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おまけ 姉なるもの。変態の日記。ファーストキス。

今回の話は、本編に入りきらなかった日常会(おまけ)になります。

 あくまでもおまけなので、時系列などという贅沢品はありません。

 皆さんは頭をすっからかんにして読んでください。その際私はすっぽんぽんで待ってます。



【百々瀬ルルの野望】


 とある日、ルルちゃんのお姉ちゃんになった私は、妹である彼女と会話していた。



「そういえば、なんでルルちゃんは七色のダイヤモンドを欲しがってたの?」


「えっと、ダンジョン産の貴重な品を売ってお小遣いにすれば『お姉ちゃん』を人口的に作り出す装置の研究が進むと思いまして」



 ルルちゃん、そんなもの作ってたんだ……お金持ちってすごいな。



「でも、もう必要なくなってしまいましたけどね、ワカナさんがお姉ちゃんになってくれたので、えへへ……」


「る、ルルちゃん……! いや、私の妹っ!」


「えへへ……」


「へへへ……」



 そうして私達は、抱き合う。



(幸せって、こういうこと)



 ……でも、その装置、今後はどうするんだろ。



「ちなみに、その装置はどうするの?」


「そうですね……ここまで投資しておいて未完成のまま放置しておくのも勿体無いですから、百々瀬家が経営している大学の研究室に送る事にしましょうか」


「……というか、それってもしかして、完成するだけでもとんでもないことになるんじゃ……?」


「そうですね。科学的に人類を作り出す技術ですし、仮になにか失敗があって機械が暴走したら、全人類がお姉ちゃんになっちゃったりするかもしれませんね」



 ……研究者さんたちの倫理観と技術力に期待しよう。





【委員長のワカナさん観察日記】


 8時30分:ワカナさんが登校する。今日も素敵だ。距離は近くないけど、既に良い匂いがしている気がする。ワカナさんの椅子は私があらかじめ座って暖めておきましたからね。


 9時:一限目、現代文の授業。ワカナさんが黒板に顔をあげる回数が多い事から、モチベーションが上がっているのが見える、かわいい。耳たぶを舐めたい。


 10時:二限目、数学の授業。ワカナさんは集中しているようで、真面目な顔をしている。可愛いとかっこいいが合わさって、最強だ。


 11時:三限目、日本史の授業。そろそろお腹がすき始めてるのか、ワカナさんのモチベーションが減りつつありそうだ。今すぐご飯を食べさせてあげたい……そういえば、補習の手伝いを担当したのも日本史でしたね。ええい女狐、私の思考に入ってくるんじゃありません!


 昼休み:ワカナさんは奈良咲アスカ(敵)と食事を始めたので、私も参戦した。敵とご飯を食べると美味しさも半減だけど、ワカナさんとご飯を食べると十倍美味しく感じるから、トントン以上だ。その後、ワカナさんはトイレに行ったので、私も飲み物を買いに行くフリをして彼女の後ろをついて行って、ワカナさんが座った便座を特定した後、同じ便座に座って彼女の温もりを感じた。ほかほかしていた。


 13時:四限目、化学の授業。食後の授業という事もあってか、ワカナさんはなんだか少し眠そうだ。膝枕してあげたい気持ちもあるけど、良いベットでしっかりと寝てほしいという気持ちもある。この複雑な感情のことを人々は乙女心と呼ぶのだろうか。


 14時:五限目、体育の授業。毎回、体操服に着替えるワカナさんをバレないように眺めているが、彼女は下着を隠しながら着替えるのが抜群にうまい。残念な気持ちもある反面、ガードが固い事に喜びもある。体育自体は普通にこなしているが、ダンジョンにいるワカナさんの方が百倍かっこいい。この良さを知らない人類は人生十割損していると思う。


 15時:六限目、英語の授業。体育後という事もありワカナさんは疲れているのか、明らかにまどろんでいる。ファン一号としては、おはようのキスで目覚めさせてあげる必要があるのだが、席が遠いので難しい。運命はいつだって私達を分断しようとする。


 16時:掃除、ホームルーム。掃除中、ちりとりを使う為にしゃがみ込むときもワカナはしっかりとスカートをガードしている。彼女は一体、私をどれだけムラムラさせれば気が済むのだろうか。


 16時30分:下校。ワカナさんは部活には入っていない。今日は私も委員会の活動はないし、後ろから帰宅するその姿を見守らなければ……なんて思ってたら、奈良咲アスカが共に下校しようとワカナさんに声をかけたので、私も即座に声をかけに行った。ワカナさんの隣は譲りませんからね!




【恋人】


 休日、奈良咲さんと共に私の家でのんびりと過ごしていると、彼女がおもむろに口を開いた。



「……あんまり私たち、恋人っぽいことやれてないよね」


「た、確かにそうかもしれませんね」



 奈良咲さんのいう通り、仲間ができてからはあんまり肌の接触がない感じだ。


 なんだか恥ずかしいけど、恋人っぽい事をした方がいいのかもしれない。



「でも恋人っぽい事って、なんでしょう……?」


「んー、手はもう繋いでるしね。じゃあ次は……キ、キス……とか、しちゃう?」



 そして、そう言いながら頬を赤く染めた奈良咲さんは、静かにこちらを見つめてくる。


 明らかに『女の子の顔』になっている、私の彼女。


 それを見て私の心臓は強く跳ね上がったが、それと同時に返答に戸惑う。



(本当にいいのかな……でも、恋人なんだし、するのが普通なんだよね……?)



 そうして私は、心臓の鼓動を精一杯抑えながら、覚悟を決める。


 そして、私が奈良咲さんに顔を近づけると、いつの間にか顔が耳まで真っ赤になっていた奈良咲さんが両手をワタワタとさせながら、口を開いた。



「って、やっぱ今のナシ! まだ、早すぎだよねっ!」


「奈良咲さん、いきますね」


「……んっ!?」



 そうして私は、奈良咲さんの腰に手を回した後、彼女の唇に自分の唇を重ねた。


 それと同時に奈良咲さんは、肩をビクッと震えさせながらも、やがて目をつぶって、私の唇を受け入れてくれた。



(身体中がすごく熱い……もっと奈良咲さんと繋がってたい……)



 そうして私は、時間感覚なんて分からなくなるほどに奈良咲さんで頭がいっぱいになりながら、彼女と唇を重ね続ける。


 そして、初めてのキスで呼吸のタイミングが分からず苦しくなってきたので、一旦彼女から離れて、感想を伝えた。



「これ、信じられないくらいドキドキして、ふわふわしてて、すごいですね……って奈良咲さん? 大丈夫ですか?」


「ふぁい……げんきです……」



 ……なんかトリップしちゃってるけど、奈良咲さんは幸せそうだし、私も幸せだし、まあいっか!



「それじゃあ、もう一回、いきますね」


「は、はひ……お願いします……もっとください」



 結局、この後も私たちは一日中、唇を重ね続けた。


 とろけた表情でたまに声を漏らす奈良咲さんがいつもより可愛くて、つい私も夢中になってしまったのだ。


 そうして私は、奈良咲さんの事をずっと大切にしたいと改めて思いながらも、彼女の唇を独占し続けた。

これにて、本当に終わりです!


「面白かった!」


「続きが読みたい!」


と思っていただけたら是非、⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎から作品への応援をよろしくお願いします!


最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!

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