砂糖がけのアメリカンドッグ
僕は、アメリカンドッグというのは砂糖をかけて食べるのが当たり前だと思っていた。
それは僕は北海道の東の田舎で生まれ育ったからだった。東京ではそんなものは売られていなくて、アメリカンドッグにはケチャップとマスタードを付けて売られている。
僕にとっての当たり前が当たり前でなかったことが、とても衝撃だった。
そもそも、僕が「アメリカンドッグ」だと思っていた物は、よくよく調べてみると「フレンチドッグ」と呼ばれているらしい。
外側に砂糖がめいっぱいまぶされていて、中身はウインナーではなく、魚肉ソーセージ。それが僕がアメリカンドッグだと思い込んでいたフレンチドッグ。
お祭りの屋台の定番で、屋台でそれを食べるのがとても楽しみだった。
それが、東京では、他の地域ではまったく知られていない食べ物だったらしい。僕にとっては屋台の思い出で大好きな食べ物なのに。
東京に引っ越してきてから、屋台が出るようなお祭りに足を運んでいないから見ていないのだと思っていた。でも、東京にはそもそもそんなものは存在していないらしい。
東京のコンビニで、アメリカンドッグにケチャップとマスタードを付けられて売られるのが不思議でたまらなかった。アメリカンドッグにケチャップとマスタードなんて合うわけがないと思ってしまった。アメリカンドッグは砂糖がたっぷりまぶされた甘じょっぱい食べ物だ。そういう認識だった。
ケチャップとマスタードなんて合うわけがないと思いながら、東京のコンビニではそういうものだと知らなくてアメリカンドッグを買ってしまった時は、自分で家で砂糖をまぶして食べた。余ったケチャップとマスタードは仕方ないからハンバーグのソースに使った。
でも、コンビニから家に持ち帰って砂糖をまぶすのでは、アメリカンドッグが少し冷めてしまう。それが少し嫌で、アメリカンドッグは東京で食べるものではないのかもしれないとも思った。僕が食べたいアメリカンドッグ……フレンチドッグは、北海道にしかない。
でも、たまにアメリカンドッグを食べたい時があるので、コンビニで買って、何も付けずに食べることがある。砂糖をまぶすのがうまくできなくて。何も付けないアメリカンドッグもおいしい。ケチャップとマスタードをアメリカンドッグに付けることに関しては、いまだに味を疑って、おいしいのかわからないからと試していない。僕にとってはアメリカンドッグは甘いものなのだから、ケチャップやマスタードなんて付けるのは違うと思ってしまう。
きっと世の中には、こんな風に自分が当たり前だと認識していても世間的に当たり前ではないことがたくさんあるかもしれない。生まれ育った地域が違えば、色々なことがあるんだろう。
砂糖がけのアメリカンドッグ……フレンチドッグは、本当にとてもおいしくて大好きだから、もっと世間一般的に広まってほしいものだ。なんてことを思いながら、僕はまだまだ東京に馴染めないなと痛感する。
〈了〉
北海道の東の田舎で生まれ育った常識と東京の常識の違いについていけない人間。北海道の中でも東の地方だけの文化らしい。地域による文化の違いっておもしろいですね……。




