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至る道
虚無を通る一本道は、ただの道ではなかった。
そこには、これから向かう世界を構成する真理があった。
世界の形、力のありよう、二つある太陽の動きとひとつしかない月の動き、生態系から植生など様々な知識を得た。
わたしがたどり着くのは、天と地に挟まれた三層で構成されている層界に分類される世界。
天に近い第一層には聖力が、地に近い第三層には魔力が満ちており、人は中間にある第二層に生きている。
聖力と魔力。
地球にはないその力は、魔法という形で使うことができる。
どうやってその力を使えばいいかも、もうわかっている。
孤独な道行きは、元の世界への未練がなくなったとき、突然視界が開けて終わりとなった。