コント「めいど喫茶」
ツッコミ「どこだここ? おっ、メイド喫茶だ。他に何もねえし入ってみよう」
ボケ「いらっしゃいませー、0.5名様でよろしいですか?」
ツッコミ「なんだ0.5名様って。上半身と下半身に別れてんのか? 俺はマジシャンか」
ボケ「何言ってんですかお客様。……縦ですよ」
ツッコミ「縦なのかよ」
ボケ「ほら、あそこのお客様が0.5名です」
ツッコミ「0.5名ってそういう意味かよ。あんな姿ものまねでしか見たことねえよ」
ボケ「メイク道具とコスプレ衣装ありますよ」
ツッコミ「普通に1名で」
ボケ「分かりました」
ツッコミ「ったくなんだこの店員」
ボケ「席はこちらで」
ツッコミ「おう。ってこれ椅子じゃなくてナスじゃねえか」
ボケ「キュウリが良かったですか?」
ツッコミ「精霊馬か。普通の椅子ねえのかよ」
ボケ「あとはおまるしか」
ツッコミ「なんでだよ」
ボケ「店長の趣味でして」
ツッコミ「じゃあ仕方ねえな」
ボケ「ちなみに私が店長です」
ツッコミ「お前、店長だったのかよ」
ボケ「店長だったんですねぇ」
ツッコミ「何だその喋り方」
ボケ「趣味です」
ツッコミ「変わった趣味をお持ちのようで」
ボケ「いやー」
ツッコミ「褒めてねえから」
ボケ「褒めないんですか?」
ツッコミ「どこに褒める要素あんの?」
ボケ「逆に褒めない理由あります?」
ツッコミ「あるよ、めっちゃ」
ボケ「またまたぁ」
ツッコミ「そういうのいいから。注文だよ注文」
ボケ「こちらがメニューになります」
ツッコミ「何だこの笑える話、悲しい話、びっくりした話って?」
ボケ「メニューです」
ツッコミ「え? 何、どういうこと?」
ボケ「メニューに沿った話を私がします」
ツッコミ「料理は?」
ボケ「そんなものないですよ」
ツッコミ「ねえのかよ。メイド喫茶だろ」
ボケ「えぇ、冥土の土産話喫茶です」
ツッコミ「メイドってそっちかよ」
ボケ「オススメの土産話たくさん用意してますから、お好きなの選んでください」
ツッコミ「いや、選ばねえから」
ボケ「後悔しますよ」
ツッコミ「なんで急に怖い口調になんだよ」
ボケ「脅しです」
ツッコミ「客、脅すなよ」
ボケ「すみません。趣味なもんで」
ツッコミ「いやな趣味持ってんな」
ボケ「いやー、それほどでも」
ツッコミ「だから褒めてねえって」
ボケ「褒めろや!」
ツッコミ「怖えよ。切れんなよ」
ボケ「当店のサービスです」
ツッコミ「そんなサービスいらんわ」
ボケ「とか言っちゃってー。ほんとはー」
ツッコミ「いや、マジでいらねえんだよ、そのサービス」
ボケ「一番不人気の脅迫サービスなのに?!」
ツッコミ「不人気なら止めろよ」
ボケ「趣味なもんで」
ツッコミ「またかよ」
ボケ「欲しがってたくせに」
ツッコミ「うぜえ。何だこの店、帰るわ」
ボケ「帰るってどこに?」
ツッコミ「家だよ家」
ボケ「家なんかないでしょう?」
ツッコミ「あるわ!」
ボケ「自分がどうやってここに来たか覚えてないくせに」
ツッコミ「さっきから何言ってんだ?」
ボケ「お客様、ようやく0.5名様になりましたね」
ツッコミ「は?」
ボケ「自分の薄汚い体を御覧なさい」
ツッコミ「さらっと悪口言ったなお前。ってかなんで半透明になってんの俺?」
ボケ「ここは冥土の土産話喫茶。あの世への手土産を手に入れるための場所」
ツッコミ「まさか」
ボケ「私、幽霊なんです」
ツッコミ「いや、お前が幽霊なんかーい」
ボケ「あっ、お客様もですよ」
ツッコミ「やっぱ俺も死んでるんかーい」