君が知らない未知の場所
主人公は、名も無い天使
稚を見守る役目がある。
ある日、天津と言う人物が現れた。
翌日の早朝。
約束通り天津と名乗った人物が、稚を迎えに訪れた。
稚は使用人に、いつもよりも丁寧に身なり整われたあと
玄関まで手厚く案内された。
玄関の先には、昨日現れた人物が待っていた。
『お待ちしておりました。』
『稚様、体調などは大丈夫でしたか?』
『大変急な事でしたので、昨晩は慌しかったと思います』
『申し訳ございません。』
そう言い彼は、一礼をした。
彼の服は、昨日見た和服ではなくスーツなのもあり美しい所作から、育ちの良さが引き立つ。
『大丈夫です。』
『早朝から、お迎えに来ていただきありがとうございます』
稚は、手を前に添えてお辞儀をする。
頭を上げたあと、後ろに控えて入る使用人にも一礼をした。
『ここまで連れてくれてありがとうございます』
お礼を言われた使用人は。少し驚いた顔したあと一歩後ろに下がった。
『では、そろそろ出発しましょうか』と天津は、稚の手をそっと掴み歩く補佐をする。
『わかりました』稚は、自身の杖を使いながらゆっくり歩む。
家の敷地を出ると、車が止まっていた。
車へ、少ない荷物を使用人たちが運んでくれる。
『足元段差があるから気をつけてください』と稚のサポートをしている。
君は、天津のその姿をじっと眺めてる。
彼の物腰の柔らかさに関心する。
だが、人は変わることを数年で学んだ。
警戒は緩められないと観察の目は緩めることはしなかった。
彼らが車に乗ると、目的地へ動き始めた。
未知の地方【迷瑶市】
君は、いつもよりも警戒をしながら周りを観察する。
『さて、関係者のみになりましたね』
空気が一気に変わる。
君は、天津へ視線を向けたら
微笑まれた
おかしい。見えないはずなんだ。
天界の住人を人間は…。
君は、思い出す。
【死期が近いものは、稀に認識できるものが現れる】
いや、でもこれは違う気がする。なにより特有の匂いがしない。
こいつは、一体なんなんだ。
『今から向かう先は、迷瑶市』
『祝福された街とも言われています』
稚は、ゆっくり頷きながら話を聞く。
『稚さまには、本の整理の手伝いをして頂きたいのです。』
天津は、稚の手を取り両手を包むように握る。
『えっ…』思ってもみなかった言葉に、稚は戸惑い。
『私は…目が見えません…』目線を下げ困ったように頭を下げる。
『大丈夫です。心配は入りませんよ』
『ついてから詳しく説明しますね』
そう言うと天津は、稚の頭をゆっくり撫でる。
『そろそろ、目的地につきますね』
その言葉をつぶやいた後、
君の視界は歪み始める。
〈バチッ〉
何かが弾けた音が響いた。
〈ドサッ〉と倒れる音が聞こえる
『稚?』歪む視界の先に倒れている彼を見つける。
『すぐ目覚めます』
そう聞こえた。
君はそこからの記憶は無い
特有の匂いは、死期が近いものから香る匂いです。
(線香のような冷たい香り)