとこ全部でてますねコレ、的なTバック・・・んー逆さYバックな、布地が総レースのショーツー・・・とどれか一つからも愛情を感じませんが、本気でアタシは目の前のゲスな笑いを浮かべるコレが旦那様なのだろうかとどうしても本気で疑うよ。


神様を恨み、呪います。


でもって、ある侍女から持たされた取って置きがあるのも記憶を覗いてるから知ってる。


アタシはやおらニコニコと微笑み混じりに旦那様に近寄って、ボディブロウーを叩き込んでやった。


「ぺっ、あ?誰か、ゴミが喋ってるの。おっかしいわねー・・・ゴミ、喋ってるの初めて見たわ。これ以上ないくらいおぞましいわね。」


がぁっと啼いてゲスなコレは絨毯の上に内容物を吐いて崩れ落ちる。

旦那様であるらしいコレに向かって唾を吐いてからおちょくるぽくゴミ扱いしてやった。

何故か履いていたヒールの踵で旦那様であるらしいコレの頬をグリグリと踏みつけ、二の句を喋らせない。だって、聞く耳ないもん!


ゲスのコレに話し掛けられるってだけで寒気するわー。

どうしても罰ゲームとしか思えないんですけどー。


侍女から持たされた取って置き、それは万が一ですよ?と念を押されもした、リズが・・・アタシは知らんがな、そんなの。

で、だ。

それは二の腕までぴっちり覆う手袋で最大の特徴は掌の中心にテンパランスという魔法を綴じ込んだ魔石を埋めて、それにより常人の何倍、何十倍の力を発揮出来ると教わっている。

これで足元に崩れる、アタシのハイヒールの下のゴミの腹には一発喰らわせたのだから、内臓バイバイしたかもね当然、ヤバそうなパワーを着けた瞬間からしてたから手加減はしたけどさー。


その夜、どうしてこうなったー。


「俺の目に狂いは無かったようだな。お前には俺こそ一番相応しい。」


何故か、ゴミに懐かれました。

あ、そうそう名前解りました、でもゴミで良いって言うの。

そうか、オーウェンお前ってロリコンで、痛い系が好きなドえむなんだなっ?


こんなオーウェン公爵を後ろ楯に何故かアタシは、リズの敵討ちとばかりに離宮と、離宮に巣食う側室派と戦う事になったりしたんですが、それはまた別の話。



乙女ゲームの欠片もなかったですねー、㍉しらだとこんな話になっちゃうんですよー。


転生モノってこんな感じかなぁって思いながら書いたら止まらなかった、しょーじき連載でやれる代物じゃなさそうなので退散しようと思う。


カードゲーしかやらないからウィクロスをシンパシーしたシナジーでインスパイアした、 何かの方が良いかもだー。


不憫なティルフローズ。。。。。

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