仰ぐ
我が家の二階の南側の部屋には天窓がある
横長に二つ並んで天井近くの壁に設置されている
普段掃除はできない
脚立を使っても届かないくらい高い位置にある
その点を除けばすごくいい仕事をしている
月の軌道が計算されているのか、夜は様々な月を見ることができる
季節や時間帯により位置も形も変わる月を拝める
毎晩、ベッドに寝転びながら夜空を仰ぐ
夜が明けると、当然朝陽が差し込む
カーテンを開けなくても、天窓から太陽光が当たる
日中は流れる雲を眺める
家を買う時は、この天窓について深く考えていなかったけれど
実際に住んで、移ろう年月を共に過ごし
その有り難さ、日々の生活に与えてくれる活力に感謝している
家の中に居るのに、見上げればいつでも空が見える
この窓をデザインした人は凄いセンスの持ち主の建築家さんだ
素敵な部屋を造ってくれてありがとう
もうお気づきかと思うが
この話は我が家の天窓について、ただひたすら述べるだけである
天窓だけではなく、うちのデザインはけっこう変わっているところがたくさんある
いわゆるデザイナーズ住宅のカテゴリーに入るのだと思う
住んでいる人間が個性的だから、家も個性的
家が先か、住人が先か
あまり詳しく書くと、ご近所に読者がいたら特定されてしまうので(たぶん居ない)明記は避けるが
天井が斜めになっている
屈折した家主に合わせて斜めっている訳ではない
天井の高さが、部屋によって違う
私の部屋は一番高さがある
伴侶の仕事部屋の天井は低い
穴蔵に隠って仕事をしたい変わり者には居心地がよさそうである
冬ごもりする熊と同じ
住居の窓について、いつもそんなに意識しないけど
毎日の暮らしの中で、意外と影響を受けているものである
窓の無い部屋は息が詰まる
窓から見える景色で気分が違う
ホテルなんかはビューによって価格が変わる
目は心の窓、なんて言葉もある
目に心の状態が出るという意味だが
心の窓に映る景色が、その人にとっての世界になるのだから
どんな視界かによって、かなり左右されるのは納得である
そういう意味でも、長時間過ごす家の窓から空が見られるのは最高
これから寒くなると出無精になるので、部屋に居ながら空を満喫できる天窓は、私の心を豊かに潤してくれる素晴らしい存在
月がいつも身近に感じられるのは、天窓のおかげかも
宇宙との一体感も
夜空を見上げれば、この宇宙に自分はひとりきりじゃないと思える
いつも見守られている
宇宙に愛されている
空は繋がっている
今宵も空を見上げながら
眠りに落ちて心の故郷に還ろう
かぐや姫気分
お迎えが来る日まで、月を見ていよう




