ホワイトハウス立てこもり
「でね、まあ結論から話すと協力者A……というか獄中の犯人の❝右腕❞はホワイトハウスに立てこもるんです」
沙羅は、ニヤける俺を横目に楽しそうに話す。
「ホワイトハウスに立てこもり、ですか。それは無茶苦茶ですね」
俺は、それを聞いて苦笑いした。
もし本当に日本の犯人がホワイトハウスに立てこもるのなら、SWATに即座に撃ち殺されるだろう。まあ、きっとそんな脚本を書けば映画が1時間で終わってしまうから、そこに政治思惑を混ぜて上手に商業作品として作り上げるのだろうが…。
「だけど見方を変えれば、俺達が有り得ないと思うホワイトハウスに立てこもりってのは中々面白い視点だな。仮に本当に起きたとして、立てこもれるモノなんですかね?」
俺は純粋な気持ちでそう聞く。すると、「さすが警察。目の付け所が違いますね」と言いながら、沙羅は嬉しそうに俺の質問に答えた。
「実は私もそう思ったんです。だからこの話を貰った時に脚本家さんに聞いたんですよ。ほら、私もあまりにバカみたいな話に乗って外れを引きたくないしね」
「その時に言われたのが『ホワイトハウスって警備が厳重だから外から入るのは難しいけど、一度中に入ってしまうと、案外簡単に無茶苦茶に出来る』って。」
「だから、テロ犯はホワイトハウス内部の人間の助けを借りて内部に侵入するって設定みたい」
沙羅のその言葉に俺の足が、ピタリと止まった。あと数歩で入口に入ろうとしていた時だった。
沙羅はそんな俺を見て不思議そうに首を傾げつつ、周りの人の邪魔にならない様に俺の腕を少し端の方へ引っ張った。
「九条さん?どうしました?」




