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世界最終戦争~CPO6~  作者: 胡蝶 蘭
第十二章【絡み合う政治思惑】
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重圧からの解放



 ********************


 マリアとユーリを飛行機に無事に乗せた俺達は、NISの協力により得たアシアナ系プライベートジェットが無事にアメリカを離れたのを見て、ホッとする。


 あの機内にはNISのキムの部下が同乗している。もし、何か不審な事があっても逐一、俺達にキムを通じて連絡が入るだろう。


 勿論、彼女たちが無事にモスクワへ着くまでは安心できないが、少しばかりの安堵が一気に俺の体を疲労へと傾ける。


 モニターに映るジェットを見つめながら、円卓へ上半身をベタッと付けた俺は恥を承知で本音をぶつけた。


「俺も、もう年だ。アメリカに到着してからここ数日、ひたすらに動き回ってる。しかも全部、人の死が絡んでな。──昔みたいに、体と脳をフル回転させて、それでも毎日バリバリ動けるほどタフじゃないぜ…」


「日本は平和慣れし過ぎなんだ。同じアジア人でもここまで体力が違うと情けなく思えてくるぞ、九条。しっかりしろ」


 そう言いながらテイクアウトしたハンバーガーを貪るキムの前には、ユーリから貰った手紙が置かれてあった。俺が思うに、ユーリの❝初めて憧れた男❞は、きっとキムなんだろう。


 ──まあ確かにあの場で一番子供が憧れるヒーロー像に近いのはクールで、そして筋肉も有って、顔も恰好良いキムに違いない。


 そう納得しながら、疲労により瞼が重くなっていくのを感じた。



 ファイサルも例外ではない様で、俺と同じくベターッと机に伏せながらスマホを触っている。


「ファイサル、何してんだよ」


「株だ。マリア母子に渡した現金は俺の個人的な金だからな。あの分は株の取引きで取り返そうと思ってな。」


「ハッ、お前も本当冷静なやつだな」



 そんな俺を見てサラがクスっと笑う。俺も彼女のその笑顔を見て、少しだけ口角が上がったのを感じた。



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