ボタンがあったら押してみよう
えーっと、単刀直入に発表します。
「俺の周り、ゾンビだらけ。」
まあ、なんでこうなったかというのも、だいたい検討はつくんですけどね。
時はさかのぼり昨日へ
「はぁ、やっぱり予約しておくべきだった。俺としたことが。」
俺は寒空のしたを落胆しながら歩いていた。季節はもうすっかり冬。無防備な俺の手は真っ赤になっていた。
まあ、一応ここで自己紹介をしておくと、俺の名前は藤裏 聖夜、ゲームが三度の飯や睡眠、その他もろもろより大好きな高校二年生である。ちなみに、名前の由来はお察しの通り俺の誕生日がクリスマスだからである。
俺は今、超大作ゲームを買えずに、とぼとぼと、河原を歩いている。川までもが凍ってしまいそうなこの寒さの中、俺の心はもうすでに凍っていた。
ブツブツとなにかお経を読むように愚痴っていると、視界の隅に何か立方体のものが入った。
「ん?なんだあれは。」俺はそのサッカーボールぐらいの大きさの何かに、近寄って行った。あ、ちなみに一人言がやけに多いのも俺の癖です。
その物体は指紋認証機能のような物と、携帯の画面より少し大きいぐらいの画面がついていた。俺はその赤色の立方体をひっくり返したりしてみた。するとうっすらと文字が書かれていた。いや、刻まれていた。
「え~っと、なになにG A M E!!」英語?いや、俺外国行かないし、などと言って英語をサボってりしていた俺でも分かる。これはゲームだ。神が俺にプレゼントしてくれたんだ。
「でも、全くみたことのないハードだなぁ。」俺は会社の名前やそのゲームの名前が書いてあるんじゃないかと思い、とりあえず全部の面を見ていった。すると、電源みたいな物を見つけた。 やっぱり誰でもこういうのは、押したくなるでしょ。俺はためらいもなく、そのボタンを押した。
「ゲームを始めたい方はよく考えてから、指紋認証をお願いします。」突然機械的な音声がリッポーから出た。ちなみにリッポーというのは、俺が今考えたものである。凝ってないとかはこの細どうでもいい。
「指紋認証?あぁこれか。」俺はさっき見つけた面を上に向けた。よく考えてからか・・・よし!!考えた!!俺は二秒よく考え指紋認証をした。
「エントリーありがとうございます。健闘をお祈りします。ブッツン」
指紋認証を終えるとまた音声が流れて、電源が切れた。えっなにこれ神様のプレゼントじゃなくて、悪魔のイタズラ?ていうか、ただのドッキリ?
俺は先ほどよりへこみながら家に帰った。結局その日はなにもする気は起きず、ご飯も食べずちょっとゲームをして寝た。ゲームをする気はあった。まあゲームは別格だから。
で、今起きてみたらゾンビパラダイスというわけである。普通に考えるとまあ、自業自得だ。いや、俺は悪くない。ただちょっとゲームがしたかっただけだ。
俺が自分を必死に正当化しようとしている時に、目の前にはある物体が迫って来てるのであった。