マンハッタン・チルドレンズ・ホスピタル
ファイサル曰く、スマホに女性の番号が入る事が大学生ぶりらしいドミトリは、ウイスキー片手に何故か格好付けた顔をしながらひたすらスマホを見つめていた。
真面目なアイツの事だ、きっと今から数時間は最初のメッセージの内容について深く考える事だろう。
サラはそんなドミトリを見て「罪と罰が生まれた国の子なのに…」と皮肉たっぷりの言葉を放って居た。
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──もう8時半を過ぎた。
そろそろお開きが見えていたその時……ライリーの端末が通常とは違うトーンの緊急アラートを鳴らした。
ライリーは先程までの表情とは180度変わって、真面目な顔で俺達にたたみかける。
「緊急事態だ。小児病棟、マンハッタン・チルドレンズ・ホスピタル。武装した男が、病棟を占拠したとの情報」
誰かが具体的な号令を出した訳でもない。
それでも全員が直ぐに席を立ったのは、俺達が各国を代表する❝国民を守るプロ❞だからだろう。
AIとの戦いが終わったばかりとはいえ、場所が小児病棟だと聞けば、迷う理由はない。
そこに国籍や休暇具合など、関係無かった。




