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世界最終戦争~CPO6~  作者: 胡蝶 蘭
第十六章【レ・ミゼラブル】
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静けさの果てに



 ──12月30日。理星と共に帰国して、三日が経った。


 働き詰めだった俺達は今、有休消化中だ。


 ……と云っても明日の年末は仕事に出ないといけないが、挨拶で終わるからすぐに帰ってこれるだろう。



 帰国してからの俺の生活は、撮り溜めた大河ドラマを見たり、時間を気にせずサラとテレビ電話をしてみたり、『これが平和か』と再実感できる様な退屈で、だけど美しい日々だった。



 ──カーテンの隙間から漏れる光が、机の上の灰皿と書類を照らす午前11時。


 遅い朝だ。俺は寝起きの煙草に火を付けてから、コーヒーメーカーの電源を入れた。


 音が豆を挽く音が静かに鳴り、白い湯気がゆっくりと上がる。



 ふと、サラの笑顔を思い出した。


 レ・ミゼラブルの幕が上がる瞬間に彼女が見せたあの横顔。テレビ電話で見せてくれた寝落ちした時の無防備な顔、俺の日本でのだらしない生活を聞いて大口開けて笑う笑顔……。


 どれを取っても俺の今の❝笑顔の源❞である事は間違いない。



 愛している彼女の様々な表情が、まだ、心の中で鮮明に輝いていた。



 ──その瞬間までは。


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