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○○を君に  作者: くろうさぎ
5/11

ただ見守っているだけ

主人公は、名もない天使

(わか)の運命を見届けるためそばにいる

(わか)を観察して数年がたった。


そして、長く見てきて分かることがいくつかあった。

人は慣れてくると魔が刺しやすいと言うこと。


最初の頃は、最低限の関わりだけだった世話係たちは、

彼は何も力を持たないと気付いたときから


(わか)様、今日の勉強は陽の国の歴史と我が当主様の仕事についてです」

(わか)様、部屋の掃除をするのであちらでお待ちください」

(わか)様、食事の用意が出ました」

など理由をつけ定期的に部屋に訪れては、彼の視力が無いことを良いことに、

好き勝手に色んなことをする人達が現れるようになった。


君が、どんなにヤジや罵倒を世話係たちに吐きかけても止まらなかった。


そんな日常を君は眺めるだけ。天界のルールに、こう刻まれている。

【人間に関与してはならない】これは、君たち天界の者たちが最も気をつけていることだ。


君は、人間たちと姿形は似ているが影響力が違う。

そして君なら最も簡単に、気に入らないモノたちを亡き者に変えられるだろう。


だが君は、自身の役割を全うしなければ行けない。

(わか)が元服になるまで見届ける使命がある。


『なぁ。(わか)、君は天界に行ったら何をやりたい?』

『天界に生まれる前からお呼ばれしてるんだわがまま言っても』

『上様はお許しくれるだろう。』


君は、歪な文字を懸命に書いている小さな彼に話しかける。

返事は返ってこないことを知りながら


あと数ヶ月たったら、(わか)の養子に出る日がくる。

迷瑶市(めいようし)その地域については、君自身も知らない未知場所だ。

そして、彼が天界に呼ばれる場所でもある。


見届けるモノでしかない君は、彼を歩む道の後ろを歩く。






天界のルールが無ければ、少しはスッキリしたのかな

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