天界と人間界の歪み
主人公、名もない天使
稚を見まる役目を背負う。
天津と言う謎の人物と共に、迷瑶市へと向かう
バチ、バチ、バチ
何かが弾ける音がする。
君の皮膚に、鈍い痛みが走る。
静電気のような痛みが君を襲う。
一瞬、背中が焼けるような痛みが走る。
だがその痛みは、すぐに止んだ。
だんだん思考がハッキリとしていく。
視界の歪みも治り、景色をハッキリ見えるようになった。
『稚!!』
君は、一目散に稚の現状を確認をする。
彼はすぐ横に、倒れていた。
見たところ大きな怪我も無い。
呼吸もしている。良かったと少し、ホッとしたその時、
君は彼の顔のアザに変化があることに気がつく。
アザが濃くなってる。瞳に近い場所ほど深い溝のマークに変わっていた。
『なんで、アザが濃くなるなんて書いてなかった』
君は、無意識に稚のアザに触れようと手を伸ばした。
《バッチッ》と静電気のような電流が走る。
反射的に、伸ばした腕を引っ込める。
人間に自ら触れようとしたのは、これが初めてで自分の行動に驚ろいた。
ただ君は、初めてことで困惑をする。
人間に触れると電流が走るなど聞いた事がなかった。
学び屋でも、そのような事が書かれた書籍もなかった。
《ガチャリ》車の扉が開かれる。
『目的地に到着いたしました。』と、スーツを着た男性が扉を開いたようだった。
君は、瞳を丸くする。
そうだ『迷瑶市』にいく途中だった。
あいつは…と君は天津の方に振り向く。
『嗚呼、ありがとう。』そう返事をする彼には特におかしな様子はない。
君を警戒や注意を放ているそぶりもない。
『長い時間揺られていたから、稚様は少し眠ってしまったみたいなんだ』
『彼を運んでくれないか』
『はい、承知いたしました。』
そういいスーツを着た男性は、天津が車を降りた後
稚を起こさないように、抱き抱え彼の後について行く。
特に、稚に危害を与えるような感じではなかったため
君は、その光景を眺めながら後をついていく。
車から降りた先は、何故か見慣れた空気が漂っていた。
人間界に降り立ったときの空気とは違う。
君の中で違和感が強く感じる。
景色は人間界と同じはずなのに、天界と似た空気を感じる。
でもこれは、少しの親近感に近い。
感覚であって、これが何なのかが君には分からなかった。
『祝福された街』そう天津が言っていた。
これが、関係しているのだろうか…。
君が知る知識は、偏っているのかもしれない。