ステータス公開そして冒険者ギルド
夕食の時間が来た。
両親にステータスを公開する時間だ。
「ラース。夕食の時間だぞ。」
父上が部屋にやってきた。
「はい。わかりました。」
俺達は宿の食堂に行った。
宿の人が気を利かせてくれたのか、個室に案内された。
宿の夕食は結構美味しかった。
「ラース、ステータスを見せてくれるか?」
父上が聞いてきた。
「はい...これが僕のステータスです。」
(ステータスオープン)
隠蔽したステータスが表示された。
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【名前】ラース・フォン・シュトローム
【年齢】5歳 【種族】人間
【性別】男 【レベル】1
【魔力】3213(隠蔽)
【攻撃力】1307(隠蔽)
【称号】伯爵家三男(その他隠蔽)
【適性魔法】
火 水 風 (その他隠蔽)
【スキル】
《アイテムボックス》《身体強化》
(その他隠蔽)
【加護】
魔法神の加護Lv3
武神の加護Lv2
商業神の加護Lv2
(その他隠蔽)
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うん。これならだいじょ·····
【バン!】
父上が机を叩いて立ち上がった。
「...こ、これは!おい、ラース。」
「は、はい。なんでしょう。」
「これは絶対に人に言うんじゃないぞ...」
「え?」
「いいか?これは絶対に人に言うんじゃない!他のみんなもだ!さっき聞いた人は全員このことに関しては他言無用だ。」
「なんでですか?」
「まず、お前はアイテムボックスを持っている。アイテムボックス持ちは狙われて奴隷にされる場合が多い。それに加護のレベルがおかしい。」
「え?それなら父上や母上だって...」
「いいか?加護のレベルは人が努力を重ねて神様に認められた時にたまに上がっているんだ。最初は誰であろうとLv1なんだよ。」
俺はそう言われた時、固まってしまった。
(やらかした...もっとこの世界の人の基準を調べるべきだった...。)
「わかりました。自重するようにします...」
「ああ、頼む。」
こうしてステータスの公開は無事(?)に終わったのだった。
――翌日――
俺は冒険者ギルドに冒険者登録をしに来た。
「こんにちは〜。」
そう言って俺は冒険者ギルドのドアを開けた。
「はい。こんにちは。今日はどんなご要件ですか?登録ですか?依頼ですか?」
...うん。やっぱりギルドの受付嬢は美人しかいない。
「今日は登録をしに来ました。」
なんか後ろがザワザワしているな。
「おい小僧!ギルドに登録しにきただって?お前にゃまだはやいぞ?お家でお昼寝してな?」
やっぱり絡んできた。しかもお決まりの体だけ無駄に強そうなオッサンが。
(まあ、ここは無視するに限るな。)
そう思った俺はギルドカードを受け取って
ギルドを出ようとした。
「おい!無視してんじゃねーよ!」
やっぱりあのオッサンが肩を掴んできた。
「離してください。」
俺はオッサンの手をはらった。
すると余計気に障ったらしくオッサンが殴りかかってきた。
「はぁ〜。」
俺はため息をつくと、オッサンの拳を避けて鳩尾に軽く蹴りをいれた。だが、少し力が入りすぎたらしくオッサンはギルドの壁まで吹っ飛んだ。
ギルド内が静まり返る。
「おい!何があった!?」
その静寂を2階から降りてきた男が破った。
「あっ!ギ、ギルドマスター!」
その男は、このギルドのギルマスらしい。
受付嬢がこと細かく事情を説明している。
「おい、そこの小僧ちょっと着いてこい。」
俺はギルマスに奥の部屋へ連れていかれた。
「お前、何者だ?」
今俺は、ギルドマスターに質問されている。
「何者って、ただの5歳児ですよ?」
「それはわかるが、ただの5歳児にあんなことはできんだろう?」
「そんなことはないですよ。僕は物心ついた時から訓練をしていますから。」
「そ、そうなのか?でも、あいつはCランクだぞ?」
ギルドのランク分けは下から
F→E→D→C→B→A→S
となっている。
「Cランクでも油断していれば5歳児だって勝てますよ。」
「そ、そうか。」
なんか納得してくれたようだ。
「じゃあ僕は依頼を受けて行きますね。」
そう言って無理矢理話を終わらせると、
受付に向かった。
「すいません。討伐系の依頼ってありますか?」
「えっ。討伐?危ないわよ?」
「大丈夫です。」
「そう...。じゃあゴブリン討伐なんてどうかしら?」
「ゴブリンですか。わかりました。それを受けます。」
「じゃあ1週間以内にゴブリンを10体倒してきてね。討伐証明部位は右耳です。失敗したら銀貨を1枚もらいます。」
「わかりました。では行ってきます。」
そう言って俺は王都の門を通り、森に出た。
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――shota――