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枠線と色

作者: きい


朝に、起きる

朝というのは、おなかも頭も心もからっぽで

紙に枠線を書いたものに近いと感じる



起きて、あくびして、まず枠線を書く

どんな形をしているかは言えない

まるくても、四角でも、台形でもなんでもいい

そのときの気分で決めていい



次に顔を洗い、ご飯を食べて、外へ出る

そうすると、自然と枠線の中に色が塗られていく

それが何色なのかは知らない

24色かもしれないし、はたまた1色かもしれない

そもそも自分のパレットは何色あるかも知らない

きっと人と出会って、色が増えていくのだろうな

とは思っている





人間の生活は色に満ちていて

自分の意図した色を塗ることが

できる日もあれば、できない日もある

けれど枠線は起きたときにきちんと引かれて、

色はそれをはみ出さないようになっている





枠線を大いに飛び出すこともある

枠線が歪むのではないかというほど怯える夜

色を塗る筆が大きく震えて、うまく塗れない朝



あの朝、どこか安らぎを覚える時間に

素直に惹かれ、危険な予感はしたが片足を沈めた

朝なのに、枠線を書いたばかりなのに

色もまだちゃんと準備していないのに

枠線の中を埋めていく存在が大きくて

どうでもよくなってくる、ただ身を任せる

安易だったし、迂闊だった



あの日に塗った色を思い出せない

暖色か寒色かもわからない














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