表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界最終戦争~CPO6~  作者: 胡蝶 蘭
第十四章【再結束~CPO6~反逆者上等】
129/154

個人的な義理の先に

 

 俺はドミトリが残した暗号化された端末を手に取った。


「ドミトリの遺した端末から、ロシア大統領の非公式回線に発信します。此処からの発信となるとアメリカ側の盗聴リスクも踏まえて話せるのは15分間のみです」


 理星の言葉に頷いた俺は、コール音に耳を澄ませる。


 4コール程してからだろうか──電話越しの向こうから重々しい大統領の声が響いた。


「お久しぶりです、大統領」


「どうした?今から会議だ。内容は簡潔に頼む。」


「ドミトリの弔い合戦の場所が決まりました」


「………」



「場所はホワイトハウスです。貴方には一つ、頼みたい事がある」


「個人的に動ける範囲なら何でも言ってくれ」



「三日後の12月23日、クリスマスイブの直前の午前11時に非公式にアメリカ側に連絡を取れますか?そして、その時にこう言ってほしいんです。『本日、午後12時に記者会見をするらしいな。一連の世界で起きていた連続殺人がまさかAIの暴走だったとはな。さすがアメリカだ。真相を突き止めてくれてありがとう、感謝する』と──」


 俺のその言葉に拍子抜けした様な顔をするメンバーたち。まあ無理もない、今思いついた理論も何もない作戦の中身なのだから。


 だけどそれとは反対に、様々な場数を踏んできている大国のトップは、フッと小さく笑うと『了解。兵器は必要か?』と俺に問いかけた。



「いや、要りませんよ。俺達は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()んです」


「……そうか、分かった。」


「ドミトリには世話になりました。メンバー全員。アイツは本当に…純粋で、それでいてクールで、面白くて良い奴でした。」


「……生まれた時からそうだった。もっと早めにアイツを認めてやれば、こうはなっていなかったかもしれない」



 そう、予想外の事を発した大統領。俺達の視線が交わる。



「……電話の件は了解した。どういう魂胆でそれを求めてきたのか作戦の詳細は分からないが、それが無いと成功しないのだろう?協力させてもらう。」


「以上だ。また報告してくれ」



 そう言い切ったウラジーガ・プリチは、一方的に電話を切った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ