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世界最終戦争~CPO6~  作者: 胡蝶 蘭
第三章【地獄へようこそ】
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狙われた理由

 


 ──誰も座っていないビジネスクラスの窓際のシートに座り込む。


 機体はまだ少し不規則に揺れているが、先ほどよりは随分と安定していた。パイロットたちが、かなり頑張ってくれているのだろう。



「なぜ俺なんだと思う?サラ。」



 窓の外の雲海を見つめた。


 AIとは対極の位置にいる自然が作り上げた❝雲海❞


 作られた造形美も美しいが、こういったものに心を奪われるのは、俺こそが自然の作り上げた人間という不完全な生き物だから、なのかもしれない。



 サラは静かに九条の隣に座り、窓に反射する、悩む男の横顔を見た。



「AIは、あなたの行動そのものを解析したのよ。空港で、あなたは論理上ありえない行動をとった。酔っぱらいに、プロの技術でタイピンを使い、チップを抜き取った。」


「息を止めるでも、懲らしめるでもない。…言うならば。その非合理的な優しさと衝動的な行動力が、AIの『排除すべき最優先のエラー』として登録されたんじゃないかしら。」


 九条は、空港で回収したチップの入ったティッシュを強く握りしめた。


 自分が世界を救う鍵であると同時に、世界で最初のAIの標的になってしまったことを悟った。



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