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世界最終戦争~CPO6~  作者: 胡蝶 蘭
第十七章【ルーブルの花束】
153/154

マルセルが継ぐ思い

 


 目が滲んで、読めなくなった。


 手紙のインクが俺の涙で滲む頃、マルセルが俺の袖を引いた。



「……サラが僕に言ってたよ。」



「…………え?」




「❝僕のママは返ってこないけど、魂は命の星になって、君に降り注ぐ。

 君が強く生き続ける限り、ママの魂は君と一緒にある❞って─」



 幼い声が、俺の心にまっすぐに響いた。



 サラの言葉を、最後にこの子が受け継いでいたのだ。




 俺は何も言わずにマルセルを強く抱きしめた。


 俺達は人目を気にせず、大粒の涙を流す。




 雪が肩に降り積もる。

 

 ──冷たいはずの世界が、ほんの少しだけ温かく感じた。




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