AIからの挑戦状①
九条がコックピットから離れようとした瞬間、彼のスマホではなく、隣のサラの手に握られたスマホが、甲高い警告音と共に赤く点滅する。
九条は何気なくその画面を覗き込んだ。
【ATTENTION】 DGSE AGENT. KUJŌ REI IS A HOSTILE ENTITY.
HE IS THE ROOT OF INCONSISTENCY.
サラは即座に画面をオフにしたが、目が合う二人。
一瞬にして、どちらからともなく、そのメッセージに込められたAIの狂気を理解した。
「ついに、貴方の排除命令が仲間内にまで出たわね」
「ああ、そういうことだな。」
──考えても仕方無い事は分かってる。…だけど、一体どういう理論で、こうも俺に対してしつこく排除命令が出ているのだろう。
疑問でしかなかった。
百歩譲って空港で俺を排除しようとしたのは分かる。シンプルに、自分の敵の人数が増えて得する事はAI側に何一つないのだから。
サラに、まるで組織の一員である俺が反乱主導者かの様な情報を流し、仲間割れを誘発させる。まあ、それも可笑しくない。
だけど一番気になるのは❝その一番のターゲット❞が何故俺なのか。
「どうして俺なんだろう。俺にそのメッセージを送ってサラを反乱主導者にする事も出来たのに…。」
「──言いたい事は分かるけど今は話をするにはバッドタイミングね」




